リスキルラボ ストレスマネジメントを上手く行う方法を解説【メンタル悪化を防ぐ】

セルフマネジメント研修
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多くの人を悩ますストレス。そのストレスの解消として、まず思い浮かぶのは運動や、趣味に没頭する等ではないだろうか。ストレス解消も大切ではあるが、ストレスの原因を知ることや、その原因に対してのどのような対応をするかが重要だ。精神的・肉体的に負担となるストレスをいかに処理したらよいのか、その対策がストレスマネジメントだ。

本記事では、ストレスマネジメントを上手く行う方法を解説していく。

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ストレスとは何か

ストレスとは、物理学の分野で使われていたもので、外部からかけられた圧力や刺激によって歪んだ状態、心に緊張が生じた状態を言う。

ストレスを感じると心に「ゆとり」がなくなり、焦りや不安が膨らみ、気分が落ち着かなくなる、落ち込むなど、心や身体の症状や行動が表れるため、ストレスマネジメントを身につける必要がある。

ストレスマネジメントとは何か

ストレスマネジメントとは、心身ともに健やかな状態を維持するために、ストレスを適切にコントロール・管理することだ。この能力が身につけば、ストレスに振り回されずに済む。自分のペースで仕事を進められるようになり、働きやすくなるだろう。

ストレスマネジメントの効果

ここからは、ストレスマネジメントの効果を紹介していく。

体調不良の防止

ストレスマネジメントを身につければ、ストレスが大きくなったり、不安を抱えたりすることが減る。精神的な病気も起こりづらいため、体調不良の防止に役立つ。

体調不良が減ると、仕事のパフォーマンスアップや欠勤数の減少が期待できる。他の社員に迷惑をかけずに済み、会社への貢献度も高くなるはずだ。

職場環境の改善

ストレスマネジメント力がないとイライラする回数が増えたり、怒りの矛先を他の社員にぶつけたりしてしまう。社内のムードを悪くしてしまい、他の社員に迷惑をかける。

しかしストレスマネジメントを習得すれば、ストレスを抱えても自身で対処できる。よって、イライラする回数や他の社員へ怒りの矛先を向けることが減る。他の社員に不快感を与えずに済むため、職場環境の改善が期待できる。

ミスコミュニケーションの防止

ストレスを上手くコントロールできれば感情の乱れが減る。その結果、冷静に相手の話を聴いたり、感情的に話したりすることがなくなるため、ミスコミュニケーションの防止が期待できる。

ミスコミュニケーションが減れば、自分にとって都合の良い解釈をしなくなり、相手と意思疎通しやすい。よって、スムーズに仕事を進められる。

ストレスマネジメントを上手に行う方法

ここでは、ストレスマネジメントを上手に行っていく方法を解説する。

ストレスチェックの実践

ストレスチェックとは、自分のストレス度合いを把握するために行うテストのことだ。「労働安全衛生法」で明記されているため、該当する企業は取り組まなければならない。自分のストレス度合いが分かれば、対処方法が分かる。よって、ストレスマネジメントを上手に行うのに役立つ。

ストレスコーピングの仕方を身につける

ストレスコーピングとは、ストレスが発生したときの対処法のことだ。ストレスコーピングには、大きく2種類ある。

問題焦点型

問題焦点型とは、ストレスの元となっている原因を特定し、解決を目指す方法のことだ。たとえば、以下の例が挙げられる。

  • 自身の業務スキルが足らないから、知識を身につけてスキルを高める
  • 自身で解決できない問題が発生したから、同僚に聞いて解決した
  • 同じ場所に長時間いると不安に襲われるから、別の部屋に移動する

上記のようにストレスの元を小さくすることで、解決しやすくなる。

情動焦点型

情動焦点型とは、自身の感情をコントロールすることで解決を図る方法のことだ。たとえば、以下の例がある。

  • 心がウキウキすることを想像して、明るい気分になる
  • 趣味による気分転換をして、モチベーションを上げる

自身の感情を上手にコントロールできると、ストレスは小さくなっていく。

ストレスに対してポジティブな考えを持つ

完璧思考、ネガティブ思考はストレスを溜めるもとになる。ストレスは自分を成長させてくれたり、メンタルの回復につながったりする。したがって、ストレスにはポジティブな側面があることを認識すべきだ。

ちなみにポジティブな考えを持つには、ベネフィットファインディングを行うと良い。ベネフィットファインティングとは、苦しい場面の中からベネフィットを見つけ出すことだ。以下の手順で行うと良い。

ストレスの要因(ストレッサー)を知る

ストレスは何が要因かを知る必要がある。ストレスの要因を大きく分けると以下の通りだ。

種類 内容
物理的ストレッサー           「自然」に代表される外部環境、寒冷、高温、気圧、騒音など
化学的ストレッサー 酸素の欠乏や過剰 、栄養不足、薬害、化学物質による臭気や接触、吸入時の刺激など
生物学的ストレッサー 病気、ケガ、不規則な生活、睡眠不足、過労、細菌感染、花粉など
心理社会的ストレッサー 人間関係のトラブル、失恋、解雇、怒り、不安、挫折、職場や家庭、学校による立場や役割に伴う負担、人間関係に伴う負担など。その他にも職業ストレスの要因となる職場でのストレッサーも知る必要がある。
量的ストレッサー 業務負荷の過多、長時間労働、業務の多様さ・複雑さ、数字ノルマなど
質的ストレッサー 役割不明瞭、役割葛藤、職務の主体的コントロール不全、能力の不活用など
その他 ハラスメント、コンプライアンス、メールやSNSなどコミュニケーションの形や濃度、NOと言ないこと、物理的環境の劣悪さ、職場の政治的駆け引き、社風や文化、偏見などA

苦しいことからベネフィットを見つける

ベネフィットとは、自分に対して将来的に起こるメリットのことだ。苦しいことを、以下のようにベネフィットのある形に変換していく。

  • 仕事内容が難しい→仕事内容は難しいが、自分の業務スキル向上に役立つから頑張る
  • 仕事のミスで叱られた→仕事のミスで叱られたが、自分にとって学びの時間になった

上記のようにベネフィットを見つければ、ストレスが溜まっても前向きな気持ちを持てる。それがモチベーションアップにつながっていく。

ストレスへの抵抗を辞める

ストレスに立ち向かおうとしてはいけない。頑張りすぎて、心身ともに滅入ってしまう恐れがあるからだ。よって、ストレスへの抵抗はすべきではない。ストレスを受け入れて、逆らわずに行動することが大事だ。

自身の強みを認識する

自身の強みを知っておけば自信がつく。その結果、ストレスによるプレッシャーで押しつぶされなくなりマネジメントに役立つ。自身の強みを見つける方法として、以下の内容がある。

自己分析

最もスタンダードな方法が自己分析だ。自己分析では、以下のことを意識すると良い。

過去の体験を掘り起こす

自身の体験を掘り起こすと、今まで行ってきたことを思い出しやすい。「自身が活躍した場面」「今までで一番頑張ったこと」などを見つけやすくなり、強みを知るのに役立つ。

身につけたスキルを棚卸する

取得した資格や業務上で身につけたスキルなどを棚卸すると、強みを見つけやすい。全て洗い出すことで、自分の強みが分かるはずだ。

弱みを見つける

弱みを見つけるべき理由は、それが強みになる場合があるからだ。たとえば「仕事に集中すると、周りが見えなくなる」という弱みの場合、「他のことが気にならないぐらい集中できる」という強みに言い換えられる。

弱みが増えれば、強みも増えていく可能性が高い。よって、思いつくままに弱みを挙げるべきだ。

他己分析

他己分析とは、第三者に自身の強みを言ってもらい分析することだ。自身で気付かなかったことを知れるチャンスがあるため行うべきだ。他己分析では、以下のことを意識するといい。

多くの人から聞く

多くの人に聞くことで、様々な種類の意見をもらえる。付き合いが浅い方や、接点が少ない同僚など、普段話さない方からも意見を出してもらうと、精度が高くなって良いだろう。

答えやすい内容の質問をする

相手が答えやすい内容の質問をすることも大事だ。これを実践すると、会話が盛り上がる。様々な意見を聞けるチャンスになるため、相手が次々と話したくなる質問をすべきだ。

診断テストを受ける

診断テストを受けて、自身の強みを知るのもいいだろう。選択式や記述式など、様々な回答形式のテストがある。テストによって診断結果の出方が異なるため、チェックしてから利用するといいだろう。

ストレスマネジメントを実施するときの注意点

最後にストレスマネジメントを実施するときの注意点を紹介する。

ストレスを0にしようとしない

ストレスを0にするのは良くない。なぜなら仕事のモチベーションが下がったり、何も考えずに仕事に取り組んだりする原因になるからだ。さらにストレス耐性も弱くなるため良くない。

多少あるストレスについては、仕事の刺激になるため役立つ。よってストレスマネジメントのときは、ストレスを軽減させるという考えで行った方が良い。

悩みがあったら積極的に相談する

社内で孤立すると、誰にも相談できなくなりストレスを溜めやすくなる。そのため、積極的に相談することも大事だ。相談時は以下のことに気を付けると良い。

相談相手を見極める

社員によって、相談に乗れる内容は違う。よって、悩みを解消してくれそうな相手を見極めてから相談すべきだ。相談先を間違えると、お互いにとって時間の無駄になる。その状態を作らないためにも、相談内容に応じて相手を変えるべきだ。

タイミングを見計らう

相談のタイミングによって、相手の答え方は変わる。たとえば相手の業務が忙しいときに相談すると、時間に余裕がない分、相手の対応が雑になる場合がある。しかし相手の仕事がひと段落したときに相談すると、時間に追われていない分、相手に心の余裕が生まれやすい。よって、親身に回答してもらえる可能性がある。

要点を絞って相談する

相談事が多すぎると、相手は何から答えればいいか分からない。その時間がロスになると、解決できなくなる。時間は有限であるため、要点を絞って相談すべきだ。

なお相談内容が多すぎる場合は、重要度に合わせて要点を決めていくと良い。すると話にまとまりができて、相手は答えやすくなる。

隠し事をしない

自分にとって都合が悪くても、隠し事はしない方が良い。なぜなら最適な答えをもらえなくなったり、話の辻褄が合わなくなったりする恐れがあるからだ。自分にとって効果的な回答をもらうためにも、隠さず話した方が良い。

相手に丸投げしない

相談するときは、相手に丸投げしてはいけない。自分で解決する姿勢を見せることが大事だ。この姿勢がないと、相手は真剣に対応しなくなる。有益な時間にする意味でも、自力で解決しようとする姿勢が大事だ。

ストレスの原因によって対処方法を変える

全ての対処方法が通用するわけではない。効果的ではない対処方法を試すと、解決が困難になる。ストレスの原因を明確にして、そのときに合う内容で対処することが大事だ。

まとめ

会社で働いている以上、ストレスからは逃げられない。ストレスとの付き合い方が下手だと体調不良を起こしたり、仕事のモチベーションを下げたりする。それを回避するには、ストレスマネジメントを身につけて、ストレスと上手に付き合うことが大事だ。ストレスマネジメントを上手に行うには、以下のことを試すと良い。

  • ストレスチェックの実践
  • ストレスコーピングの仕方を身につける
  • ストレスに対してポジティブな考えを持つ
  • ストレスの要因(ストレッサー)知る
  • ストレスへの抵抗を辞める
  • 自身の強みを認識する

上記のことを行えば、ストレスマネジメントの効果を得やすくなる。その他に、ストレスマネジメントにおけるポイントもあるため紹介していく。

  • ストレスを0にしようとしない
  • 悩みがあったら積極的に相談する
  • ストレスの原因によって対処方法を変える

上記のポイントを抑えれば、効率よくストレスマネジメントを実施できるだろう。ストレスの抱えすぎは自身の体に負担を与え、他のメンバーに迷惑をかける原因になる。この状態が続くと周囲の社員は余計気を遣うようになり、社員達にとって居心地が悪くなってしまう。

なお、部下のストレスへの対応についてはラインケア研修、自身のストレスを上手くコントロールするためにはセルフケア研修をそれぞれ受講することをおすすめする。本記事を作成しているリスキルでも提供可能だ。ぜひ検討してほしい。

精神的に滅入らないためにもストレスマネジメントを習得し、快適な環境で働ける状態を作っていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • ストレスマネジメントとは、ストレスをコントロールしながら上手に付き合っていくことです。
  • ストレスチェックを行って、自分の状況を知ることが大事です。その他に、ストレスコーピングの仕方を身につけたり、自分の強みを知ったりすることも重要と言えます。
  • ストレスは0にするのではなく、減らしていくという考え方が大事です。ストレスがなくなると、仕事のやる気を奪うからです。その他に効果的な対処方法を実践したり、悩みがあったら積極的に相談したりすることもポイントと言えます。
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