リモートワークを積極的に導入している企業もある。そのような企業では、会社に従業員たちが集まらないため、ミーティング時は「Web会議」を実施することが多い。
しかしWeb会議を行っても、スムーズに運用できないと無駄に時間が経ってしまう。Web会議をスムーズに行うには、参加者たちのマナーとファシリテーターの進め方が重要だ。
本記事ではWeb会議の概要を解説しながら、必要なマナーとファシリテーターが押さえるべき内容を紹介していく。
Web会議とは、オンライン上で行う会議のことだ。一昔前は、社内で会議を行うのが主流だったが現在では、ITの発展や多様的な働き方、新型コロナウイルスの流行等に伴い、Web上での会議を導入する企業も増えてきた。
Web会議を円滑に行うには、最低限のマナーを抑えておく必要がある。次の章からは、Web会議におけるマナーを紹介していく。
Web会議におけるマナーの中で、話し方・聞き方の注意点として以下のことが挙げられる。
発言時のタイミングに気を付ける理由は、会社での会議と比べて他の人の様子が分かりづらいからだ。
Web会議では、通信環境によるタイムラグが生じる。参加人数が多いと、誰が発言しているか把握しづらい。参加者間で会話をスムーズに進められる状況をつくるためにも、重要だといえるだろう。
ゆっくり大きな声で話す理由は、相手に聞こえづらい場合があるからだ。人によっては、スピーカーが上手く声を拾わないケースがある。その状態で会議を進めると、何度も聞き直されるかもしれない。結果、本題に割く時間が減ってしまう。
無駄な時間を割かないためにも、ゆっくり大きな声で話し、聞き直されることが起こらない状況をつくるべきだ。
大きく相槌をする理由は、自分の反応を相手に分かってもらうためだ。相槌を打ったとしても動きが小さいと相手に伝わらない場合がある。オンライン上での会話だと、動作がハッキリしないケースがあるからだ。
相槌を打っていることが伝わらないと、意思の確認をするのに時間がかかる。参加者間の意思疎通をスムーズに行うためにも、相槌を打つときは大きく動かした方がいい。
発言していないときは、パソコンをミュートにすることも重要だといえる。雑音が入ると発言者が喋りづらくなったり、聞こえづらくなったりする恐れがあるからだ。
発言しているときに他の人から雑音が漏れると、気が散って話すことに集中できなくなるかもしれない。相手が話しやすい雰囲気をつくるためにも、話を聞くときは自分のパソコンをミュートにするべきだ。
Webカメラを見ながら相手の話を聞く理由は、聞いていることをアピールするためだ。カメラと別方向を向いていると話を聞いていないように見えてしまい、発言者の気分を害する恐れがある。
Web会議の雰囲気を壊さないためにも、Webカメラを見ながら相手の話を聞くべきだ。
Web会議ではカメラをONにして、自分の映像を映すことが多い。しかし自分の映像を映すときも、マナーとして気を付けることがある。ここからは、何に気を付けるべきか紹介していく。
自分の映像を流すときは、背景に余計なものが映らないようにしよう。背景に余計なものが映ると気が散ってしまい、話が進まなくなる恐れがあるからだ。
仮に物が散乱している部屋を映した状態で話すと、参加者によっては映っている物が気になり話せなくなる。参加者全員が集中できる状態をつくるためにも、余計なものは映さない方がいい。
しかし、どうしても映像に余計なものが映るケースもある。そのときは、以下のことを実践させるといいだろう。
別の場所で参加すると、余計なものが映らなくなる可能性が高くなる。別の部屋に移動したり、貸会議室を使ったりなど、自分に合う方法を見つけるといいだろう。
背景画像を挿入すると、背面に物がたくさん映る場所にいても、それを消すことが可能だ。したがって、余計なものが映らない状況をつくれる。ただし画像によっては、自分の表情が見えづらくなるため、素材選びには気を付けた方がいい。
画面の明るさを調整する理由は、画面が見やすいようにするためだ。仮に画面が暗すぎると、自分の表情が相手に見えづらい場合がある。自分の表情が相手に伝わりづらくなり、意思疎通が上手くいかなくなる原因になってしまう。
しかし画面が明るすぎても、自分の表情は見えづらい。相手に自分の表情を分かってもらう意味でも、明るさを調整するのは大事だ。
顔の表情がハッキリ映るようにする理由は、どのような表情をしているか分かってもらうためだ。
たとえば顔の下ばかり映っている状況だと、目が見えないため表情が伝わりづらい。しかし上ばかり映っていても口が見えづらい分、表情が伝わりづらい。そのため、顔全体が分かるようにカメラをセッティングすることが大事だ。
Web会議を行うにあたって、取り仕切るケースもあるだろう。最後にファシリテートするときの注意点を解説する。
事前にアジェンダを作成しておく理由は、どのような流れでWeb会議を進めるか把握しやすい状況をつくるためだ。手元にアジェンダがあれば、会議の内容を確認しながら会議を進められるため、ファシリテートしやすくなる。
しかも参加者にアジェンダを事前に共有しておけば、会議の流れ・テーマを把握できるため、会議当日に何を話せばいいかイメージしやすい。そのため、会議の運用が楽になるだろう。ちなみにアジェンダの作成時は、以下のポイントを抑えると良い。
会議のゴールを明確にしてからつくる理由は、無駄なものを盛り込まないためだ。ゴールから逆算すれば、会議のスタートからゴールまでの流れが明確になり、無駄なものを盛り込まずに済む。
各テーマの時間配分を考えながらアジェンダをつくることも大事だ。時間配分を意識せずにアジェンダをつくると、Web会議が予定通り進まなくなってしまう恐れがある。その状況を避けるためにも、時間配分は意識すべきだ。
面識のない方がいる場合は、事前に自己紹介しておくといいだろう。その理由は、誰が発言したか明確にするためだ。
発言者の名前が分からないと、意見について述べたいときに誰へ伝えるべきか分からない。参加者同士で会話のキャッチボールができる状況をつくるためにも、前もって自己紹介することは大事だ。
タイムマネジメントを意識しながら進めるのも大切だといえる。理由はWeb会議を予定通り進める状況をつくるためだ。
タイムマネジメントを意識しないと、会議が長引いてしまい当初設定していたゴールを達成できなくなってしまう。それを防ぐためにも大事だ。なおWeb会議でタイムマネジメントを意識するときは、以下のポイントを抑えるといい。
予定通り会議を進めるには、スタートと終わりの時間を守ることが大事だ。どちらかを破ると、会議はスムーズにいかなくなってしまう。
たとえばスタートの時間が遅れると、会議の終了時間が、その分後ろにずれてしまう恐れがある。一方、ゴールを守らないと会議以降の予定が後ろにずれるかもしれない。他の予定に支障をきたさないためにも、スタートと終わりの時間は守るべきだ。
タイマーを設定した状態で会議を進める理由は、アジェンダの通りに会議を進行させるためだ。たとえば各セッションの終了時間にタイマーを設定しておくと、スケジュール通りに各セッションを終えやすくなる。結果、タイムマネジメントに役立つ。
会議によっては議論が盛り上がり、収拾がつかなくなるケースもある。そのときは、ファシリテーターが仕切って、結論を出す流れに持っていくといい。
参加者同士で話し合って決めるケースもあれば、多数決で決めるケースもある。決め方は、その都度変えるといいだろう。
参加者に問いかける理由は、意見が出やすい状況をつくるためだ。参加者全員に「何かあれば意見を言ってください」と伝えても、誰一人発言しない場合がある。
発言しやすい状況をつくるには、ファシリテーターが「〇〇さんはどう思いますか?」と、各参加者に問いかけることが重要だ。
ファシリテーターに指名されないと発言できない参加者もいるため役立つだろう。なおファシリテーターが参加者へ問いかけるときは、以下のことを意識すると良い。
強引に意見を言わせようとすると、委縮してしまい発言できなくなるケースがある。そのため意見がないと言われたら、引き下がることも忘れてはならない。
ちなみにファシリテーターが引き下がるときは「何か意見が思い浮かべば発言してください」と一言伝えると、アイデアが思いついたときに発言しやすくなるだろう。
議題について理解しておかなければ、会議の進め方を誤ってしまうかもしれない。そのため、ファシリテーターは私用の資料を準備しておくことも大事だ。
手元に会議に関係するテーマの資料や、参加者について書かれている名簿などを用意しておくと、その内容を見ながら会議を進められる。そのため、Web会議の運用が楽になるはずだ。
Web会議を円滑に進めるには、参加者たちが必要とされるマナーを習得しておく必要がある。マナーがないと場の雰囲気が壊れてしまい、スムーズに進まなくなる原因になってしまう。
なかでも「話し方と聞き方」と「Webカメラの映し方」のマナーについては意識を高めた方がいい。マナーとして、以下のポイントは抑えておくといいだろう。
上記のことに気を付けさせると、Web会議がスムーズにいくはずだ。また、読者の中にはファシリテートをする人もいるだろう。その場合は、以下のことを抑えておくといい。
ファシリテーターとしての役割を務めるには、最低限この5つは意識した方がいいだろう。また、スキルを磨くためにファシリテーション研修などを受けることもおすすめだ。
その他にも、Web会議ツールを活用しながらWeb上での接客を行う場合、接遇マナー研修やオンライン接客研修などを受講することもよいだろう。
Web上でのコミュニケーションをより円滑にするためのスキルを、ぜひより強化してもらいたい。