単に仕事を与えるだけの企業だと、社員に不満を持たれてしまう。会社への印象を良くするには、社内イベントを実施して社員たちで楽しめる時間をつくった方がいい。社内イベントの実施は、社員に活力を与えるきっかけとなる。
しかし準備の仕方や実施方法を間違えると、社内イベントの質が悪くなってしまう。本記事では社内イベントの目的を解説しつつ、準備~実施までの流れを紹介していく。
社内イベントとは、社内で行われる催しのことだ。社員のみを対象とする場合もあれば、社員の家族や取引先・顧客まで参加できるものもある。飲み会やバーベキューなど、さまざまなものが存在する。
しかし社内イベントを行ったからといって、必ずしも社員が喜ぶとは限らない。社内イベントの実施が裏目に出る場合もある。社員に喜んでもらう社内イベントを実施するためにも、準備~実施までの流れは抑えた方がいい。
ここからは、社内イベントの目的を紹介していく。
同じ部署の社員だけではなく、他部署の社員と話す機会も生まれやすい。結果、横のつながりができていく。多くの社員とつながれば、社内に相談できる相手ができる。結果、業務を進めやすい状況が出来上がる。
社員のモチベーションアップが目的で行われる場合もある。モチベーションが上がれば、自然と仕事の質が高まっていく。結果、成果が出やすい会社へと成長する。
社内イベントを通じて、企業理念を浸透させる目的もある。たとえば社内イベントの中で、企業理念について話す機会を設ければ、社員たちへ伝えられる。そのため、企業理念の浸透に役立つ。
社内イベントを成功させるには、正しい流れで行うことが大切だ。ここでは、社内イベントを実施するまでの流れを解説する。
社内イベントの実施目的・テーマを決める理由は、社内イベントの効果を挙げるプログラムを明確にするためだ。適当にプログラムを組んでも、社内イベントの効果は出ない。社内イベントで最大限の効果を挙げるためにも、実施目的・テーマは決めるべきだ。
社内イベントを成功させるには、運営メンバーの選定も大切だ。運営メンバーによって、中身の質が変わるからだ。メンバーたちの熱量が、社内イベントのクオリティに直結する。
運営メンバーの決定後は、運営の概要を固めていく。ちなみに概要を決めるときは、最低限以下の項目は抑えた方がいい。
責任者を決める理由は、チームを統制するためだ。作業ごとに責任者を決めておけば、その方の指示をもとに準備を進められる。結果、社内イベントの運営がスムーズに進んでいく。
予算を明確にする理由は、社内イベントにかけられる費用を把握するためだ。社内イベントで実施できる内容は、予算によって異なる。予算を把握せずにプログラムを組むと、想定外の出費が発生して、会社の財政状態を悪化させる。無駄遣いを防ぐためにも、予算は設定すべきだ。
社内イベントの準備から実施までのスケジュールを明確にすれば、実施までのペースが分かる。結果、段取り良く準備を進められる。
イベントの進行方法を決める理由は、社内イベントをスムーズに進めるためだ。進行が下手だと社内イベントの雰囲気が壊れ、参加者は不満をためる。参加者が楽しめる状況をつくるためにも、イベントの進行方法も決めた方がいい。
実施目的・テーマをもとに、イベント内容を決めていく。目的に応じてイベントを考えると良い。
社員間など横のつながりの構築が目的であれば、下記のイベントが最適だ。
運動会はチームで競い合う競技だ。競技の中には団体戦があり、自然とメンバー同士で会話を交わす機会が生まれる。よって、横のつながりを構築するのに最適だ。
飲み会では、自然と会話が発生する。参加者たちはお酒を飲むことで、場の雰囲気が盛り上がり、話しやすい環境が出来上がっていく。会社での接点がない方と話しやすくなるため、横のつながりを構築するのに役立つ。
ただし、アルコールが苦手な方へ強引にお酒を飲ますと「アルコールハラスメント」として訴えられる恐れがある。そのため、お酒が飲めない方への配慮をしながら行うべきだ。
お花見等の季節行事も、雑談をしながら食事をする機会が多いため、自然と会話が生まれる。よって、横のつながりを構築するのに最適だ。ただし人気スポットだと、場所がなくなってしまう。そのため、場所取りについても計画を立てた方がいい。
社員のモチベーション向上が目的の場合は、以下のイベントが効果的だ。
表彰式では、会社から表彰されることで自分が会社に貢献できていると実感できる。さらに、他の社員から注目してもらう機会にもなって心地良い。次回も表彰されるために、社員は成果を残そうとする。それがモチベーションアップをつくり出す。
自社セミナーを行えば、自身のキャリア形成において必要なスキルや能力を習得できる。自身がかなえたいキャリアに一歩近づくため、モチベーションの向上に役立つ。社員の状況に合わせて、セミナーのカリキュラムを決めるといいだろう。
また、社外研修も効果的だ。以下の研修などがイベントとして実施すると盛り上がるだろう。
ファミリーデーとは、自身が働く会社に家族を招待し、仕事の様子を見学してもらうことだ。家族が見ている前だと、社員はかっこいい姿を見せようとして、普段よりも張り切る。それがモチベーションアップを生み出す。
企業理念の浸透が目的の場合は、以下のイベントが最適だ。
社員総会とは、全社員が参加する総会のことだ。会社のルールを決めたり、社内情報を共有したりする場として使われる。会社の動きを伝えられるため、企業理念の浸透に役立つ。堅苦しく行う場合もあれば、和気あいあいとした雰囲気で行う場合もある。
周年イベントも企業理念の浸透に最適だ。大勢の社員がいる前で企業理念について話せば、参加している社員に聞いてもらえる。そのため、企業理念の浸透に役立つ。
企業の中には特設サイトをつくったり、ポスターで大々的にアピールしたりして、社員のワクワク感を高めているケースもある。単なるパーティーではないことを示すためにも、特別感は出した方がいい。
イベントの内容を決めたら、実施日を定めて会場や物品等の準備をしていく。会場や物品等の準備をする際は、以下のことに気を付けるといい。
会場を一箇所に絞ると、そこが借りられなくなったときに詰む。それを防ぐ意味で、会場決めのときは複数の場所をリストアップした方がいい。
第一優先の場所がNGなら、第二優先の場所。それもNGなら第三優先の場所といった形で、場所を変えられる仕組みをつくると良い。結果、場所を確保できない状況を回避できる。
会場を決めたら、下見も忘れてはいけない。インターネットの情報のみを信じると、イメージと現実にギャップが生まれるからだ。「予想よりも会場が狭かった」「思ったよりも館内が暗かった」など社内イベント当日に、さまざまな課題が発生するかもしれない。
当日に気付いても、対応できるのには限度がある。課題点を知り、実施当日にトラブルを起こさないためにも、下見は行うべきだ。
物品を準備する際は、リストをつくって準備することが大事だ。必要なものと個数を書き出して、準備できたものからチェックをつけることで抜け漏れを防げる。
社内イベント開催日になったら実施する。実施時は、以下のことを意識すると良い。
社内イベントを実施する際は極力、参加者の負担が生じないようにすることが大切だ。運動会であれば「トイレの場所やゴミ箱の有無を伝える」「体調不良を起こしたときの救急室を伝える」といった形だ。参加者が質問しなくて済む状態をつくることで、参加者の負担は減る。
参加者が楽しめる雰囲気をつくるのも大切だ。たとえば、自分から人と話せない社員を見かけたら運営メンバーが間に入って、他の社員と話せる状況をつくるといい。すると参加者は楽しめる。社内イベントに参加して良かったと感じる社員を増やすためにも行うべきだ。
振り返りをすべき理由は、良かったことや反省点などを把握するためだ。その内容を議事録として残せば、次回以降の社内イベントの内容を決めるときに役立つ。同じ失敗を繰り返さないためにも必要だ。
社内イベントはさまざまな企業で実施されている。最後に社内イベントの事例を紹介していく。
グーグル合同会社では、社員たちが楽しめるイベントを充実させている。たとえば、社員たちの健康増進を目的に「スポーツ大会」が行われている。その他にも寿司職人の出張サービスなど、仕事以外で楽しめる場をつくっているのが特徴だ。
楽天株式会社では、同じ誕生月の社員を集めて懇親会を行っている。懇親会ではゲームが行われたり、参加者同士で食事を交わしたりするようだ。さまざまな役職の方が参加するため、職場で接する機会のない方と交流できる。結果、横のつながりをつくるのに役立っている。
株式会社ディー・エヌ・エーでは、定期的に「全社経営会議」と呼ばれるイベントを行っている。これは、その名の通り全社員で経営方針を考えることだ。上層部から新入社員まで集まって、会社の今後を確認する。
その他にファミリーデーも開催されており、社員の家族が社内を見学できるようになっている。普段、見ることのない場所を回れるため、家族は非現実的な時間を味わえる。「楽しかった」という家族の声を聞いて、仕事のモチベーションが上がる社員もいるだろう。
社内イベントを実施すれば、社員のみではなく会社も恩恵を受けられる。社内イベントの目的として、以下の内容が挙げられる。
上記の効果が実現できれば、社員たちの仕事は効率的に進んでいく。結果、社内の生産性が向上し、会社の業績アップにつながる。
しかし適当に社内イベントを行っても、求めていた効果は出ない。効果を挙げるには、正しい流れで社内イベントを行うことが大切だ。以下のステップで取り組むと、求めていた効果が出やすくなる。
この流れで社内イベントを行えば、質の高いものができあがる。社員にとって気分転換の場となり、会社への満足度も上がるはずだ。その結果、社員たちの業務の質が高まり、大きな成果を挙げられる組織へと成長していく。
社員のやる気を上げるのに、給与を渡すだけでは不十分だ。今の会社で働き続けたいと思わせるためにも、社員の立場に立って社内イベントを実施していただきたい。
あまり慣れていない場合は、『NEO FLAG.』のような社内イベント施行会社に委託してみてもいいだろう。