内定者向けに研修を実施するという企業も多い現代社会において、参加する側としては「絶対に参加しなければならないの?」「卒論提出の時期と被っているけど、断りづらい…」と考える方もいるだろう。
結論から言うと、内定者研修を実施すること自体は違法ではない。しかし、その参加を強制したり業務に関連する内容を命令・指示した場合は違法となる危険性が高い。
本記事では、内定者研修の目的とともにどのような内容や条件によって違法とされる危険性があるかを解説していく。内定者自身や人事・採用担当の方にぜひご覧いただきたい。
内定者研修とは、名前の通り内定者に向けて配属先の企業やそこから委託された研修会社などが実施する研修のことだ。
内定者研修の目的は、大きく分けて以下の3つだ。
内定式終了後、10月~3月末までの間に数回実施されることが多い。ただし、企業により研修と懇親会を一緒に実施するところなどもあり、企業による。
内定者研修を実施すること自体は違法ではない。
しかし、内定者の時期は雇用契約を結んでいないため、参加を義務付けたり命令・指示をしたりした場合は、違法となる可能性が高まる。
内定者研修を実施した上で、それが違法となる可能性が高いものは以下の通りだ。なお、これらは一般的に言われていることである。企業の状況によりこのパターン以外にも違法となる可能性はあるということを前もって伝えておく。
雇用関係にない状態のため、参加を強制してしまうと違法とされる可能性が高い。
「絶対に参加しろ」という言い方でなかったとしても「参加しないと内定が取り消されるかも」「配属先に響く」「今後の評価に繋がる」などの伝え方は危険性が高い。人事・採用担当者の方であれば、参加を呼びかける際の表現や伝え方に配慮をする必要がある。
内定者研修で実施する内容としては、基本的に業務範囲外のことを行うことが推奨される。(内定者自身のスキルアップにつながるものなど)
業務範囲内のことを内定者研修として実施する場合は、賃金を支払う必要が出てくるため適切な対応をしていかなければならない。
入社前から不安を抱かせることがないように、研修の内容には十分に注意しよう。
オワハラという言葉をご存知だろうか。「就職活動を終われ、終わらせろ」というハラスメントの略である。
該当する行為としては、以下のようなものだ。
内定者研修の期間があまりにも長いことや、上記のように業務に関わることを指示している場合にこのように受け取られる可能性がある。人事・採用側は、内定者への対応や研修の期間などがこれに触れていないかを注意したい。
企業や組織側、内定者のお互いが気持ちよく入社日を向かえるためにでできることを解説していく。
上記で説明した通り、内定者研修は内定者自身の不安や疑問を払拭したり、スキルアップのために実施するということを伝えよう。
その際、自由参加であり強制でないことも伝えておきたい。学業が優先であることもそうだが、学生生活最後の時間を優先させる気持ちを持って対応していこう。
内定者研修の日程や詳細だけを伝えるのではなく、入社までの全体の流れを伝えることが推奨だ。
内定者側としては、「次に何があるんだろう」「内定者研修を最後に、入社まで出社することはないのかな」などの疑問を持っていることが多い。
まだ未定の部分はそのまま伝えることでも良いため、全体像や内定者期間に実施する予定のイベントなどについても前もって伝えることができるよう、準備をしておこう。
自由参加の研修であるが、不参加者に対してのフォローも企業側としてはしておきたい。
資料を配布する、視聴の有無は問わないが動画やeラーニングの案内だけしておくなど、企業によって不参加者に対してどのようなフォローをするかも考えておこう。
本記事を作成しているリスキルでは、内定者研修についても取り扱っている。企業様からご要望の多い研修は以下の通りだ。
人事・採用担当の方については、カリキュラム内容についてもご覧いただきたい。
本記事では、内定者研修の目的とともにどのような内容や条件によって違法とされる危険性があるかを解説してきた。
内定者研修自体は、企業側・内定者側としても有意義な時間となることが多く、不安を払拭するためにも実施することが望ましい。
しかし、その実施の案内方法については人事・採用担当者側で十分な配慮と準備をしておく必要があるということだ。
これから内定者研修のテーマを決める企業も多いため、ぜひ考える際にはこの記事を参考にしてほしい。