自己肯定感とは、自分自身を認め、価値のある存在として受け入れることです。
自己肯定感をもつことで、感情や思考をコントロールしやすくなります。さらに、自分だけでなく、他人のことも尊重できるようになります。
自己肯定感が低いというと、ネガティブで意見をあまり言わない人というイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。
自慢話ばかりする人や、他人を批判したりする人も自己肯定感が低いといえます。こういう行動の裏側には、自分には価値があり、他人よりも優れていることを証明したいという欲求があるのです。
また、人からどう見られているのかを気にしたり、無関心を装ったり、ほめられるのが苦手といった傾向なども、自己肯定感の低さをあらわしています。
自己肯定感の低さは、特定の人にあてはまるものではありません。誰でも状況に応じて高くなったり低くなったりするのです。
例えば、部下がミスをした時に、自分の評価が下がると言って怒鳴りつける上司がいるとします。この上司も自己肯定感が低いゆえに、気持ちに余裕がなく、部下に怒りをぶつけるのです。
さらに、怒りをぶつけられた部下も自己肯定感が下がるという悪循環に陥ってしまいます。これでは、組織としてのモチベーションも生産性も低下しかねません。
ビジネスの場面では、組織全体で従業員の自己肯定感を高めるための対策を考える必要があります。
上述の上司の場合は、自分の感情に向き合い、客観的に分析することが重要です。
もし、部下の短所ばかりが目に付く場合は、ネガティブな要素をポジティブな発想に変換してみましょう。
例えば、今は部下が成長する時期だととらえ、知識やスキルを習得させる、協調性がないと感じられる時は、部下のペースで仕事を進めさせるなど、考え方や行動を変えてみるのも一つの手です。