ダブルループ学習とは、解決策を導き出すために、設定された目的や条件を検証し、思考や行動を見直すことをいいます。
アメリカの組織行動学者クリス・アージリスが提唱した学習プロセスの概念で、シングルループ学習をリフレクションする方法です。
ダブルループ学習を理解するうえで不可分なのがシングルループ学習です。
シングルループ学習は、与えられた条件や、過去の成功体験から獲得した考え方の中で改善を図り、目標を達成するための行動と結果を繰り返します。
しかし、シングルループ学習だけでは、不測の事態が起こったときに対応できない、ある目標以上の成果をあげられない、不必要な業務を中止できない、新しいアイデアが生まれないといった問題も発生します。
そこで着目したいのがダブルループ学習です。ダブルループ学習は、シングルループ学習で得られた結果をもとに、そもそもの目的や考え方、条件などを見直します。
目標達成のための前提を検証することで、新たな可能性を見つけ、従業員の潜在能力を引き出すきっかけにもなります。
ダブルループ学習の基本は、リフレクションを行うことです。リフレクションは、結果や条件、自分の行動を振り返ることをいいます。
ダブルループ学習を実践するなら、今掲げている目標について「なんのために行うのか」「この目標でよいのか」など、関係者同士で意見を交わしてみるのもよいでしょう。
ダブルループ学習を取り入れることによって、従業員は自主的に上司または部下、同僚などと対話しながら改善を進め、生産性を上げるようになります。