毎年、社員として新人が入社する企業も多いだろう。様々な性格を持った人材がやってくる。新人の中には、悩みを抱えた状態の方もいる。会社の中には悩みを抱える新人が多く、色々と試行錯誤しているケースもあるのではないだろうか。
新人の悩みを解消しようと努力する企業はたくさんあるが、悩みを解消できずに困っているケースもある。悩みを解消させるには適切な対処法を知ることが大事だ。そこで今回は新人の社員が抱えやすい3つの悩みと、解消させるポイントを紹介する。
目次
新人が悩みを抱えることは珍しくない。学生時代とのギャップを感じたり、自信を持てなかったりなど様々だ。会社員として働いた経験がなければ、不安を抱えるのはごく普通のことだと言っていいだろう。
一見、順風満帆な人生を送っている新人に見えても、本人にとっては大きな悩みを抱えている場合もある。悩んでいる様子を表情に出さない新人もいるため、気を付けた方がいいだろう。
新人が悩みを抱える時期は、大きく3つある。ここでは悩みを抱えやすいタイミングについて解説する。
内定先の社員として役立てるか不安になったり、就職先に関する悪い情報が目に入ったりして悩みを抱えてしまう。
研修で与えられたミッションをこなせなかったり、同期と比べて実力がないと思ったりして悩みを抱えてしまう。研修が進むにつれて自分の無力さに気付いて、悩みが大きくなっていく場合もある。
配属先でスムーズに業務をこなせるか不安に思ったり、業務内容がイメージと違ったりしたときに悩みを抱えるパターンだ。研修で理解したつもりでも、実践でミスを連発し、悩みが大きくなる場合もある。
ここでは新人が悩みを抱えると、どのようなデメリットが起こるか見てみよう。
悩みを抱えると集中力が欠けてしまい、本来の実力を発揮できなくなってしまう。結果、ボーっとすることが増えたり、仕事のミスを連発したりする機会が増えるのだ。負のスパイラルに巻き込まれると、抜け出すことも難しくなるだろう。
心身ともに滅入ってしまい、体調を崩す新人も存在する。悩みすぎてストレスが溜まり精神疾患を患うケースもあるようだ。
会社で働くのが嫌になり、退職してしまうケースもある。とくに「職場にいづらくなって退職するケース」は少なくない。退職者が増えて人材が足らなくなると、他の社員に対する業務量が増える。結果、会社にとってもデメリットになるのだ。
新人の悩みを解決するには、新入社員フォローアップ研修などの実施や、OJTやメンター制度を活用する教育体制の充実のが効果的だ。それぞれの内容は以下の通りだ。
入社して3か月後に、新入社員を集めて実施するものだ。内容は企業にもよるが
これらがメインとなる。早期に悩みを解決しておくことで、離職を留める効果が期待できる。
OJTとは社内の社員がトレーナーになって、新人に現場で実務経験を積ませながら仕事を教える研修方法のことだ。トレーナーは新人の業務をチェックしたり、フィードバックを行ったりしながら、社内で活躍できる人材になれるよう育てていく。
メンター制度とは、新人と社歴の近い社員が相談役(メンター)となり、アシストする制度のことだ。メンターは新人の上司以外の方が就くことになっており、新人の悩みに対して助言やアドバイスをする役目となっている。
社内に2種類のサポート体制が完備されていれば、社内の先輩に相談しやすくなる。結果、新人の悩みを解消することにつながるのだ。ただし人選を間違えると、効果が発揮されなくなるため注意しよう。
ここでは新人が抱えやすい悩みを紹介する。各項目に関してOJTやメンター制度を活かした対策方法についても解説しているため、参考にしていただきたい。
人間関係やコミュニケーションに関する悩みは、新人が抱える悩みの中で多いと言っても過言ではない。社内で働いている以上、人とのやり取りは発生する。
上司との相性が悪かったり、他の同僚に悪口を言われたりなど様々な種類の悩みを持っている。良好な人間関係やコミュニケーションを築くには、以下のことを実践させよう。
伝え方が下手だと相手をイライラさせ、良好な人間関係を築くのが厳しくなる。相手の気分を害さないためにも、分かりやすく伝える練習をさせるのは大切だ。ポイントは要件を絞って伝えることだ。
たとえば異なる話題を一気に伝えると、聞いている側は話の内容を理解しづらくなる。「何が言いたいか分からない」状況になり、お互いの意思疎通が難しくなる。しかし要件を1,2個に絞って伝えれば、聞く側も話の内容を理解しやすい。結果、意思疎通がうまくいき人間関係による悩みも減る。
その他に結論から伝えることも大切だ。社員の中には仕事が忙しく、手短に話してほしいと思う方もいる。相手の時間を奪わないためにも心掛けよう。
相手にも事情があるため、自分の都合だけで相談していいものではない。軽い相談内容でも、話すタイミングが悪ければ相手を不快な気分にさせてしまい、人間関係がギクシャクすることもある。
それを回避するには、相手が空いているときや心に余裕があるときに、タイミングを見計らって話させることが大事だ。相手の機嫌が悪くならないため、良好な人間関係が築けるはずだ。
報連相を徹底させると、必然的に他の社員とコミュニケーションをとることが増えるため効果的だ。社員との接点が増えれば、お互いの距離感が縮まりやすくなる。そうなれば新人であっても相談しやすくなり、人間関係やコミュニケーションに関する悩みは減る。
しかし、なかには報連相が苦手な新人もいる。その場合は以下のように、報連相をさせる仕組みを作るといいだろう。
報連相をしなければいけないときのルールを作るといいだろう。「残業が発生しそうになったら上司に報告する」、「業務上のトラブルが起こったら部署内のメンバーに連絡する」「5分間自分で考えて進展がなければ誰かに相談する」といった感じだ。
ルールを決めておけば、それに則って動くだけであるため、自分の頭で報連相するタイミングを考えなくていい。そのため、報連相をするタイミングを考えすぎる新人にとっても便利だ。
新人の中には責任感が強くて、1人で仕事をこなそうとするケースがある。その場合は、他の社員と助け合いながら仕事をするものだと伝えよう。社内で働いている限り、報連相は起こるものだと伝えれば言うことを聞いてくれるかもしれない。
テクニカルスキルとは、業務に直結するスキルのことだ。業務をこなせなかったり、仕事で必要なスキルを身につけられなかったりして、悩む方も多い。
うまく仕事をこなせない新人の中には、大きな悩みを抱えてしまうケースがある。以下のことを行って悩みを解消させよう。
業務の目的・意図を理解させれば、仕事に対する向き合い方が変わるかもしれない。質の高い仕事をしようという気持ちが生まれて、スキルアップにつながる可能性がある。業務の目的や意図を理解させるときは、業務の全体像を説明してあげることが大切だ。
新人が携わっている業務のことのみを解説しても、他の業務にどのような影響を及ぼすか想像しにくい。そのため、業務の全体像を説明してあげることが大事だ。
テクニカルスキルは「知識の習得」+「実践の繰り返し」によって上がっていく。一方が不足していると、テクニカルスキルは上がらない。よって両方に力を入れた方が良い。
知識を習得するペースが遅ければ、知識を習得する時間を増やせばいい。逆に実践に時間がかかるのであれば、実践の時間を増やす形だ。時間のバランスをうまくとることが、テクニカルスキルを上げるポイントだ。
新人がミスをしても怒鳴らずに、寛容な心で接することも大切だ。入社後間もないため仕事で失敗をするのは、当然のことだ。ミスをするたびに怒鳴っていると、委縮してしまい自信を削いでしまう恐れがある。自信を持って働いてもらうためにも、ある程度は寛容な心を持った方がいいのだ。
入社後数カ月経つと、様々な業務が割り振られる。ここで発生するのがタスクの管理に関する悩みだ。タスクの管理や処理の仕方が分からなくなり、仕事をさばけなくなる新人もいる。この悩みを解決するには、以下の内容を実践させるといい。
スケジュールを組ませると、どのペースでタスクを進めるべきか考えられる。新人がスケジュール通りに終わらせるための方法を考えるようになれば、仕事の質を上げることにもつながる。
ちなみにスケジュールを組ませるときは、作業ごとの所要時間を記入させよう。各作業の所要時間が把握すれば、仕事のペースを調整しやすくなる。結果、タスクが溜まりにくい状況に持っていけるのだ。
中短期と長期のスケジュールを作らせる理由は、長期のスケジュールを見ながら中短期のスケジュールを組ませるためだ。これを習慣化すれば、未来を予測しながら計画を立てる習慣が身につく。中短期の作業だけではなく、長期のプロジェクトにおいてもタスクの管理がしやすくなるだろう。
スケジュールはタスクを詰め込めばいいわけではない。たとえば1日8時間勤務のスケジュールを作る場合、7時間をタスクに充てて、残りの1時間を余白として設定しよう。
余白の時間を設定すれば、緊急の業務が入ったり業務のペースが遅れたりなどイレギュラーなことが起こっても対応できる。よって余白時間の設定は大事だと言えるのだ。
タスクに優先順位をつけさせれば、現段階で何の業務を行うべきか分かる。優先順位の通りに、順番にタスクをこなすだけであるため、どの順番で処理すべきか考えずに済む。結果、タスクの管理に関する悩みも減るはずだ。
定期的にタスクの整理をさせると現段階で残っているタスクの種類が分かる。さらにタスクの抜け漏れを確認する作業にもなるため、タスクのやり残しを失くしたいときにも役立つ。
新人の大半は悩みを抱えていると思った方がいい。悩みの内容は人それぞれだが、解消できる仕組みを会社側で作らなければ実現させることは難しいと思った方がいいだろう。社内に完備する制度として、以下の2つを活用すると便利だ。
OJTとは実地作業を通じて、業務に関するスキルを身につけてもらうための教育方法のことだ。一方メンター制度とは、悩みや相談を聞きながら新人のアドバイスをする制度だ。TPOに応じて使い分ければ、悩みを解消できるだろう。
ちなみに新人社員が持つ悩みは、おおよそ決まっている。ひとまず以下の3種類の悩みについて、抑えておくといいだろう。
これらの悩みは、各項目に合わせて先輩社員が教えたりフォローしたりすれば解消できる。新人に働き続けてもらうためにも、会社で悩みを解消していただければと思う。