TOC(Theory of Constraints)理論とは、サプライチェーン(材料の調達から製品を消費者に届けるまでの一連の流れ)を管理するのに用いられる手法です。日本語では「制約条件の理論」ともいわれ、企業の目標を妨げる要因(制約条件)を改善し、最大の効果をあげることを目的にしています。
もともと、TOC理論は工場内のボトルネックを改善することからはじまりましたが、現在では企業全体の収益を上げるための手法として発展しています。
TOC理論は、小さな問題点が企業のパフォーマンスを制限しているという考え方に基づいています。その小さな問題点を明らかにして改善すれば、全体が最適化し、生産性が向上できるというものです。
TOCは以下のステップで改善していきます。
ステップ1:制約条件を洗い出す
ステップ2:制約条件を最大限に活用する
ステップ3:制約条件以外のものを制約条件のプロセスに同調させる(ドラム・バッファー・ロープ)
ステップ4:制約条件の能力を向上し、強化する
ステップ5:再度、新たな制約条件を洗い出し、ステップを繰り返す
ドラム・バッファー・ロープとは、速度の異なる人を一列に並べて進行する際に、おのおのをロープでつなぎ、速度が一番遅い人にほかの人がペースを合わせて歩みを止めないようにすることをいいます。
つまり、ドラム(Drum)とは全体のペース、バッファー(Buffer)は制約条件を止めないための時間的なゆとり、ロープ(Rope )は、制約条件の状況に応じて、先頭が先走らないようにスピードを維持するものです。
制約条件にほかのプロセスが同調することで、スループット(=売上ー材料費)を最大に上げられると考えられています。