リスキルラボ 社員のメタ認知を鍛える方法を紹介【俯瞰的に自分を見てもらうために】

セルフケア研修
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第三者に指摘されないと、自分の状況に気付かないケースも多々ある。しかし、そのような社員が多いとチームの結果は出ない。その状況を打破するには、メタ認知が高い社員を増やすのが効果的だ。自身のことを理解できる社員が増えて、仕事の成果を挙げやすくなるためだ。

メタ認知を高めるには正しい鍛え方を知る必要がある。そこで今回は、社員のメタ認知を鍛える方法やポイントについて解説する。

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メタ認知とは

メタ認知とは自分のことを客観的視点で理解できている状況を指しており、アメリカの心理学者「ジョン・H・フラベル」氏によって唱えられた。元々は教育で注目された言葉だが、近年ではビジネスの面でも注目されている。メタ認知を鍛えるトレーニングを組む企業も存在する。

メタ認知が高い方の特徴

メタ認知が高い方には、いくつかの特徴があるため紹介する。

自分の短所や長所が分かっている

自分の状況を客観的に分かっているため、短所や長所についても理解できている。自身の強みが分かっている分、仕事の効率化につながる。

冷静な判断ができる

自分のことが分かっている分、冷静な判断ができる。イレギュラーやアクシデントが起こっても、取り乱さずに業務を進めていく。物事の本質を見極める力もあるため、対処の方法もイメージできる。

周囲の方への配慮に長けている

他の人にどのような見られ方をしているかイメージできている。そのため、周囲の方への配慮に長けている。味方も増えて、社内での評判も良くなっていく。

メタ認知が低い方の特徴

メタ認知が低い方の特徴もあるため紹介する。

自分本位で行動してしまう

他の方にどう思われているか理解できないため、周囲のことを考えずに、自分本位で行動してしまう。その結果、他の社員を敵に回したり、自身のイメージを悪くする行動をとったりし、社内での評判を下げてしまう恐れがある。

自分の価値観が正しいと思い込んでしまう

自分の価値観が正しいと思い込む方も、メタ認知が低い傾向にある。狭い視野で物事を見るため起こってしまう。違う意見に対して否定的な考えを持ってしまい、議論をするのも難しくなる。

ミスを何度も繰り返す

自分がどのような状況かイメージできないためだ。このパターンの方は「どんなときにミスを起こすか」「ミスを失くすために何をすべきか」などが想像できない。その結果、ミスを何度も繰り返してしまう。

メタ認知を鍛えるメリット

ここではメタ認知を鍛えるメリットを紹介する。

人間関係が良好になる

自分の状況を把握できるため、人間関係を良くする行動がとれる。困ったときに相談できる相手が増えたり、連携力の強化につながったりするため、仕事を進めるのも楽になる。

変化に対応できる

メタ認知が高くなれば、臨機応変に自分の立ち振る舞いを変えられる。そのため、変化に対応できる人材になれる。時代の流れを意識した行動がとれて、時代の波に取り残されることもなくなる。

課題解決力が上がる

問題が起こったときの効果的な解決方法が閃きやすくなる。そのため、課題解決力のアップにつながっていく。課題解決力が上がれば仕事上のトラブルが起こっても、慌てずに対処できる。結果、会社に大きな損失を発生させずに済む。

様々な視点から物事を考えられる

様々な視点から物事を考えられるのもメリットだ。幅広い視野で物事を考える社員が増えれば、会社を良くするためのアイデアが多く出てくる。様々なアイデアを出したいと思っているチームも、社員にメタ認知を鍛えさせた方がいい。

社員がメタ認知を鍛える方法

社員にメタ認知を鍛えてもらうには、以下の方法を使うといい。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想とは、今を意識しながら行う瞑想のことだ。自分の現状に意識を向けることで心を落ち着かせたり、脳の働きを活発にしたりする。繰り返し行えば、自分の状況が分かってくるため、メタ認知を鍛えるのに役立つ。

方法を学ぶためには、セルフケア研修や、マインドフルネス研修などを受けてもらうことなどの手法がある。

しかし社員によっては、自分の嫌な面を見ることになり、不安を増大させてしまうリスクがある。自分の現状を受け入れられず、メンタル面で滅入ってしまう場合もあるため、無理強いさせてはならない。導入や研修実施にあたっては、事前の情報共有や準備などをしていくことが推奨だ。

セルフモニタリング

セルフモニタリングとは自分に起こった問題やトラブルなどを抽出し、その対処法を考えていくことだ。自分の現状を把握しながら第三者視線で考える工程があるため、メタ認知を鍛えるのに役立つ。ちなみにセルフモニタリングのときは、以下の手順に沿って行わせると良い。

問題やトラブルを書き出していく

現段階で、自分の身の回りで起こっている問題やトラブルを書き出していく。各順番などは一切気にせず、思い浮かんだものを次々と書いていくイメージだ。

解決すべき問題やトラブルを決める

問題やトラブルの中には、優先順位が高いものもあれば低いものもある。ここでは迅速に対処した方がいい問題やトラブルを見極めていく。

書き出した内容に対して、なぜ起こったのか原因を考える

次に絞った問題やトラブルをもとに、起こった原因を考える。仮に「打ち合わせの時間に1時間以上遅れた」という問題であれば「タイムスケジュールの立て方が甘かった」、「スケジュールの管理ができていなかった」というイメージだ。原因が分かるよう、短文で考えた方がいい。

原因をもとに解決方法を考えていく

考えた原因をもとに、問題やトラブルの解決方法を考える。「タイムスケジュールの立て方が甘かった」という原因であれば「各タスクに予備の時間を10分設ける」「優先度が高いタスクの前後30分間には予定を入れない」といった形で解決方法を考えるのが流れだ。

上司が社員にフィードバックをする

フィードバックを行えば、新たな気付きを得られる。よってメタ認知の向上につながっていく。ただしフィードバックの仕方が雑だと、メタ認知は鍛えられない。フィードバックでは、下記のことに気を付けるべきだ。

普段から信頼関係を築いておく

フィードバックで良いことを言っても、社員との関係性が悪いと聞く耳を持ってもらえない。そのため、普段から信頼関係を築いておくことが大事だ。

「相談されたら親身になって聞いてあげる」「仕事のミスをカバーしてあげる」といった形で、適切な対応をすることが信頼関係を築く第一歩だ。

誰もいないところで実施する

他の社員がいる場所でフィードバックを行うと、受ける側のプライドを傷つけてしまう恐れがある。社員の自己肯定感を低くし、仕事のモチベーションを下げる場合があるため、誰もいない場所で実施した方が良い。

実現可能なことを伝える

フィードバックで無理な要求をしても、改善されるのは難しい。よって実現できる内容を伝えるべきだ。上司にとっては簡単だと思っても、社員によっては難しいと感じるケースもある。したがって社員のスキルを見極めて、実現できる内容を指示するのが大事だと言える。

フィードバックの型を使い分ける

フィードバックの内容や社員の性格によって、効果的な型は違う。よって、フィードバックの型を使い分けることも忘れてはならない。たとえば、以下の型がある。

サンドイッチ型

ポジティブな意見を伝えた後に改善点を話す。そして最後に再び、ポジティブな意見を伝えるフィードバックのことだ。最初と最後をポジティブな意見で挟んでいるため、この名称が用いられた。

ベンドルトン型

気付きを伝えながらも、部下にどのような改善をさせるか考えさせる。社員に考えさせながらフィードバックをさせるのが特徴だ。

SBI型

現状・行動・結果の流れでフィードバックをするのが特徴だ。「〇〇のとき(現状)に行っていた××(行動)が、△△(結果)に見えたけど、どう思う」といった流れで伝える。決めつけずに話すのがポイントだ。

改善されない場合は伝え方を変える

フィードバックをしても改善されない場合もある。そのときは伝え方を変えると、理解してもらえるかもしれない。言葉を言い換えたり、違う視点で話を進めたりなど様々な方法がある。社員の理解度を把握しながら、改善するといい。

社員がメタ認知を鍛えるポイント

最後に社員がメタ認知を鍛えるときのポイントを紹介する。

社内でメタ認知を高める環境をつくる

1人でメタ認知を鍛えようと思っても、取り組めない方もいる。その状況を取り除きたければ、以下の方法を使ってメタ認知を鍛えられる環境を提供するといい。

メンバー達で意見交換をする

メンバー達で意見交換する機会を設けると、他の社員の発言によって新たな気付きを得られる。それがきっかけとなれば、メタ認知を高めてくれる。自身の潜在能力を開花させる流れになれば、戦力アップにもつながる。

メタ認知が高い社員と行動させる

一緒に行動させると、メタ認知が高い社員の行動パターンや考え方を理解できていく。それを自分の行動に落とし込めば、メタ認知を高めやすくなる。相性などを見て、ペアを組んでいくといい。

冷静になっているときに鍛えさせる

メタ認知は冷静になっているときに鍛えさせた方がいい。冷静にならないと自分のことが分からない。よってメタ認知を鍛えづらくなってしまう。

しかし、冷静になれない社員も存在する。その場合は、以下のことを意識させるといい。

事実に基づいて考えさせる

自身の思い込みが、冷静さを失わせる行動につながる場合がある。そのタイプの社員には、事実に基づいて考えさせる習慣を意識させるといい。感情的になる確率が減って、冷静さを身につけやすくなる。

人と比べない

人と比べてしまうと相手と比べて勝っている(劣っている)箇所に目がいってしまい、冷静さを失う原因になってしまう。それを回避する意味で、人と比べさせないのは効果的だ。社員には、自分自身の戦いだということを認識させるべきだ。

メタ認知を鍛えすぎない

メタ認知を鍛えるのに時間を割きすぎると、以下の状況が起こるかもしれない。

心身ともに疲れが溜まってしまう

メタ認知を鍛えすぎると、体の疲労が溜まりすぎてしまう原因になる。社員によっては自分への理解度が高まり、メンタル面が不安定になってしまう。したがって、体を酷使してまでメタ認知を鍛えるべきではない。

自意識過剰になる

自分のことを知りすぎた結果、周囲の目が気になって自意識過剰を引き起こす場合もある。その結果、大きなプレッシャーを感じたり、仕事ができる自分を演じようとしたりする状況に追い込まれるかもしれない。その結果、今までにはないミスを起こす恐れがある。その状況をつくらないためにも、自分を追い込むまでメタ認知を鍛えさせるべきではない。

まとめ

メタ認知を鍛えると人間関係が良好になったり、仕事の生産性が上がったりなど様々な効果が期待できる。会社にとってメリットが多いため、社員にメタ認知を鍛えさせる流れはつくった方がいい。社員にメタ認知を鍛えさせる方法は以下の通りだ。

  • マインドフルネス瞑想
  • セルフモニタリング
  • 上司が社員にフィードバックをする

上記内容を実践させると、メタ認知を鍛えやすくなる。しかし方法を実践しても、メタ認知が高くならなければ意味がない。以下のポイントを抑えながら方法を実践させることで、メタ認知を高めやすくなる。

  • 社内でメタ認知を高める環境をつくる
  • 冷静になっているときに鍛えさせる
  • メタ認知を鍛えすぎない

メタ認知を高める雰囲気をつくることは大事だ。しかしメタ認知を鍛えるタイミングや鍛える度合いを間違うと、社員が持っている本来の力を発揮できなくなる。そのため、上司やトレーナーがサポートしながらメタ認知を鍛えさせた方がいい。

正しい鍛え方ができれば、社員の戦力アップにつながる。実現させるためにも、メタ認知を鍛える環境を与えていただければと思う。

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 自分の現状を客観的に理解する力のことです。メタ認知が高い方は、自分の長所や短所を把握したり、冷静な対応ができたりします。
  • マインドフルネス瞑想やセルフモニタリング、上司からのフィードバックなどがあります。自身について新たな気付きを得られる機会を与える行為が、メタ認知を鍛えさせるのにつながります。
  • メタ認知を高めるための雰囲気づくりが大事です。しかしメタ認知を高めすぎると、心身ともにダメージを負ってしまう恐れがあるため、無理強いさせてはいけません。
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