仕事をしている中で、逆境に遭遇するケースも珍しくない。逆境に陥らなければ楽だが、その状態に持っていくのは不可能だ。そのため、逆境の乗り越え方は身につけた方がいい。逆境を乗り越えられる人がいる一方で、乗り越えられない人もいる。その違いは、乗り越える方法を知っているかだ。
本記事では、逆境を乗り越えられる方と乗り越えられない方の違いを解説しつつ、乗り越えるポイントを紹介していく。
逆境とは、何度行動しても思うようにいかないことだ。たとえば「繰り返しトライしても成果が出ない」、「方法を変えても成功しない」事象は、逆境に陥っている状態だと言える。
逆境を乗り越える人には、いくつかの特徴が見られる。ここでは代表的なものを紹介する。
ピンチをチャンスだと捉える人は、逆境に陥っても諦めずに行動していく。苦痛を感じても、耐えれば自分の成長につながると信じている。それが原動力となるため、逆境を乗り越えやすい。
楽観的で、根拠のない自信を持っているのも特徴だ。他の方が諦めることでも「自分ならできる」という思いを持って行動する。逆境に陥っても投げ出さない体制ができるため、乗り越えるのが楽になる。
失敗した理由を分析できるのも特徴だ。状況・原因を把握し、次に活かすための方法を考えていく。何度失敗しても、その都度分析を繰り返す。結果、様々な案が生まれるため、逆境を乗り越えるのが楽になる。
挑戦し続ける行動力があるのも特徴だ。何度失敗しても諦めない。他の人と比べて場数が多いため、逆境を乗り越えられる。
時間の経過が解決することを分かっているのも特徴だ。失敗しても、いつかは過ぎ去ることを信じている。そのため、少々のことでは動じない。やり過ごす体制があるため、逆境に陥っても乗り越えられる。
逆に、逆境を乗り越えられない人もいるので特徴を紹介していく。
失敗を引きずる人は、過去のことをいつまでも気にする。何度も同じ失敗を繰り返して、悪循環に陥る。一生成功できないと思い込み、逆境を乗り越えるのが厳しくなる。
新しいことにトライできない人は、今までと違うアクションを起こせない。同じ結果しか出ず、守りに入っていく。攻めの姿勢をつくれないため、逆境を乗り越えられなくなる。
目の前のことばかりに捉われる人は、視野が狭くなる。周囲が見えなくなり、目先のことばかりに集中する。自分の欲にまみれ、目の前にチャンスがあっても見逃す。そのため、逆境を乗り越えるのが難しくなる。
逆境を乗り越えるには、どのような意識・行動が効果的か知る必要がある。ここからは、逆境の乗り越え方を紹介していく。
逆境を成長のチャンスだと捉えれば、攻めの姿勢ができて次々とアクションを起こす。たとえ逆風に襲われても、耐えられる体制ができる。そのため、逆境を乗り越えるのが楽になる。
自分に自信をつければ、逆境に襲われても悲観的にならない。そのため、自然と逆境を乗り越えられる体質が出来上がる。自信をつけるときは、以下のことを行うと良い。
場数を踏めば、その分小さな成功体験が増える。「失敗は成功の元」という考えが根付いていく。
さらに場数を多く踏めば、ボーっとする時間が減る。目の前のことに集中する時間が増えて、余計なことを考えずに済む。その結果、不安に襲われなくなって自信をつけやすくなる。
納得できるまで行動し続ければ、自分の中に「ベストを尽くした」という気持ちが生まれる。それが自分に自信をつけるきっかけとなる。
中途半端な状態で辞めると、自身を「簡単に諦めてしまう人間」だと思い込み、ネガティブな感情を生み出す。自信をつけるのが難しくなるため、納得できるまで行動し続けた方が良い。
自分に自信がある人と関わる理由は、自信を持っている人と同じ行動をとるためだ。自信のある人と過ごせば、自信を持てない人も行動や発言が変わり、自信をつけやすい状態が生まれる。
人間は環境に左右される生物だ。その特性を活かす意味でも、自信のある人と関わるべきだ。
他人との比較を辞める理由は、比較によって落ち込まないためだ。ベストだと思っていても、他人よりも劣っていると感じた瞬間、自分に自信をなくすケースもある。他人よりも優れていることで自信がつく人は、自分より出来の良い人間が現れると自信をなくす。その状況に陥らないためにも、他人との比較は辞めた方が良い。
長期的な視点で物事を考える理由は、目先の利益ばかりに集中しないためだ。短期的な視点しか持っていないと、長期の目標を立てられない。将来ビジョンを描けず、逆境に陥ったときに諦めてしまう体制がつく。
しかし長期的な視点で物事を考えれば、将来ビジョンに向かって行動できるため、逆境に陥っても滅入らずに動ける。結果、逆境を乗り越えやすくなる。
視野が広ければ、様々なパターンの行動が思いつく。方法が次々と思い浮かべば、最適な行動が見つかりやすい。そのため、逆境を乗り越えたいのであれば意識した方がいい。
ちなみに視野を広くするには、以下のことを意識すると良い。
未経験のことにチャレンジする習慣が身につけば、今までにはないシチュエーションでの取り組みが増える。その結果、多方面から物事を考える習慣がつく。
これを繰り返せば、様々な視点から物事を見るのが当たり前になる。それが視野を広くするのに役立つ。
タイプが違う人と接する理由は、自分にはない価値観を知るためだ。自身の性格と似ている人とばかり関わると考えが偏る。すると、狭い視野でしか物事を見られない。
しかしタイプが違う人と話せば、自分が知らない話を聞ける可能性が高い。脳内に新しい知識が刷り込まれて、新たな価値観が身につく。結果、視野を広くするのに役立つ。
客観的に物事を見るクセをつければ、自身の主観に問われず、物事を判断できる。ニュートラルに物事を判断する体制ができて、自分の主観に邪魔されない。偏見を持たずに物事を見る習慣ができれば、臨機応変に考え方を変えていける。そのため、視野が広くなっていく。
決めつけると、自分が認めたものしか受け入れなくなる。広い視野を持つには、自身と違う意見でも、一旦受け入れる姿勢を持つことが大事だ。
受け入れ態勢ができていると「自分と違う意見だが、一度は試そう」という気持ちが生まれる。その結果、様々なことに挑戦しだして、新たな気付きを得られる回数が増えていく。それを繰り返すことで、視野が広くなる。
現状を受け入れないと、自身の置かれている立場が分からない。その結果、不適切な行動をとり、逆境を乗り越えるのが難しくなる。
しかし現状を受け入れると、中立的な立場で自分を分析できる。TPOに応じて適切な行動をとるため、逆境を乗り越えやすい。ちなみに以下のことを意識すると、現状を受け入れやすくなる。
完璧主義だと、ちょっとのミスに目がいってしまう。対処の必要がない箇所も手を加えようとして、心身ともに滅入る。常に100点を求めようとするため、自分のミスを受け入れようとしなくなる。その状態を防ぐには、完璧主義からの脱却が効果的だ。
完璧主義を脱せば100点へのこだわりがないため、良い箇所だけではなく悪い箇所も素直に受け止める。それが現状を受け入れる習慣をつくることになる。
現実に疲れて、自分を受け入れるのが嫌になるケースもある。そのときは、現実逃避の時間をつくるといい現実から離れると気分がスッキリして、自分と冷静に向き合える。その結果、自身を理解しようとする姿勢が生まれ、自身を受け入れる体制ができていく。現実逃避では、以下のことを心掛けると良い。
仕事をしつつ現実逃避を行うといった形で、中途半端な状態だと気分がモヤモヤする。その状態を防ぐには、現実逃避のみに集中することが大事だ。すると現実逃避に神経を注ぐことができ、効果を発揮しやすい。
現実逃避の方法を複数用意すれば、状況に合わせて使い分けられる。たとえば「マンガ」「散歩」「ショッピング」といった形で複数用意すれば、現実逃避の仕方を選べる。そのときに合う方法を選べるため、現実逃避の質を上げるのに効果的だ。
人の目を気にしすぎる人には「今の自分を受け入れたら〇〇さんに嘲笑われる」「〇〇さんに弱い所を見せたくない」などの気持ちが芽生えやすい。
しかし他人の目を気にしすぎると、現状を受け入れたくても、意地を張って受け入れられなくなる。その結果、適切なアクションを起こせず、逆境を乗り越えるチャンスを失う。自分の問題であるため、周りの目を気にしすぎてはいけない。ちなみに、人の目を気にしすぎる方は、以下のことを意識すると良い。
自分軸とは、自分の考えをもとに動くことだ。自分軸をもとに動けば、他人のことが気にならなくなる。結果、周囲の目を気にせずに済む。
八方美人の場合、人から嫌われないための動きをする。「相手によって意見を変える」、「他人に同調する」といった動きは八方美人に見られる。このような動き方をすると、常に人の目を気にしてしまう。
しかも八方美人であることは、口コミで広まる。後々自分の首を絞めることになりかねないため、八方美人になるのは良くない。相性が合わない方がいるのは当たり前だ。神経をすり減らさないためにも、八方美人にはならない方が良い。
目の前に乗り越えなければならない壁がある状態において、自身に降りかかるストレスや心の状態をコントロールできることも必要なスキルの一つだ。
メンタルヘルス研修やセルフケア研修などで、自身をコントロールするスキルを磨いていくことをおすすめしたい。
誰しも人生には逆境が訪れる。しかし逆境を乗り越える方もいれば、乗り越えられない方もいる。違いは以下の通りだ。
逆境を乗り越える人の特徴
逆境を乗り越えられない人の特徴
逆境を乗り越える人間になった方が、多少のトラブルが起こっても動じることなく対応できる。仕事を進めやすくなるため、逆境の乗り越え方は知っておいた方が良い。ちなみに、以下のポイントを抑えると乗り越えるのが楽だ。
仕事中に逆境に陥るのも珍しくない。だからこそ、乗り越える術は知っておくべきだ。会社の成果を挙げるためにも、逆境を乗り越えるスキルは全ての従業員に習得させてほしい。