エンプロイアビリティとは、雇用される能力のことです。厚生労働省では、エンプロイアビリティを労働市場価値を含んだ職業能力と定義しています。
近年、技術革新の飛躍的な進展や労働市場の流動化により、労働者にも市場価値を高めるための能力が求められています。
厚生労働省が定義するエンプロイアビリティの要素には以下の3つが挙げられます。
1.職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの
2.協調性、積極性等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの
3.動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの
上記の3については潜在的なものであるため、客観的に評価するのは難しいと考えられています。主に評価基準となるのは、1と2です。
VUCA時代といわれる現代においては、知識や技能はもちろん、行動力や思考力、判断力などを養成することが必須だといわれています。
エンプロイアビリティを強化するためには、傾聴スキルやプレゼンテーションスキル、リーダーシップなどを向上させることが必要となるでしょう。
従業員のエンプロイアビリティを企業がサポートすることによって、企業、従業員お互いにメリットを生み出します。
その一つがキャリア形成への自主的な取り組みです。企業で働き続けたい従業員にとっては、専門性の向上が必要となってきます。
また、企業内でエンプロイアビリティが向上すれば、仕事に対するモチベーションが高くなり、従業員個人で目標を掲げるようになります。
従業員個人のキャリア形成への取り組みやモチベーションの向上によって、組織全体の生産性も高くなり、業績向上にもつながるようになるのです。
エンプロイアビリティを強化させることによって、優秀な人材が流出するかもしれないというリスクを感じるかもしれません。
しかし、従業員は自分を高く評価してくれる会社に対し、思い入れが強くなるものです。その結果、エンゲージメントが向上するといった効果を生み出します。