ジョブローテーションとは、人材育成を目的に従業員の業務変更や異動を行うことをいいます。
新入社員、中堅社員、管理職といったキャリアによって、ジョブローテーションの目的は変わります。
ジョブローテーションの主な目的は、企業理解、従業員の能力開発、人事考課、管理職の育成、モチベーションの向上などがあります。
新入社員の場合は、ジョブローテーションで各部署の業務を経験し、企業が取り扱っている商品・サービス、業務の流れなどを理解します。
この期間は、新入社員の適正を見極める時期でもあります。放置状態にならないように、OJTを活用し、新入社員のメンタル面も配慮しましょう。
中堅社員に対するジョブローテーションの目的は、属人化の防止とリーダーシップの発揮です。
恒常化を防ぐことで、業務を可視化することができます。もし、ジョブローテーションの対象となる従業員の意欲や能力が高ければ、リーダーとしての役割をもたせてもよいでしょう。
管理職に対するジョブローテーションは、企業の将来を担う人材の育成を目的にしたものです。
新規事業の立ち上げ、海外勤務など、経営視点やマネジメント力、視野の広さが求められる業務に携わります。
ジョブローテーションを実施することで、適材適所が把握でき、早期の戦力化が実現できるようになります。
また、社内ネットワークが広がるため、部署間の連携がとりやすくなるのも、メリットの一つです。
従業員にとっても、さまざまな部署を経験することで、キャリアデザインを描きやすくなります。
ただし、ジョブローテーションは専門分野に特化したスペシャリストの育成には向きません。
また、従業員が望まない部署に異動になると、モチベーションが下がり、最悪の場合は離職してしまう可能性もあります。