リスキルラボ 【人事担当者向け】研修の種類を決めるときの手順・ポイントを解説

人事研修
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多くの企業で研修が行われているが、企業によって実施する内容は異なる。研修テーマとしては多数の種類があり、会社にとって意味のある研修にするためには慎重に選ぶ必要がある。

最適な種類の研修を選ぶには、正しい手順を踏んで決めることが大切だ。

本記事では、研修のテーマや種類を決めるときの手順やコツ、押さえておきたいポイントを解説する。

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人事向け研修の組み立て方に関する記事でわかること

研修を実施する意味

はじめに研修を実施する意味について、3つ紹介する。

1.社員のスキル、知識を均一化する

研修を実施せず、社員に独学で勉強をさせることも可能だ。しかし、もともと持っている背景知識や、勉強に確保できる時間が社員によってことなるため、スキルや内容の理解度に差が生まれる。結果として、社員間でスキルや知識に差が生まれてしまう。

研修を実施すれば勉強の仕方や必要なスキルなどを講師が教えてくれるため、社員は正しく同じように理解をすることができるよって、社員のスキル、知識を均一化するツールとして効果があると言えるのだ。

2.人材開発を進める

研修では講師や他の参加者と会話をする機会があるため、新しい発見や気付きを得られる確率は上がる。結果、参加者の人材開発を進めるきっかけになる。

仮に参加者が自身の潜在的能力に気付いて、その能力を仕事で発揮してくれれば、会社にとってもメリットだと言える。

3.会社と価値観を合わせてもらう

会社と社員の価値観が合わないと、業務に支障をきたしてしまう。研修では会社が掲げる企業理念やエッセンスなどが盛り込まれているカリキュラムもあるため、会社の価値観を知れる。したがって会社と価値観を合わせてもらうのも、研修を行う理由の1つだ。

研修には様々な種類がある

ひと口に研修と言っても、様々な種類が存在する。研修の内容は、いくつもの段階を経て決まっていく。ここでは、研修が決まっていく過程を四段階に分けて紹介する。

第一段階:社内研修か社外研修か選ぶ

社内研修or社外研修のどちらにするか選ぶ。それぞれの違いは、以下の通りだ。

社内研修

自社の社員が、講師となって行う研修のことだ。自社の関係者が研修を進めていくため、イメージを伝えればその通りに進めてくれる可能性が高い。

しかも自社の社員であるため、打ち合わせの時間も確保しやすい。大半のことを社内で完結したい企業には、社内研修が向いている。

社外研修

社外の方が、講師となって行う研修のことだ。社内にはないエッセンスを学べるため、外部の刺激を得たいときに適している。しかも外部の方に研修の準備や運営を任せられるため、手間がかからない。

社内のみで研修の準備を行うのが不安だったり、外部の力を活用したかったりする企業は社外研修の方がいい。

第二段階:研修の参加対象者を決める

参加対象者は、大きく4種類に分けることができる。

①新入社員

入社したての社員を呼ぶ。社内の状況を何も把握しておらず、業務の進め方も全く分かっていないのが特徴だ。新入社員研修のラインナップ一例としては、こちらを確認してほしい。

②中堅社員

基本的に入社から3年以上経っており、管理職に就いていない社員を中堅社員と呼ぶ。プレイヤーとしての業務が多いものの、チームリーダーを兼務しているケースもある。
中堅社員研修のラインナップ一例としては、こちらを確認してほしい。

③管理職

部長や課長など、部下を管理したりプロジェクトの運用を任されたりしている方が該当する。部下とのやり取りが多いのが特徴だ。
管理職研修新任管理職研修のラインナップ一例としては、こちらを確認してほしい。

④幹部

経営陣や執行役として、組織の行動を決めたり、指揮・命令を行ったりするのが特徴だ。取締役や執行役員などが該当する。

第三段階:研修の実施方法を選ぶ

研修の受講場所を選ぶのも必要だ。方法として3種類考えられる。

オフライン

オフラインで実施する場合、研修が行われている場所に出向いて受講してもらう。講師と参加者が同じ場所に集まっているため、講師へ質問しやすい。受け身にならずに受講をすることができる。

オンライン

オンラインで実施する場合、各受講者にはインターネットを接続してもらい、研修会場とは違う場所で受講してもらう。インターネット環境があれば、どこからでも受講できるため会場へ出向かなくて良い。自宅での受講も可能である。コロナ禍の影響から主流になりつつあるスタイルだ。

オフライン&オンライン

オフラインとオンラインのハイブリッド型もある。この場合、受講者にどちらが良いか決めてもらう。両方用意しておけば都合の良い方で受講できるため、参加者にとっては使い勝手がいいはずだ。

第四段階:研修の形式を決める

研修の形式は以下の通りだ。

OJT

OJTとは、先輩社員が現場で教育しながら行う研修のことだ。指導される側は先輩社員に付き添ってもらいながら、業務で必要なスキルを習得していく。先輩社員とのコミュニケーションもとれるため、指導される側は会社に馴染みやすくなるはずだ。

OFF-JT

OFF-JTとは、現場とは違う場所で行う研修のことだ。主に座学や講義形式の研修が該当する。全従業員に必要なスキルを教えたり、あらゆる種類のスキルを短時間で一気に覚えさせたりしたいときは、OFF-JTを利用すると便利だ。

グループワーク型の研修

グループワークとは、グループのメンバー同士で取り組んでいく研修のことだ。たとえば、お題の答えをグループで話し合いながら考えたり、メンバーで協力し合ってミッションをクリアしたりするものなど様々なワークがある。グループ内での、積極的な意見交換が期待できる。

ロールプレイング型の研修

ロールプレイングとは、場面を想定し実践しながらスキルを習得していく研修のことだ。電話応対や名刺交換など、繰り返すことでスキルアップが期待できる内容を組むといい。

e-ラーニングを用いた研修

e-ラーニングとは、オンライン上のシステムを使いながら勉強することだ。好きなときに勉強できるため、電車での通勤・帰宅途中や自宅で休憩している間などスキマ時間の活用が可能だ。したがって忙しくて研修を受けられない方に役立つ。

ただし様々なジャンルのe-ラーニングがあるため、プログラムの中身を見てから選ぶことを忘れてはならない。

研修の種類を決めるときのポイント

ここからは研修の種類を決めるときに抑えるべき、ポイントを3つ紹介する。

研修を手配する前に決めておきたいこと

1.研修で解決すべき事柄を決めておく

研修で解決すべき事柄を決めて、課題を解決できそうな種類の研修を選ぶといい。たとえば社員にビジネス感覚を身に付けてほしい場合は、財務関連や経営者感覚を身に付けさせる研修を受けさせるイメージだ。

研修の中身が良くても、内容を選び間違えてしまうと研修後の効果は期待できない。研修の時間とコストを無駄にしないためにも大切だ。

2.予算

研修に割ける予算を把握しておくのも大事だ。なぜなら予算に応じて、実施できる研修の種類は変わってくるためだ。研修の予算が大きくなれば選択肢は広がり、研修の予算が小さくなると選択肢は狭くなってしまう。

理想を高くイメージしても、予算がなければできることは限られてくる。予算を把握してから研修の種類を決めるべきだ。

3.研修期間をハッキリさせておく

研修期間によって、最適な研修が異なるためだ。研修のカリキュラムによって、所要期間は異なる。1日間で終わるケースもあれば、3日間かけなければ終わらないケースもある。

研修によっては日数を減らすのも可能だが、その行為によって研修の質が落ちてしまうのはもったいない。研修の質を落とさないためにも研修期間をハッキリさせて、その期間に適した種類の研修を選ぶべきだ。

具体的な研修内容・種類を紹介

最後に具体例を挙げながら、研修内容や種類を5つ紹介する。

1.ビジネスマナーに関する研修

ビジネスマナーとは、社会人として最低限身に付けておかなければならないマナーのことだ。挨拶の仕方や身だしなみ・ビジネス文書のつくり方や電話応対の仕方など多岐にわたる。

ビジネスマナー研修は新入社員向けに実施することが多いものの、中堅社員や管理職に実施されることもある。ビジネスマナーの習得によって、顧客に対する印象アップや自社のブランドアップを目指したい企業は実施するといい。

2.コンプライアンスに関する研修

コンプライアンスとは「法令順守」を意味する。法律や規則・社内で設定したマニュアルなどを守りながら、健全に企業運営していくことを指している。

コンプライアンス研修では、社内を管理したり統制したりする重要性や、コンプライアンス違反が起こったときの対処法について理解していく。また、ハラスメントとコンプライアンス違反についての研修では、ハラスメントが起こったときの対処法や予防法、線引きなどについて理解していく内容となっている。

コンプライアンス違反は、ブランドダウンや業績悪化を起こす原因になる。会社を守る意味でも受講させた方がいい。

3.コミュニケーションに関する研修

新入社員だけではなく、中堅社員や管理職・幹部も社内外の方と、良好な関係性を築かなければならない。会社員は他の方と協力しながら仕事を進めていくため、どの社員もコミュニケーション研修は受講した方がいい。

代表的なのは、コミュニケーションスキルを身に付ける研修だ。コミュニケーションの本質を理解するためのカリキュラムが組まれており、話を聞いたり伝えたりすることの大切さを体感できる。その他にも社外の方と良好な人間関係を築く研修や、相手の気分を害さずに自分の意見を伝える研修なども用意されているため、状況に合わせて使い分けるといい。

4.リーダーシップに関する研修

リーダーシップ研修では、管理職だけではなく、管理職・リーダー候補の方にも効果的な研修だ。部下に指示を出したりリーダーシップとして仕切り役に回ったりすることが多い方は、受講した方が良い研修となっている。

たとえばリーダーシップを活かして、チームの成果を出す研修の場合、リーダーシップの本質や活用方法、成果を出すための手順について理解していく。その他にリーダーシップを活かして社内の業務体制を変えるための研修や、部下のモチベーションを高めるための研修も用意されている。リーダーシップの本質を社員に理解させるのに最適だ。

5.マネジメントに関する研修

マネジメント研修と言っても、様々な種類がある。たとえば人材マネジメントであれば、管理職研修に代表されるような部下に指示した業務の進み具合を把握したり、適材適所に人材を配置して部署内の業務を回したりする能力を強化する内容となる。その他にリスクを管理するリスクマネジメントや、時間を管理するタイムマネジメントなどがある。

これらは部署を管理している管理職や幹部に必要とされるスキルだ。マネジメントスキルを持っていない方が部署を管理すると、チームの体制が崩壊してしまう恐れがある。チームの成果を出せるかは、管理者のマネジメントスキルで決まると言っても過言ではない。管理者にマネジメントスキルを身に付けさせたい企業に、最適な研修だと言える。

まとめ

研修の種類は多岐にわたるため、社内の状況に合わせて内容を選ぶことが大事だ。ちなみに研修の種類を決めるときは、以下の手順に沿って選択していくといい。

  • 第一段階:社内研修か社外研修か選ぶ
  • 第二段階:研修の参加対象者を決める
  • 第三段階:研修の実施方法を選ぶ
  • 第四段階:研修の形式を決める

1つずつ段階を経ていくことで、どのような種類の研修を選ぶべきか分かるはずだ。その他に研修を選ぶときのポイントもあるため紹介する。

1.研修で解決すべき事柄を決めておく
2.予算
3.研修期間をハッキリさせておく

上記のポイントを意識すれば、種類を選び間違える確率が減り、研修後の効果が期待できるはずだ。効果が出ない研修を実施しても意味がない。社員にとって有益な時間になるよう、研修の種類を選んでいただけると幸いだ。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • ず社内で実施するか、社外で研修するか決めます。その後参加対象者を決めて、研修の実施方法・形式を決める形がベストです。
  • 研修で解決すべき事柄を決めて、どの種類の研修をすれば解決できるか考えます。その他に予算や研修期間も考慮しながら、種類を決めるといいでしょう。
  • ビジネスマナーやコンプライアンス、コミュニケーション、リーダーシップ、マネジメントなど多岐にわたります。それぞれ参加対象者や実施形式が異なるため、状況に合わせて選ぶといい。
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