情報共有に欠かせない会議だが、無駄な会議や無駄に会議が長いといった不要な会議、非効率な会議である場合もある。一番問題なのが、中身のない会議を長い時間をかけて続けていることだ。会議を手短に済ませるためには、会議が長い原因と会議を効率的に進める方法を知ることが重要となる。
本記事では会議の時間が延びる原因を解説しながら、短縮する方法を紹介していく。
長時間の会議は時間の無駄だ。なぜなら自分の仕事に充てられる時間が必然的に減少し、長時間残業や、休日出勤の原因になるからだ。会議に割かれる時間が増えれば増えるほど、それ以外の業務にしわ寄せが生まれ、従業員のモチベーションにも影響が出るだろう。
時には、貸し会議室を利用して会議をする場面もあることだろう。限られた利用時間内で効率よく会議をおこなうためにも、会議の時間が伸びる原因や短縮するコツを知っておく必要がある。
会議の時間が延びるのには原因がある。ここでは、代表的な原因を紹介していく。
会議の目的が明確でないと、途中で論点がずれていき、結論もでない。そもそも会議自体実施する必要がない場合もある。
会議のゴールを明確にしていないと、何を目指して会議を進めるべきか分からない。会議と関係のない話をする機会が増えるため、時間が伸びてしまう。
時間設定を決めずに会議を行うと、時間を気にせず会議を進めてしまう。納得できる結論が出るまで会議を続けるため、いつまでも終わらない。結果、会議が長引いてしまう。
テーマが明確でないと、参加者は何を発言すればいいか分からない。議論が活発化せず、全く意見が出ない。参加者が黙り込む状態が続き、長引いてしまう。
会議の段取りが悪いと、スケジュール通りに進められなくなる。ずさんな運営となり、思うように会議が進まない。そのため、会議の時間が伸びてしまう。
ここからは、会議の時間を短くするコツを紹介する。
会議の進行役を決めておく理由は、会議をうまく進めるためだ。進行役がいれば、話が脱線しても軌道修正しやすい。会議の進み具合を調整できるため、スムーズに進んでいく。予定通りに会議を進めるためにも、進行役はつけるべきだ。
ちなみに進行役として会議を進めるときは、以下のことを意識すると良い。
進行役は中立的な立場で進めなければならない。一方に有利となる形で会議を進めると、私物化しているように見えるからだ。参加者から反感を買われるため、肩入れすべきではない。発言者を否定したり、えこひいきしたりする行為は控えた方がいいだろう。
進行役は積極的に発言するポジションではない。参加者の意見を聞きながら、適切に会議を進めなければならない。そのため、傾聴に力を入れることも大切だ。
たとえば「分かりづらい意見だったら質問をして深堀させる」「参加者の潜在的な部分を引き出すために質問をする」というアクションを起こすといい。内容や参加者の価値観が分かるため、会議を進めやすくなる。
会議実施時は、参加者が発言しやすい雰囲気をつくることも大切だ。たとえば「緊張感で発言できない雰囲気があれば、アイスブレイクを行う」、「参加者同士がけん制し合っているのであれば、和やかな雰囲気をつくる」といった形で雰囲気づくりに努めると良い。すると多くの意見が集まり、会議がスムーズに進んでいく。
ゴールまでの道筋を描きながら進める理由は、効率的に会議を進めるためだ。その場の勢いに任せて進め方を変えると、ゴールまで遠回りしてしまう。その結果、無駄な場面が増えて会議の時間が長くなる。最短ルートでゴールまで進むためにも、道筋は描いた方が良い。
会議の目的を確認する理由は、参加者同士で認識を合わせるためだ。参加者全員が共通の目的を持った状態で会議を行えば、どのように参加すべきか分かる。発言しやすい状態が生まれて、会議の時間が伸びずに済む。ちなみに会議の目的は、大きく3つに分かれる。
ブレインストーミングとは、アイデアを出し合うことだ。参加者同士で自由な発想でアイデアを出し合うことで、プロジェクトの進め方や内容などを決めていく。ちなみにブレインストーミングの実施時は、以下のことに注意すると良い。
発言しやすい状態をつくる理由は、良いアイデアが出やすくするためだ。意見が多くなると選択肢が増える。そのため、量質転換が楽になっていく。
さまざまな価値観の社員を参加させる理由は、意見の偏りを防ぐためだ。同じ価値観の社員ばかりだと、似たり寄ったりの意見が多くなる。そのため、ユーモアのあるアイデアが出づらい。
テーマによっては、新たな視点の意見が必要だ。さまざまな視点から意見を言ってもらうためにも、異なる価値観を持つ社員を参加させた方がいい。
会議の様子を見ながら、最適なやり方で実施するのも大切だ。発言しながらアイデアを出すパターンもあれば、思いついたものを紙に書きだすパターンもある。1つでも多くの意見を集めるために、どの方法が効果的かという視点で考えるといいだろう。
社員間での情報共有を目的に、会議を行う場合もある。仕事の現状を報告し合ったり、管理職向けの会議に出席した従業員が得た情報を部下へ共有したりなど、さまざまなパターンがある。ちなみに情報共有を目的とする会議では、以下のことを意識するといい。
どこかから得た情報を共有する場合は、聞いた内容をそのまま報告しない方が良い。理由は2つある。1つ目は、報告の時間が長くなる恐れがあるからだ。ボリュームが多いと、報告だけで数十分かかるかもしれない。聞き手側の集中力が途切れてしまい、何も頭の中に残っていない状態になってしまう。
2つ目は、聞いた言葉をそのまま伝えても相手へ伝わらない場合があるからだ。たとえば、専門用語が多用されていた場合、言葉をかみ砕くことで理解してもらえる。したがって、相手の立場によって報告の仕方を変えなければならない。以上のことより、聞いた内容をそのまま報告すべきではない。
従業員によって報告すべき内容を変える理由は、余計な情報を入れないためだ。管理職にとっては必要な情報が、全ての社員に必要とは限らない。不要な情報を報告されても、従業員からすると迷惑だ。従業員のキャパオーバーを防ぐ意味でも、役に立つ内容のみ報告した方がいい。
最後は意思決定を目的に会議を行うパターンだ。社内体制を変えることに関する是非を確認したり、会社のルールを変えたりなど、従業員たちで何かを決めることを目的に実施する。以下のことに気を付けるといいだろう。
誰が参加するかで、意思決定の時間が変わるからだ。同じテーマでも意思決定が30分で終わる場合もあれば、3時間以上かかる場合もある。スムーズな意思決定を行うためにも、意思決定と関係のない人物は参加させるべきではない。
参加者全員が納得していないのに、強行採決するのは控えた方がいい。なぜなら、参加者が納得しない状態で意思決定されるからだ。後味の悪い会議となり、不服に思う従業員が増えてしまう。
それを防ぐには、参加者が納得した上で意思決定したことを認識させることが大切だ。従業員たちは文句を言えない状況となり、反発されづらくなる。
終了状態の確認とは「どのような状態になったら会議が終了するのか」という確認だ。たとえば、「〇〇が決まって、タスク分担ができたら終わり」と決めれば、その地点に達したときに会議を終了させられる。意味もなくダラダラと会議をせずに済むため、会議の時間が伸びずに済む。
会議の進め方の確認とは、進め方の確認はどこにどれくらいの時間を使うかを事前に決めておくことというだ。時間の進め方を始めに決めることで、会議が脱線したり、堂々巡りになって止められない時でもアラートを投げやすくなる。
準備シートを活用して、円滑に会議を進められる状態をつくるのも効果的だ。議題を含めて下記の準備シートをどこまで用意するかは、会議の重要度などによって必要なものなのかは随時判断が必要だが、事前準備を行えば会議の段取りが良くなる。効率よく会議を進められるため、時間の短縮が期待できる。ちなみに準備シートの作成時は、以下のことに気を付けると良い。
時系列に沿って、準備する内容を載せていく理由は、項目の抜け漏れを防ぐためだ。準備シートに載っている全ての項目のチェックが完了しても、項目から漏れているものまではチェックできない。準備で必要な項目を全て網羅する上で大切だ。
チェックマークを入れられる形式にすれば、チェックが終わった後に忘れている箇所がないか分かりやすい。抜け漏れの防止に役立つ。
準備シートはさまざまな人が使うかもしれない。そのため項目を載せるときは、誰が見ても分かる文言で書いた方がいい。
準備シートに記載してある内容が難しいと、質問が繰り返されるなど、やり取りが多く発生する。さらに齟齬が生じて、チェックの仕方を間違える恐れもある。これらのことが起こると、余計な時間を使ってしまう。スムーズに準備できる状況をつくるためにも、分かりやすい文言の方がいい。
多くの企業では会議が行われている。社内の重要事項が決まる場として役立ったり、参加者たちが自身の意見を共有できたりする場として活用できるため、0にするのは難しい。
しかし会議が長引くと、余計な時間を使うこととなり、参加者たちが疲労困憊の状態になる。ちなみに会議の時間が長引く原因として、以下のことが挙げられる。
原因を特定して、会議の時間が短くなれば社員たちは他の業務に時間を割ける。ちなみに会議の時間を短くするには、以下のことを行うと良い。
これらのポイントを抑えて会議を実施すると、長時間の会議が自然となくなるはずだ。
また、ファシリテーターとして会議をよく取り仕切る方にはファシリテーション研修などでスキルを磨くことも推奨する。
長時間の会議は、仕事の時間を奪ったり体力の消耗になったりする。短時間で終わるテーマもあるはずだ。そもそも働き方改革が進んでいる世の中で、不要な会議を長時間行うのはナンセンスだ。
現代ではワークライフバランスやウェルビーイングを大切にする企業も現れており、従業員のワークライフバランスに力を入れる場所も増えてきた。企業として時代の波に乗るためにも、長時間の会議は控えていただきたい。