マネジメント業務が上手くいっておらず、具体的なコツや方法が知りたいとお悩みの方は少なくない。
マネジメントは、部下を厳しく管理すればよいというものではなく、働きやすい環境を構築して、部下の力を最大限に引き出すことがポイントとなる。
今回は、マネジメントが上手くいかない3つの原因と、上手くいかないマネジメントの解決法5つを紹介する。現状のマネジメントにお悩みの方は参考にしてほしい。
目次
マネジメントとは、物事の管理を行い、業務が目的から逸れた方向へと進まぬよう監視を行う仕事だ。
ビジネスの現場においては、マネジメントを行う対象は、部下や責任が及ぶ範囲の業務が挙げられる。
社員一人ひとりがとても優秀であったとしても、マネジメントが上手くいかないと、個々人の能力を発揮することはできず、業績は思うように上がらない。逆に、個々の能力が秀でていなくとも、上手くマネジメントすることで、個々人の能力以上の結果を導くことも珍しくない。
このように、マネジメントは会社の業績を大きく左右する、とても重要な仕事だ。マネジメントが上手くいっていないと感じるのであれば、早急に改善にあたるべきだ。
マネジメントが上手くいかない主な原因としては、以下の3つが挙げられる。
マネジメントが上手くいかない原因の一つ目は、人材の配備が適切でないことだ。
人材の配備に誤りがあると、個々の能力を上手く引き出すことができないため、全体としての成果は必然的に悪くなる。
社員一人ひとりの生い立ちが異なるため、知識やスキルが全く同じということはない。
一人ひとりの強みを生かした人材の配置ができていない場合、結果として作業効率を低下させてしまい、思うように業績を上げることに繋がらない場合もある。
マネジメント業務に従事する管理者がしっかり部下と向き合っていないと、知らず知らずのうちに、誤ったマネジメントをしてしまうリスクが高まる。
管理者は、全体をまとめ上げることが仕事だ。そのため、部下一人ひとりとしっかり向き合う必要はないと考える方もいるかもしれないが、組織を構成する一人ひとりがどのような人間であるのかを知らずして、組織全体を把握することは難しい。
マネジメントが上手くいかない原因のひとつである「人材の配備が適切でない」も、部下としっかり向き合っていないことが原因で生じる失敗だ。
日頃から部下とよくコミュニケーションを取っていれば、彼らの性格やスキルの程度を知っているはずだ。
部下とのコミュニケーションは、部下の人柄や能力を知る大切な機会だ。これも仕事の一つとして、管理者は面倒がらずに部下一人ひとりと向き合うべきだと言える。
部下に仕事を任せるのではなく、できるだけ自分で仕事を処理することも、マネジメントが上手くいかない原因の一つだ。このようなスタンスは、部下の負担が減り、一見するとよいと感じてしまいがちだが、マネジメントを行う立場としてはよくない行動だ。
なぜなら、部下に仕事を振らずにいると、いつまでたっても彼らは成長できず、長期的にみると損をしてしまうためだ。
もちろん、仕事を始めてまだ間もない新入社員に仕事を任せるよりも、自分で処理したほうが速くて楽な場合もある。しかし、1人で処理できる仕事には限界があるため、膨大な仕事を任されると、業務が滞る。
部下の成長を促すために、日頃からなるべく部下に仕事を振るようにしておけば、そのような事態が避けられる。いずれ彼らは十分な戦力となり、膨大な仕事でも大人数で連携して迅速に処理できるようになるからだ。
このように、部下に仕事を振るということは、管理者と部下双方にメリットがある。現時点において手間が余計にかかってしまう場合でも、積極的に仕事を振っていくことが理想だ。
上手くいかないマネジメントの解決策としては、以下の5つがある。
社員のモチベーションを上げることも、マネジメント業務の1つだ。社員のやる気を底上げするには、社員一人ひとりに役割を持たせ、仕事の意義を感じてもらうことが大切だ。
マネジメントを行う管理者は、自身の裁量でプロジェクトの状況を変えることができる立場にいるため、仕事へのモチベーションは維持しやすい。
一方、プロジェクトの末端の部下達は、自身の仕事がどうプロジェクトに影響を与えるのかが見えにくい。そのため、自身が携わっているプロジェクトであるのにも関わらず、どこか他人事のように感じている社員も多い。
そこで、部下にプロジェクトの目標や意義を共有して、彼ら一人ひとりに明確な役割を与えることが良いだろう。
このような取り組みを行うと、彼らは自分自身が携わる仕事がプロジェクトのどの位置にあり、どのような役割を持っているのかを把握することができ効果的だ。
その結果、会社での存在意義を感じ、我が事としてプロジェクトに参画するようになる。仕事へのモチベーションは上がり、業績は向上するという流れだ。
物事には優先順位というものがあり、これは仕事に対しても同じことが言える。よいマネジメントでは、業務の優先順位が適切に設定されている。マネジメントが上手くいっていないと感じているのであれば、仕事の優先順位間違っていないか再度チェックすべきだ。
仕事の優先順位を決定する際は、初めに業務を重要度に応じて分類することが大切だ。具体的には以下2に分けると良い。
さらに、現在取り組み中の業務は、下記の3つに分ける。
このように、業務を分類していけば、重要度が明確になり、優先順位は決めやすくなる。
業務の優先順位が曖昧であるのならば、すぐに取り掛かるべき業務は何であるのかを見直してみてほしい。
メンバー間のコミュニケーションが活発に行われると、組織全体に一体感が生まれ、仕事の効率が上がり、業績を向上させられる。
そこで、マネジメントが上手くいかない場合は、社員同士で話しやすい環境作りなどをして、コミュニケーションを促すことを検討してほしい。
社員同士の繋がりを強化するのに一番効果的な方法は、目標を共有することだ。目標を共有すれば、社員同士で仕事について熱く議論を交わすことができ、結束力が強まる。
また、仕事に関する話題が増えることで、プライベートな話をする必要がなくなるという点も魅力だ。なぜなら、職場では、プライベートな話をするのを嫌がる人も多いだめだ。
人と一緒に仕事をする以上、コミュニケーションはとても大切だが、社員間のコミュニケーション不足を社員のせいにしてしまっては何も解決にならない。
管理者が積極的に介入し、社員同士が話しやすい雰囲気を作るよう努力が必要だ。
社員を厳しく管理している方もいるが、これは逆に作業効率を低下させてしまう結果になりかねない。
管理者の仕事は、部下のマネジメントであり、マネジメントとは管理をすることだ。
しかし、社員をきつく縛ればよいマネジメントであるのかといわれると、実はそうではない。なぜなら、強く縛るタイプの管理では、社員は強いストレスを受け、精神的な疲労感をため込んでしまうためだ。精神的な疲労が蓄積すれば、当然、仕事のパフォーマンスにも大きな影響を与える。
理想としては、管理者が口出しするのは必要最低限に抑え、あとは社員の裁量に任せることだ。そのような環境下であれば、社員はストレスを抱えることなく仕事が行え、高いパフォーマンスを維持できる。
加えて、管理者からのプレッシャーがないため、失敗を恐れず積極的に新たなことにチャレンジでき、結果として管理者の手が離れても自律して仕事が行える優秀な部下へと成長する。
優秀な方でも初めから完璧な案を思いつくことは困難であり、必ず失敗は生じる。そこで重要なのがPDCAサイクルだ。
PDCAとは、下記の4つの単語の頭文字を取ったワードだ。この4つを繰り返すことをPDCAサイクルと呼ぶ。
PDCAサイクルとは、思いついた案を実行に移し、そこで得られたフィードバックを基に改善を行い、再度計画を練るという一連の流れを表している。
上手くマネジメントができないからと落ち込む必要はない。上手くいかない原因を自分なりに考察して、再度運用し、マネジメントを洗練させていくことが重要だ。
マネジメント力を強化するために、外部の研修会社を活用してマネジメント研修を実施するという企業も多い。ここでは外部を利用する際、自社にあった研修を選ぶためのポイントを解説する。
経営者や人事担当者は、まず「研修内容が対象層の状況や課題に合致しているか」、そして「しっかり変化を生み出す設計になっているか」を見極める必要がある。
下記の記事では、マネジメント研修選びのヒントになる【マネジメント研修の内容とポイント、研修会社が紹介するおススメ研修7選と選び方のコツ】を解説している、参考にしてほしい。
記事:マネジメント研修とは?内容や選び方、おすすめ研修と費用を紹介
HRドクターは、中堅中小・ベンチャー企業の経営者や人事向けに新卒採用、中途採用、新人育成、リーダー育成、組織へのエンゲージメント向上まで、採用と教育のポイントを発信するメディアだ。社員教育と採用支援サービスを提供する株式会社ジェイックが運営している。HRドクターは採用や教育の現場から得られる情報や経験談をもとに、具体的で実践的な知見を提供している。また、役立つホワイトペーパーや各種セミナー情報も公開されている。ぜひ確認してほしい。
マネジメントが上手くいかない原因や、マネジメントの改善策について紹介した。
マネジメントが上手くいかない代表的な原因は、部下とのコミュニケーションが不足している、人員の配置が適切でない、部下の仕事を振らずに自分で処理しているなどであり、どれもすぐに改善可能なものだ。
マネジメントが上手くいかないとお悩みの方は、記事の解決策を取り入れて、よりよいマネジメントを実現してほしい。
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