社会測定法とは、集団の中で人が抱く親近感と反感を分析するための手法です。ソシオメトリーともいわれ、アメリカの精神科医ヤコブ・モレノが提唱しました。
ソシオメトリーは、ラテン語で社会を意味する「socius」と、測定を意味する「metrum」を合わせた造語です。
社会測定法は、表面的にはわからない職場の人間関係を把握し、人事考課や問題の発見などに役立てることができます。
社会測定法には行動観察、面接、ロールプレイング、ソシオメトリックテストなどがあり、社会測定法の中で最も普及しているのが、ソシオメトリックテストです。
ソシオメトリックテストは、職場の人間関係に合った質問を提示し、従業員に回答させます。
例えば、「○○プロジェクトで一緒に仕事をしたいのは誰か」「仕事をしたくないのは誰か」という質問を提示し、回答者は上司や同僚の実名を記入するというものです。
回答を回収したら、ソシオマトリックスという表にまとめ、職場の人間関係をソシオグラムという図に表します。
上述の例でいえば、「仕事をしたい人(選択)」「仕事をしたくない人(排斥)」に分類し、相互関係を表にまとめたものです。
分類方法には、選択と排斥のほかに、孤立や周辺といった項目もあります。
ソシオマトリックスをもとに、相関図にするのがソシオグラムです。四角や丸の中に人の名前を書き、選択と排斥がわかるように矢印で表します。
社会測定法は、実名を記入するため、取り扱いには注意が必要です。
また、組織の再編成や人事異動などによって人間関係が変わった際には、改めて社会測定法を行うとよいでしょう。