リスキルラボ 【5分でわかる】STAR法とは? 使い方+PREP法との違いを解説

プレゼンテーション研修
更新日:

コミュニケーションスキルは、面接やプレゼンテーションの場面で特に重要となる。

面接官や聞き手が求めているのは、簡潔で構造的な情報伝達だ。そのため、効果的な情報の伝達法として「STAR法」が多くの人々に活用されている。特に面接の場面での自己PRや経験の説明において、STAR法は欠かせないツールと言えるだろう。

この記事では、STAR法の基本や活用例、さらには他の手法との違いについても触れていく。

コースマップ付き 研修カタログ無料配布中 - 社員研修のリスキル

STAR法に関する記事でわかること

STAR法とは?例文も4つ紹介

STAR法の概要

STAR法は、具体的な経験や事例を明確かつ効果的に伝えるためのフレームワークだ。以下に各要素の概要とそのポイントを紹介する。

詳細

S(Situation): 対象となる状況の説明

概要

どのような背景やコンテキストでの出来事なのかを示す。

ポイント

特定の状況を明確に描写することで、聞き手の理解を深める。

T(Task): 当時の自分の役割や課題

概要

その状況で自分が担っていた役割や直面していた課題を明示する。

ポイント

自分の責任や目的を明確にし、聞き手に課題の大きさや重要性を感じさせる。

A(Action): その課題に対してどのような行動を取ったのか

概要

課題に対する具体的なアプローチや手段を紹介する。

ポイント

主体的な行動や意思決定の過程を強調し、解決への取り組みを伝える。

R(Result): 行動の結果、どのような変化や成果が得られたのか

概要

行動後の具体的な成果や結果を示す。

ポイント

行動の後にどのような良い変化や達成があったのかを、具体的な数字や事実で伝える。

例文

Situation:新しい商品の売上が伸び悩んでいました。
Task:その主な原因として、消費者の認知度の低さが挙げられました。
Action:ソーシャルメディアのキャンペーンを実施し、人気インフルエンサーとのコラボを計画しました。
Result:キャンペーンの結果、商品の認知度が向上し、売上が20%増加しました。

Situation:学生時代、サッカー部のキャプテンをしていました。
Task:チーム内の連携が不足していると感じていました。
Action:定期的な合宿を企画し、チームビルディングの活動を取り入れました。
Result:その取り組みの結果、チームの連携が大きく向上し、地区大会で優勝することができました。

Situation:開発途中のソフトウェアで大きなバグが見つかりました。
Task:リリースまでの期間が短い中での修正が必要でした。
Action:チームを再編成し、専門のデバッグチームを結成して、集中的に修正に取り組みました。
Result:予定通りの日程で、問題のないソフトウェアをリリースすることができました。

Situation:セミナーの企画を担当することになりました。
Task:参加者数の増加を目指していました。
Action:有名な講師を招待し、宣伝戦略を見直しました。
Result:その結果、前回のセミナーに比べて、参加者が50%増加しました。

以上の例文からもわかるように、STAR法は具体的な経験や事例を伝える際の有力なフレームワークだ。

  • 状況や課題、行動、結果を明確に伝えることで、聞き手に情報をわかりやすく、具体的に伝えることができます。

  • これを活用することで、効果的なコミュニケーションが期待できます。

STAR法を使って改善!ビフォーアフターで見る例文

この章では、シチュエーション別に敢えて分かりづらい例文を用意し、STAR法を用いて改善をしてみる。

シチュエーション①営業部の成績を回復させた

BEFORE

「昨年度、営業部の成績が良くなかったですが、色んな人と色々な方法を提案したり見直したりした結果、今年度は少し良くなりました。」

  • どのような改善施策を行ったのかが重要ですが、「色んな」「色々な」という言葉で片付けてしまいもったいないですね。

AFTER

【S】昨年度、営業部の月平均売上は前年度比で10%減少していました。
【T】売上の低下要因を特定し、対策を考える必要がありました。
【A】営業メンバーとのミーティングを何度も行い、顧客ニーズに合わせた新しい提案方法を導入し、顧客のフォローアップ方法も見直しました。
【R】これらの取り組みのおかげで、半年後には売上が前年度比で15%アップし、営業部の成績は大幅に回復しました。

  • とても具体的になり、説得力のある内容になりました。

シチュエーション②離職率を下げた

BEFORE

「社員の離職率が高かったので、色々な方法を試して、何とか下げるよう、とても努力をしました。努力の結果、離職率は低下しました。」

AFTER

【S】昨年度の終わりに、当社の離職率は業界平均を10%上回っていました。
【T】離職率を下げるための原因分析と解決策の策定が必要でした。
【A】アンケートを実施して社員の不満点を明らかにし、福利厚生の見直しやキャリアサポートの強化を行いました。
【R】これらの取り組みにより、半年後の離職率は業界平均を5%下回る結果となりました。

  • 離職率を業界平均と比較することで、高かったことがわかりやすくなり、具体的な施策内容も分かります。

シチュエーション③売上はキープしたままチームの残業を減らした

BEFORE

「マネージャーとして、社員の残業が多かったので、何とかして減らしました。しかも、売上に影響はありませんでした。」

AFTER

【S】マネージャー就任時、チームの平均残業時間は月40時間で、売上は安定していました。
【T】売上をキープしたまま、社員の残業時間を減少させる必要がありました。
【A】タスクの優先順位を再評価し、非効率な業務を削減または自動化しました。定期的にミーティングを行い、作業の進行状況や障壁を共有し、問題解決に取り組みました。
【R】これらの取り組みの結果、3ヶ月後のチームの平均残業時間は月20時間へと半減しましたが、売上はキープされました。

  • BEFOREの文ですでに「売上をキープしたまま残業を減らした」ということは分かりましたが、AFTERの文ではどれくらい減らしたのか・どのような取り組みをしたのかが分かります。

STAR法のメリット

メリット1. 具体性が強まる

STAR法を用いると、あいまいな記述や抽象的な説明から脱却し、具体的な事例や数字に基づく説明が可能だ。具体性が高まることで、説得力や信頼性が増す。

メリット2. 無駄な情報の排除

各要素(S, T, A, R)に分けることで、情報の整理や無駄な情報の排除が行える。ポイントを絞った伝え方ができ、相手に必要な情報だけを効果的に伝えられる。

メリット3. 論理的な流れが生まれる

状況、課題、行動、結果という順番で情報を伝えることで、自然なストーリーの流れが作れる。相手はその論理的な流れに沿って情報を頭に入れやすくなる。

メリット4. 自己評価や反省の材料として

STAR法を用いると、自らの経験や行動を明確に整理できる。これにより、何がうまくいったのか、どこに問題があったのかを明確にし、将来の自己改善のための材料として活用できる。

STAR法とPREP法の違いと使い分け

「PREP法」の概要

PREP法は、ポイント(Point)、理由(Reason)、例(Example)、ポイントの再確認(Point)の4つの要素から成る話法だ。意見や主張を明確に伝える際に使用されるフレームワークである。

参考:PREP法とは?ビフォーアフターで見る例文も紹介!「何言ってるの?」からの脱却

違い

目的の違い

STAR法

主に過去の経験や実績を構造的に伝える際に利用される。具体的な事例をベースに、どのような状況でどのような課題に直面し、どのような行動をとり、その結果何が得られたのかを明示的に示す。

PREP法

ある主題や意見についての立場や考えを明確に伝えるためのフレームワークだ。ポイントを先に述べ、その後の理由や例で補足し、最後にポイントを再確認する。

内容の特徴

STAR法

実績や事実ベースの内容が中心。特定の出来事やプロジェクトに焦点を当て、具体的なアクションと結果を強調する。

PREP法

意見や感想、提案が中心。理論や信念を述べ、それをサポートするための実例やエビデンスを用いる。

使い分け

具体的な事例や実績の紹介

あるプロジェクトやタスクの成功例、問題解決の経緯などを伝える際にはSTAR法が適している。特に面接や評価の場面での実績の紹介に有効だ。

意見や提案の伝達

あるテーマや議題に対する自身の考えや見解、提案を伝える際にはPREP法が適切だ。会議やディスカッションでの意見発表、説得のシチュエーションなどで有効に使用できる。

  • 両方の方法にはそれぞれの強みがあります。STAR法は経験や事例を具体的に伝える際の強力なツールです。一方、PREP法は自らの意見や考えを効果的に伝えるのに最適です。

  • 適切な場面でそれぞれの方法を使い分けることで、コミュニケーションの質を向上させることができます。

まとめ

STAR法は、具体的な事例や経験を伝える際の強力なツールとして認識されている。この手法は、事例の背景から取った行動、そしてその結果までを明確に整理し、相手に伝えることができる。特に、実績や経験の紹介が求められる場面、例えば面接や自己PRの際に、STAR法の適切な使用は極めて有効である。

なお、より自身で学びたい、もしくは部下や社員にプレゼン力を高めてほしいという場合、プレゼンテーション研修を実施することも良いだろう。

様々な場面で活用できるSTAR法をぜひ身に付けてほしい。

この記事の監修者
リスキル事務局
社員研修リスキルは一人でも多くの人に人材育成を届けるために、利便性の高い研修サービスを提供しています。検索をすれば、一社で実施する研修、日程が決まっている参加型公開講座eラーニング動画講座などをすぐに見つけ、簡単に申し込みや見積書を作成することができます。「もっと研修を。」がリスキルのミッションです。

リスキルのプレゼンテーション研修はこちら

Q&A
  • STAR法は、具体的な経験や事例を伝えるためのフレームワークです。それぞれ「S(Situation:状況)」「T(Task:課題)」「A(Action:行動)」「R(Result:結果)」の頭文字をとったものです。状況や課題を明確にし、どのような行動をとったのか、その結果どうなったのかを伝えるのに役立ちます。
  • 面接やプレゼンテーション、自己紹介の際など、自分の経験や実績を相手に伝える必要がある場面で特に効果的です。具体的な事例をもとに、自分の能力や取り組みをわかりやすく伝えるのに適しています。
  • STAR法は具体的な事例や経験を伝える際に使用するフレームワークで、PREP法は意見や主張を効果的に伝える手法です。PREP法は「Point(ポイント)」「Reason(理由)」「Example(例)」「Point(再度ポイントの確認)」の頭文字をとっています。
  • まず、伝えたい事例を明確にすることが大切です。次に、それぞれの要素(状況、課題、行動、結果)を具体的に、かつ簡潔にまとめることを心がけましょう。具体的な数字やデータを結果に盛り込むと、より説得力を増すことができます。
コースマップ付き 研修カタログ無料配布中 - 社員研修のリスキル

TOPへ

研修のお問い合わせはこちら

リスキルの社員研修に関する
お見積り、お問い合わせはこちらから

お電話はこちら

0120-299-194

0120-299-194

電話受付:月〜金 9:00-19:00(土日祝も研修実施)

リスキル 研修カタログはこちら

270種類の研修一覧や価格・
コースマップを確認できます

カタログダウンロード すぐにダウンロード