リスキルラボ 【教育担当者向け】従業員研修における4つの教育方法と3つのポイントを紹介

マネジメント研修
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従業員(社員)研修は様々な企業で行われているが、実施内容にお困りの企業も多く存在する。また、研修を実施するものの成果が出ずに苦戦している企業もあるようだ。

研修の中身やポイントを知ることは、クオリティの高い研修を実施につながる。

今回は従業員研修における4つの教育方法と3つのポイントを紹介しながら、実施するメリットや研修の内容などを解説する。

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従業員研修の目的

はじめに、従業員研修の目的を3つ紹介する。

1.企業理念を浸透させる

従業員研修の中で受講者に社内の考え方を理解してもらい、企業理念を浸透させることが目的のひとつだ。企業理念を知れば社内メソッドや働き方をイメージしやすくなり、社内での立ち振る舞い方が分かるようになる。つまり働きやすい環境を、手に入れられるのだ。

2.立ち位置を把握してもらう

社内の中での立ち位置を把握してもらい、どのように動けばいいのか考えてもらう。自分で判断して動ける従業員が増えれば、先輩社員が指示を出す回数は減る。よって部下を持つ社員の負担が小さくなり、社内の業務も回りやすくなる。

3.社内の生産性を上げる

従業員研修では従業員のスキルを上げて、社内の生産性を上げる目的もある。社内の生産性が上がれば、新しい事業に時間を割いたり別の業務に力を注ぐことができる。必要なことに時間を注力できるようになり、今までとは違う働き方ができるはずだ。

従業員研修のメリット

従業員研修のメリットは以下の4通りだ。

1.仕事に役立つスキルが身につく

従業員研修では、仕事に役立つスキルが身につけられる。独学で勉強するのが苦手な方は、従業員研修を受けた方がスキルを習得しやすい。研修であれば講師から話を聞けたり、受講生同士で情報交換ができたりするため、新しい知識を得られる可能性が高い。テーマ別研修などであるテーマに関して学びを深めるなどの方法をおすすめする。

2.社員の一体感を生み出すきっかけになる

同じ会場に社員が複数人集まり、受講できる従業員研修であれば、受講者同士でお互いを高め合おうとする可能性が高い。そのため従業員研修は社員の一体感を生み出すきっかけになるメリットもあると言える。

社員の一体感が生まれればメンバー同士で助け合ったり、協力し合ったりする体制ができて仕事に活かせる。複数人で行う業務も、スムーズに進められるはずだ。

3.社員としての自覚を持ってもらえる

社員としての自覚を持ってもらえると、仕事の質を高めようとしたり、後輩に恥じない行動を心掛けたりしてくれるかもしれない。その結果、仕事のモチベーションアップも期待できる。

自覚を持たずボーっとして働く社員が多いと、それだけで職場内の雰囲気がよどむ。それを回避する意味でも、社員としての自覚を持ってもらうのは大事だ。

4.企業の損失額を減らせる

従業員研修でスキルを身につけた結果、仕事のミスが減れば余計な出費を抑えられるため、企業の損失額を減らすことに繋がる。

従業員研修の受講形式は大きく2パターンに分かれる

ここでは、従業員研修の受講形式を紹介する。

1.対面型研修

対面型研修とは、講師や受講生が同じ場所に集まって実施される研修のことだ。研修会場を設けて、そこで講師の話を聞きながら受講する。講師と受講生が同じ会場にいるため、質問をしやすいのがメリットだ。

2.非対面型研修(オンライン研修)

非対面型研修とは、講師や生徒が別々の場所にいる状況で実施される研修のことだ。代表的なのは「オンライン研修」だ。インターネット接続さえできていれば、場所は問われない。場所を用意する必要がなく、講師や受講生が自宅にいても参加できるのがメリットだ。

従業員研修の教育方法は様々

従業員研修の教育方法は様々だ。ここでは代表的な教育方法について4つ紹介する。

1.OFF-JT

OFF-JTは座学や講義などで、学習させる教育方法のことだ。現場以外の場所に、別途会場を設けて受講させるのが特徴だ。社内の会議室で受講させたり、社外の研修会場へ行かせたりなど、様々な方法がある。

2.OJT

OJTは現場での実務を通じて、実務に関係するスキルを習得してもらうための教育方法だ。業務をこなしながらスキルを習得していくのが特徴で、戦力となる人材に仕上げることを目的としている。先輩社員が付き添うため、その場でフィードバックをもらえることが多い。

3.e-ラーニング

e-ラーニングとはオンライン上で利用できる学習システムを使って、各個人で勉強してもらう教育方法のことだ。問題を解いたり講義を受けたりなど、色々なパターンの学習方法が用意されている。

帰宅途中などスキマ時間を使っての学習もできるため、研修の時間をとるのが厳しいときに活用できる教育方法と言える。

4.通信教育

通信教育とはテキストを送ってもらい、それを使いながら学習させる教育方法のことだ。自分のペースで進めることができ、通学する場合と比べると安い。1人で勉強しなければならない従業員に紹介するといい。

従業員研修の内容を階層別に分けて紹介

従業員研修と言っても、内容は様々だ。ここでは階層別に分けて、どのような研修があるか見てみよう。

1.新入社員・若手社員向け

新入社員・若手社員向けの研修は以下の3通りだ。

①ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修とは、挨拶や電話応対・名刺交換・身だしなみなど、社会人として必要とされるスキルを習得するための研修だ。従業員の印象をアップさせるために必要と言える。社外の方に失礼な態度をとらないためにも受講すべきだ。

②コミュニケーション研修

コミュニケーション研修では、コミュニケーションのとり方や、話の聞き方などを習得する。社外の取引先や顧客だけではなく、社内で良好な人間関係を築くのに役立つ。

グループワークやロールプレイングによる、実践を用意している研修もあるため、身になるスキルを身につけたいときに役立つ。

③計画力を身につける研修

業務によっては、数カ月・数年単位で計画的に行っていかなければいけない場合がある。そのときに計画力は必要だ。計画の立て方はもちろん、目標達成までのプロセスの描き方、PDCAの大切さなどを教わる。

個人の仕事の進め方に関する計画力はタイムマネジメント研修PDCA研修。チームや部下に関する計画や管理についてはマネジメント研修がおすすめだ。

2.中堅社員向け

中堅社員とは入社後3年以上経つ社員のことを指す。中堅社員向けの研修は以下の3通りだ。

①キャリアデザイン研修

キャリアデザイン研修では、自分のキャリアを、どのように描くか考える。理想とするキャリアの描き方によって、今後の行動が変わっていく。この研修ではキャリアの設定方法や実現させるために大事なこと、自分の立ち位置などを考えてもらう。とくにキャリアの築き方に悩んでいる中堅社員には、受講させた方がいい。

②セルフマネジメント研修

セルフマネジメント研修とは、自分のことをマネジメントするスキルを身につけてもらう研修だ。
仕事の時間配分やタスク管理など、感情など、様々な面でマネジメントするスキルを身につけてもらう。自分のマネジメントができていない状況で、チームをマネジメントするのは厳しい。管理職目前の中堅社員を中心に、身につけさせた方が良いスキルと言える。

③チームの問題を解決するための研修

問題解決研修は、チームの課題を解決するのに、必要なスキルを身につけてもらう研修だ。中堅社員がチームのリーダーとなって行動することも珍しくない。問題を解決するための答えの見つけ方や、解決に至るまでのプロセス・手法などを理解していく研修となっている。

3.管理職向け

管理職には、課長や部長などが該当する。管理職向けの研修は以下の3通りだ。

①リーダーシップ研修

リーダーシップ研修とは、リーダーシップを習得し業務においてうまく活用してもらうための研修だ。リーダーシップを活かしてチームで成果を出すための秘訣や、メンバーとのコミュニケーションのとり方、リーダーにふさわしい行動などを知っていく。

②マネジメント研修

チームでの成果を挙げるスキルを身に付けるものが、マネジメント研修だ。チームメンバーや業務・予算・リスクなど様々なマネジメントの方法を知っていく。部下を上手に動かす方法なども学べるため、管理職としての接し方を身につけたいと思っている方にもいい。

③チームの業務改善を行う研修

業務改善研修では、個人だけではなくチーム全体の業務改善に関するスキルや考え方を身に付ける。改善をするときのターゲットの決め方や、現状を把握する方法、業務改善の方法を出すときの手法などについて理解していく。

従業員研修を実施するときのポイント

最後に従業員研修を実施するときのポイントを3つ紹介する。

1.従業員研修の目的(ゴール)を決める

目的を決めずに従業員研修を実施すると、運営側で想定していた成果を得られなくなる。理想とする成果を得るためにも、従業員研修の目的を決めた方がいい。目的を決めるときは、以下の2つことを意識するといい。

①会社側と受講生のギャップを認識する

会社側が受講生に求めているスキルと、受講生の現状が、どのくらい差が開いているか把握しよう。仮にAというスキルにおいて、会社側が受講生に対して80%のクオリティを求めていて、受講生の現状が50%だったとする。

その場合、30%の差を埋めるために研修を行うイメージだ。受講生の都合を考えずに目的を決めると、研修後の成果が期待できなくなるため気を付けた方がいい。

②研修のカリキュラムに優先順位をつける

時間は有限である以上、全ての研修を受講させるのは難しい。カリキュラムを詰め込みすぎると、その分、目的の数も増えてしまう。結果、色々な目的を達成しようとして、成果が出ずに終わってしまう。

その状況を作らないためには、カリキュラムを絞ることが大事だ。すると目的が定まりやすくなって、ゴールの設定が楽になるはずだ。

2.研修の時間配分に気をつける

研修の時間配分を間違えてしまうと、時間内に研修が終わらなかったり、研修のクオリティを下げる原因になったりする恐れがある。

たとえば時間をかけるものと短時間で終わらせるものをハッキリさせずに研修を実施してしまうと、進めるペースが分からなくなる。研修の進行をスムーズにするためにも重要だ。

3.研修終了後に振り返りを行う

研修終了後に、運営側で振り返りを行うのも忘れてはならない。次の研修に活かすための大事なデータとなるためだ。基本的に従業員研修は毎年行われるもので、毎年アップデートしていかなければならない。研修の質が下がると、受講者は参加してくれなくなる。だからこそ振り返りは大事だ。

なお振り返りを行うときは、アンケートやインタビューなどで受講生の声を拾うといい。回答を分析して、どのような声が多かったか数値化していけば、研修の改善ポイントが現れてくるはずだ。

また研修から数か月後に、受講生に話を聞いて、実務でどのくらい活用できているか確かめるのも大事だ。結果によってはカリキュラムの内容を変えた方がいい。

まとめ

従業員研修は多くの会社で定期的に行われている。しかし研修内容によって、教育方法は異なる。ちなみに研修で用いられる代表的な教育方法は以下の4通りだ。

1.OFF-JT
2.OJT
3.eラーニング
4.通信教育

教育方法を上手に組み合わせれば、オフラインでもオンラインでも研修は可能だ。カリキュラムに適した教育方法を採用するといいだろう。しかし従業員研修は、何となく行って成功するものではない。成果を出すには、これらのポイントを抑えておくことが大事だ。

1.従業員研修の目的(ゴール)を決める
2.研修の時間配分に気をつける
3.研修終了後は振り返りを行う

上記のポイントを抑えておけば、クオリティの高い従業員研修を行える。従業員研修は、仕事で活躍できる人材を育てるだけではなく、自社について理解してもらうための時間でもある。自社で快適に働いてもらうためにも、研修に力を入れていただけると幸いだ。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 従業員研修の目的は企業理念を浸透させたり、立ち位置を把握してもらったりすることです。さらに生産性アップを目指すことも目的の一つです。
  • 座学や講義などで知識を身につけるOFF-JT、現場で実践しながらスキルを高めていくOJT、オンライン上の教育システムなどで勉強するeラーニング、送ってもらったテキストで学習する通信教育などがあります。
  • まず従業員研修の目的を決めることが大事です。目的がブレると、研修後の成果が出なくなるためです。その他に研修の時間配分に気をつけたり、研修終了後に振り返りを行ったりするのもポイントと言えます。
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