リスキルラボ 業務プロセス改善の流れを解説【生産性アップを目指す】

業務改善研修
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企業や組織として成長するため、もしくは事業を存続させるためにも、業務プロセス改善、働き方改革、DXの推進など、さまざまな視点から組織を良くする取り組みに向き合う必要がある。しかし、業務プロセス改善と言いながらも、実質的に何の効果もなく、結果が伴わない「名ばかり働き方改革」になってしまうようでは意味が無い。

そこで本記事では、業務プロセス改善の流れやポイントを解説する。

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業務プロセス改善とは

業務プロセス改善とは、会社の目標を達成するために業務のプロセスを良くすることだ。業務プロセスにおいて、問題を抱えている企業も少なくない。問題点を解消することで、業務を進めやすい状況へ持っていく。

業務プロセス改善の目的

ここでは業務プロセス改善を行う目的を紹介する。

効率の向上

業務プロセス改善では、非効率的な作業が排除されていく。したがって、作業効率の向上が可能だ。作業効率が上がれば少ない人員で作業を回したり、短時間で多くの業務をこなしたりできる。

ミスの削減

プロセスが原因で、ミスが多発している場合もある。そのときに業務プロセスを改善できればミスは減っていく。ミスが減れば、ロスや余計な作業が発生する頻度も少ない。よって、無駄な費用を抑えるのに役立つ。

コスト削減

業務にかかる時間を短縮できたり、ミスが減ったりすることで、コスト削減にも繋がる。その他にも、例えば余分な在庫の抱え込みが減って管理コストが減るなど、様々な分野で削減が見込める。

※参考:工場のコスト削減アイデア10選!やってはいけない取り組みも徹底解説現場改善コンサルティング

成果の向上

業務プロセス改善は、成果を向上させる目的もある。「作業内容を減らして、時間当たりの成果が倍になった」「業務内容を変えて成果が挙がった」というように、今までよりも良い成果を得ることができ、会社の業績アップへつながる。

業務プロセス改善の流れ

業務プロセス改善のための行動をとっても、正しい流れを抑えなければ効果は挙がらない。ここでは4つのステップをもとに、業務プロセス改善の流れを説明していく。

①業務改善のターゲット設定

改善したい業務をターゲット設定する所から始まる。ターゲット設定を間違えると、業務プロセス改善の効果は出なくなってしまう。ターゲット設定では、以下のことを意識すると良い。

範囲を明確にする

ターゲット設定のときは、設定する業務の範囲を明確にした方が良い。なぜなら、不要な業務をターゲット設定してしまう恐れがあるからだ。

不要な業務を設定すると、業務プロセス改善の質が落ちる。決められた時間で大きな効果を挙げるためにも、範囲は明確にすべきだ。

業務上の問題点を洗い出す

業務上で起きている問題を洗い出す作業も必要だ。ちなみに問題点を洗い出すときは、問題の大きさに捉われずに書き出した方が良い。自分の中では大した問題ではないと思っても、社内からすると大きな問題かもしれない。

また、小さな問題であっても早急に解決しなければいけないケースもある。「今は大丈夫でも後々、業務に支障をきたすもの」や「内容的には解決しなければいけないもの」など、内容によっては迅速な対応をとらなければならない。したがって問題の大きさに捉われることなく、次々と思い付いたものを書き出すことが大事だ。

しかし、問題点が見つからない場合もあるだろう。そのときは「ムリ・ムラ・ムダがないか」「辞めたいと思っている作業がないか」という視点を持って洗い出すと良い。視点を変えることで、問題点を見つけやすくなる。

なお、企業にもよるが、例えば工場の現場作業者は常日頃から早く良い物を作ろうと心がけている人が多く、「すでにやっている」気になっている事も多い。

社員ひとりひとりが努力家であるのは良いことだが、それ故に改善がされないケースもあるため、提案を集めるための工夫も必要だ。
※参考:工場の現場から改善提案を出させる3つのポイント

優先順位の設定

ターゲット設定した業務の種類が多い場合は、優先順位の設定をしていく。全てのタスクを一気に片付けようとすると、業務プロセス改善はスムーズに進まない。その状態をつくらないためにも、優先順位の設定は行うべきだ。

②現在の業務の把握

業務プロセス改善を行っても、業務に支障をきたすものであってはいけない。その状態をつくらないためにも、チーム内の業務を把握するのは必須だ。業務を把握するときは、以下のことを行うと良い。

図や表を作成する

業務の内容を図や表で作成すると、現在の業務を正確に把握できる。たとえば、このようなものがある。

階層図

階層図とは、階層ごとに内容を記載してある図のことだ。どのような作業を経て、業務が行われているか分かるため、業務の全体像を把握しやすい。

一覧表

一覧表とは、業務内容を一覧にした表のことだ。項目ごとに作業内容を書き出せば、一覧表を見ただけで、どのような作業が行われているか分かる。項目ごとに内容を記載すると見やすい。

業務の現状を分析する

業務の現状を分析すると、業務の状態が分かってくる。たとえば、このような分析方法がある。

ABC分析

ABC分析とは重要度が高い事象を抜き出して、分析していく方法のことだ。やり方は以下の通りだ。

1.ABC分析のテーマを決める
2.重要度を決めるときの指標を設定する
3.指標をもとにしてランク分けをしていく。重要度の高いものを「A」、その次に高いものを「B」、最も低いものを「C」とする。

業務の重要度が分かれば、それを参考にして業務のバランスを変えられる。したがって、業務プロセスの改善に役立つ。

業務フロー分析

業務フローをもとに分析する方法もある。待機時間が長いプロセスや、なくなっても全く影響のないプロセスなど、無駄を発見することで業務プロセス改善に役立てる。

業務量調査

業務量を調査して、現状を把握する方法もある。チームで発生している業務量の割合を知ることで、メンバー達の働き方がイメージしやすくなる。全メンバーと面談をすれば、チームの業務量が分かってくるだろう。

③業務改善のプランニング

どのようにすれば業務改善ができるか、プランニングをする。プランニングで重要となるのが、アイデアを出せるかだ。アイデア出しのときは、以下のことを行うと良い。

フレームワークを活用する

フレームワークを活用すれば、効率的にアイデア出しができる。たとえば、以下の方法がある。

NM法

NM法とは、何かを比較し合いながら発想していくことだ。開発者である「中山正和」氏のイニシャルをとって名付けられた。

SCAMPER法

SCAMPER法とは、7種類の質問を設定し答えていくことでアイデアを生み出していく方法のことだ。「オズ・ボーンのチェックリスト」をアレンジしてつくられた。

マンダラート法

マンダラート法とは、9マスの正方形(縦3マス×横3マス)をつくり、それをもとにアイデアを考えていく方法のことだ。真ん中のマスにゴールを書き、残りのマスにはゴール達成のために必要なことを書く。それによって、アイデアを生み出す。

出たアイデアに対して評価をつけていく

出てきたアイデアをそれぞれ評価していく。その中から評価が高かったアイデアを採用する流れになる。評価のときは、以下のことを意識すると良い。

業務プロセス改善に見合った前提条件を設定する

前提条件を設定する理由は、不公平感を出さないためだ。前提条件がないと、各個人の感性によって評価がつく。その結果、説得性に欠ける評価となってしまう。その事態をつくらないためにも、前提条件の設定は大事だ。

評価をつけるときは、スコア化する

スコア化して評価をつけることも大事だ。たとえば「10点満点で評価する」と決めておけば「評価されたアイデア=スコアが高い」と把握できる。誰が見ても結果が分かるようにする意味でもスコア化すべきだ。

④業務改善プランの運用

採用するアイデアが決まったら、それをもとに業務改善プランの運用をする。運用時は、以下のことを行うと良い。

実施計画書の作成

実施計画書とは、実施に至るまでのプロセスを記載した書類のことだ。以下のことに気を付けて作成すると良い。

具体的に書く

実施計画書は具体的に書くことが大事だ。抽象的な表現を使うと、進め方がイメージできずに業務改善がストップしてしまう恐れがあるからだ。数字を用いたり、誰もが理解できる言葉を使ったりするといいだろう。

運用できる計画にする

実施計画書を立てても、運用できないものでは意味がない。初めから無理なことをさせるのは時間の無駄だ。よって、社内で運用できる計画を立てるべきだ。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルとは「計画→実行→確認→改善」の順で回していくサイクルのことだ。業務改善プランを運用するときは、この順番で回すと運用しやすくなる。なお、PDCAサイクルを回すときは、以下のことに気を付けると良い。

順番通りに行う

1つでも順番を飛ばしたり、順番を入れ替えたりすると質が落ちてしまう。よって、順番通りに回すことが大事だ。

素早く回転させる

PDCAサイクルを素早く回せば、回数を多く回せる。その結果、短い間隔でのトライ&エラーが可能になる。サイクルの感覚が短くなれば、改善のスピードも上がる。早く結果を出すためにも、PDCAサイクルは高速回転した方が良い。

定期的に進捗状況を確認する

いくらPDCAサイクルを回し続けても、効果が出なければ意味がない。PDCAサイクルを回し続けて効果が出ていないことに早く気付くためにも、定期的に進捗状況は確認した方が良い。

「PDCAサイクルの中で手間取っている箇所がないか」「目標にしている結果が出ているか」といった観点で確認すると良いだろう。

業務プロセス改善のポイント

最後に業務プロセス改善のポイントを紹介する。

柔軟に考える

自分の思い込みにとらわれると、業務改善の良い案は生まれてこない。よって、柔軟に考えることが大事だ。柔軟に考えるには、以下のことを意識すると良い。

縛りをつくらない

意見を出すときに縛りを設けると、枠に捉われた中でしか意見を出せなくなる。それを失くすためにも、自分で勝手にルールを設定せず縛りをつくらないことが大事だと言える。

場数を踏ませる

場数を踏ませると色々なシチュエーションを経験できたり、知識の幅が広がったりする。様々な視点からアイデアが思い付きやすくなり、柔軟に考える習慣が身につく。

実施しやすい施策から行う

施策を一気に進めたり難易度の高い施策から取り組んだりすると、キャパオーバーになり、業務プロセス改善が止まってしまう恐れがある。それを防ぐには優先順位が同じであっても、実施しやすい施策から取り組んだ方が良い。

実施しやすい施策から取り組めば、ハードルが低いものから順番に作業できる。何度も行っている内に業務プロセス改善に慣れてきて、当初、難易度が高いと思っていたタスクも、抵抗を感じずに、こなせる可能性がある。業務プロセス改善を効率よく進めるためにも、意識すべきだ。

業務改善に終わりはないためプロセスを回し続ける

業務改善は一度やったからと言って、終わりではない。仮にプロセスが完了しても、新たな問題点が出てくる。業務プロセス改善の質を上げるには問題が発生するたびに、その都度対処することが大事だ。よって、何度もプロセスを回し続けた方が良い。

まとめ

業務プロセス改善を行えば、自社で設定している目標や目的を達成するために、なくてはならない作業だと言える。ミスの減少、効率や成果を向上させる効果が期待できるため行うべきだ。

しかし業務プロセス改善の方法を間違えると、効果は出ない。したがって正しい流れを理解しておくことが大事になる。

  • ①業務改善のターゲット設定
  • ②現在の業務の把握
  • ③業務改善のプランニング
  • ④業務改善プランの運用

これらの流れを着実にこなせば、業務プロセス改善の効果は挙げやすい。その他に、業務プロセス改善のポイントもあるため紹介する。

  • 柔軟に考える
  • 実施しやすい施策から行う
  • 業務改善に終わりはないためプロセスを回し続ける

上記のことを意識すれば、業務プロセス改善がより効果的に進んでいくだろう。

なお、業務改善研修を受けることもおすすめだ。上記のスキルをまとめて学ぶことができる。忙しいため時間が取れないという社員が多い場合、実施することでその問題が解消できる。

業務プロセス改善は社員の負担が減ったり、会社の業績が良くなったりする効果も期待できるため、積極的に行うべきだ。組織として良い状態を保ち続ける意味でも、力を入れ続けてもらいたいと思う。

業務改善を行う上で知っておくべき考え方や方法について紹介したが、お役立ちツールを導入することも業務改善には有効だろう。こちらの記事ではおすすめのツールが9個まとめられているので、合わせて読んでみてほしい。→業務改善に役立つツール9選と目的に沿った選び方ポイント施工管理 システムのアイピア

この記事の監修者
リスキル事務局
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Q&A
  • 業務効率や成果を向上させたり、ミスを減らしたりするのが目的です。会社が設定している目標を達成するために行っていきます。
  • 業務改善の対象となる業務を決めて、その業務における現状を把握していきます。その後、業務改善のプランニングを行って、運用していくのが流れです。
  • 柔軟に物事を考えたり、実施しやすいタスクから行ったりすることが大切です。また、業務プロセスの改善には終わりがないため、何度もサイクルを回すのも重要と言えます。
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