リスキルラボ ダイバーシティマネジメントとは|ポイント・注意点を紹介【多様性を活かす】

ダイバーシティ研修
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企業や組織の在り方は、時代の流れによって変わっているため、従業員のマネジメントの仕方がカギになってくる。その中で大事になるのが「ダイバーシティマネジメント」だ。

本記事では、ダイバーシティマネジメントの概要を解説しつつ、ポイントや注意点などを紹介していく。

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ダイバーシティマネジメントとは

ダイバーシティマネジメントとは、社内の多様性を活かしながらマネジメントすることだ 。従業員間の違いを活かす状況をつくることで、成果を挙げやすい状態を実現させる。

ダイバーシティには2つの側面がある。
1つ目が「表層的ダイバーシティ」だ。性別や年齢、障害の有無など、表面的に見える部分を指す。
2つ目は「深層的ダイバーシティ」だ。価値観やスキル・性格などの内面が該当する。

2種類のダイバーシティを活かせるかで、ダイバーシティマネジメントの成果が変わってくる。

ダイバーシティマネジメントが注目される背景

ここからは、ダイバーシティマネジメントが注目される背景を解説していく。

多様化する価値観・働き方に対応した企業運営をするため

社員一人ひとりに合わせたマネジメントをしていくために、企業や組織として管理職レベルの方に身に付けてほしいスキルであることが第一の理由だ。

仕事に対する価値観や働き方(時短、フレックス、在宅勤務など)は多種多様となってきている。それらの社員を上手く活用して企業や組織を運営していくためには、一人ひとりに合わせたマネジメントが必要だ。ダイバーマネジメントを知り、身に付けることで「誰もが働きやすい職場づくり」が可能となる。

企業のイメージ向上のため

ダイバーシティマネジメントに力を入れると、多様性を受け入れている企業だと認識される。周囲からは寛容性のある企業だと認識されやすくなり、現代に合った経営をしていると見てもらえる。。そのため、会社のイメージアップにつながるはずだ。

ライフワークバランスの意識が高まっているため

働き方改革によって、ライフワークバランスの意識が高まっているのも、注目されている理由だ。企業の都合のみで長時間労働をさせる所は、悪だという認識が広まりつつある。

近年では、働き方を自身のライフスタイルに合わせられるよう、フレックスタイムや時短勤務制度を導入している企業も増えてきた。このような時代背景になっているのも、ダイバーシティマネジメントが必要とされる理由だ。

ダイバーシティマネジメントのメリット

ダイバーシティマネジメントのメリットは以下の通りだ。

従業員の意識改革に役立つ

従業員の価値観をアップデートする機会を増やせるため、意識改革に役立つ。意識改革が進めば、一昔前の考え方しかできない人材は減っていく。その代わりに、時代の波についていこうとする従業員を増やしやすくなる。結果、会社が取り残されずに済む。

人手不足の解消につながる

さまざまな価値観を持つ人材を受け入れる雰囲気ができあがっていく。求職者を受け入れる基準が広がっていき、自然と人手不足の解消につながる。

人手不足が解消されれば、リソースの不足によって、従業員が疲弊する状況は減っていく。結果、従業員たちが働きやすい環境が出来上がる。

新しいものが生まれやすくなる

異なる価値観を持つ人材が集まる分、化学反応が起こりやすい。今まで存在しないものが誕生する機会が増えて、新しいものが生まれやすくなるだろう。

新しいものが生まれる機会を増やせば、社内に今までとは違う風を吹き込める。チャレンジ精神が生まれ、攻めの体制を作りやすくなるはずだ。

企業の評価基準が変わる

数十年前から評価基準が変わっていない企業も存在する。理由がないのに、評価基準を変えるのは難しい。

しかしダイバーシティマネジメントを実践すれば、それをきっかけに今の時代に合う評価基準に変えられるかもしれない。その結果、従業員たちに働きやすい環境を与えるのに役立つ。

ダイバーシティマネジメントのポイント・注意点

ここからはダイバーシティマネジメントを実施する際の、ポイントや注意点を紹介していく。

従業員間のコミュニケーションを活性化させる

コミュニケーションを活性化させる理由は、従業員たちの価値観を知るためだ。従業員間のコミュニケーションが増えるほど、従業員たちの本音や気持ちを聞ける機会も増えていく。その結果、従業員の価値観を考慮したマネジメントができるようになる。

従業員の価値観を無視したマネジメントは、従業員には理解されない。賛同してくれる人が少ないと、良い取り組みであるにもかかわらず、潰されてしまう恐れがある。多くの従業員に応援してもらう意味でも、コミュニケーションの活性化は大事だ。

ちなみにコミュニケーションを活性化させる方法として、以下の内容が挙げられる。

面談

手っ取り早くできるのが面談だ。1対1で実施するケースもあれば、複数人で面談するケースもある。ちなみに面談を行う際は、上司ばかり話してはいけない。なぜなら部下が話せなくなるからだ。部下の意見を聞くためにも、聞き手側に回ることが重要だ。

シャッフルランチ

シャッフルランチとは、さまざまな部署の従業員と一緒にランチすることを指す。仕事で接点を持たない従業員と話せる機会が生まれるため、横のつながりを築くのに役立つ。ランチ代の経費精算を認めている会社も存在するようだ。

フリーアドレス制度

フリーアドレス制度とは、自由に席を決められる制度のことだ。近くに座っている従業員が日によって変わるため、さまざまな従業員と関わりを持てる。それが会話を生むきっかけになる。

社内イベント

社内イベントを実施するのも、コミュニケーションを活性化させる手法として有効だ。社内運動会や懇親会、優秀な従業員を表彰する場を設けるなど、さまざまなイベントが存在する。

ちなみに社内イベントを実施する時は、閑散期に実施することが大事だ。繁忙期だと、仕事が詰まっていて、イベントに参加できる従業員が限られるかもしれないからだ。多くの従業員に参加してもらった方が盛り上がる。したがって、実施するタイミングは重要だ。

ダイバーシティ研修を実施し、社員全員が共通認識を持つ

「多様性とは何か」「ダイバーシティとは何か」を理解し、社員同士がお互いを尊重して働いていくことも、ダイバーシティマネジメントに必要な要素だ。なぜならマネジメントする側の管理職一人が頑張っていても、多様性を受け入れ尊重できる職場は作り上げられないためだ。

ダイバーシティ研修などを全社員に受けていただき、管理職だけではなく社員一人ひとりにもできる行動・考え方を習得してもらうことが理想だ。

マネジメントする社員は多角的な視点で物事を見ていく

多角的な視点で物事を見る理由は、1つのことに捉われないためだ。広い視野で物事を見ることで、マネジメントの効果を挙げやすくなる。それが、社内に多様性を与えることになっていく。

社内の評価軸を明確なものにする

評価軸を明確なものにする理由は、評価基準がブレない状況をつくるためだ。正しい評価ができなくなると、マネジメントの仕方が分からなくなる。

その状況をつくらないためにも、社内の評価軸は明確なものにすべきだ。なお評価軸を決める時は、以下のことを参考にすると良い。

社内の業務内容を洗い出す

業務内容を洗い出すことで、職場に合った評価基準をつくりやすくする。業務と関係ない基準を設けても意味がない。その状況を防ぐ意味でも、洗い出しは行うべきだ。

定量評価できる状況をつくる

定量評価とは、数値化したデータをもとに評価することだ。たとえば「頑張った従業員を評価する」という内容だと、評価をつけても正当性に欠ける。しかしデータをもとに評価すれば、納得性のある評価をつけやすくなる。従業員が納得できる評価基準をつくるためにも、定量評価できる状況は用意すべきだ。

成果の他に過程も評価する

成果ばかり評価すると、それを追い求めるあまり、他の従業員の足を引っ張ろうとする人が出てくるかもしれない。従業員の道徳心を成長させたり、プロセスを疎かにしない環境をつくったりするためにも、過程も評価すべきだ。

会社の理念や価値観を職場に浸透させる

会社の理念や価値観を職場に浸透させる理由は、従業員たちの方向性をそろえるためだ。従業員たちの方向性が異なると、マネジメントしづらくなる。

メンバーたちのまとまりがなくなると、チームとしての成果を挙げるのが難しくなってしまう。それを防ぐためにも、会社の理念や価値観は職場に浸透させた方がいい。

働き方改革の実施

働き方改革の実施も大事だ。なぜなら、従業員のライフスタイルによって適した働き方が違うからだ。全従業員が快適に働ける状況をつくる意味でも、働き方改革の実施は行った方がいい。ちなみに働き方改革の事例として、以下の取り組みがある。

働き方のパターンを複数用意する

働き方のパターンを複数用意する理由は、自身に合う働き方を各従業員に選ばせるためだ。全従業員が最適な働き方だと思うことができれば、チームの士気が高まる。それがチームの成果アップにつながる。

長時間労働を解消する

長時間労働を解消すべき理由は、従業員たちのパフォーマンスを高めるためだ。働きすぎは思考力の低下につながる。すると仕事の効率が悪くなり、成果が出なくなってしまう。従業員を休息させて業務効率が高まる状況をつくるためにも、長時間労働は解消すべきだ。

ダイバーシティマネジメントの実例

ダイバーシティマネジメントに取り組んでいる企業は、いろいろと存在する。最後に実例を3社紹介する。

BIPROGY株式会社

BIPROGY株式会社では、柔軟に働ける環境を大事にしているのが特徴だ。ジェンダーレスや女性を積極的に採用する取り組みに力を入れており、さまざまな人種の採用を行っている。

2013年度にダイバーシティを進める部署を設置して以来、力を入れ続けているようだ。ちなみに令和2年度には、経済産業省「新・ダイバーシティ経営プライム100選」に選ばれている。

スタートトゥディ株式会社

スタートトゥディ株式会社では、ワークライフバランスの一環として6時間労働制を導入している。短時間での労働でも、成果を挙げられる取り組みをつくっているのが特徴だ。

労働時間の短縮により、従業員の労働生産性を向上させた。長時間労働の解消に力を入れている企業だと言えるだろう。

三菱商事グループ

三菱商事グループでは2007年に、ダイバーシティマネジメントに関する部門を人事部内において設立した。育児や介護をしている従業員が働ける状況やシニアが活躍できる状況をつくるなど、多くの従業員がイキイキと働ける環境を提供しているのが特徴だ。

まとめ

ダイバーシティマネジメントは、会社を成長させる上で必須項目だと言えるだろう。社内に取り入れると、以下のメリットがある。

  • 社内の多様化が進む
  • 従業員の意識改革に役立つ
  • 人手不足の解消につながる
  • 新しいものが生まれやすくなる
  • 企業の評価基準が変わる

上記のように、会社に良い影響を与えることが多い。したがって、ダイバーシティマネジメントの導入は会社にとってメリットでしかない。しかし導入の仕方を間違えると効果が出ない。効果を挙げるには、以下のことに注意しながら導入することが大事だ。

  • コミュニケーションを活性化させる
  • マネジメントする社員は多角的な視点で物事を見ていく
  • 社内の評価軸を明確なものにする
  • 会社の理念や価値観を職場に浸透させる
  • 働き方改革の実施

上記のことを意識すれば、会社にとって効果の出る取り組みになっていく。これからの時代、さまざまな人が働ける土壌をつくるのは大切だ。それを実現させるためにも、ダイバーシティマネジメントに力を入れてほしい。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 従業員たちが持つさまざまな価値観を、会社に反映させながらマネジメントすることです。価値観の違いを認め合える状況を提供し、会社が成長できる状態をつくっていきます。
  • 社内の多様化を進めるのに役立つでしょう。その他に社内の評価基準が変わったり、人手不足の解消につながったりします。
  • 従業員間のコミュニケーションを活性化させるといいでしょう。その他に、マネジメント側の社員が、複数の視点から物事を分析したり、会社の価値観を従業員に共有させたりすることも大事です。
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