リーダー気質という言葉があるように、よいリーダーとされる人には、共通した特徴がある。
「リーダーとして周りの人々を上手く統率できていない」とお悩みの方は、彼らからリーダーに必要な資質を学んでみてはどうだろう。
今回は、リーダーとはどのような人物を指すのか、応援されるリーダーが持つ5つの資質、ダメなリーダーが持つ特徴について紹介する。
応援されるリーダーを目指す方は読んでみてほしい。
リーダーとは、周りの人々をまとめ上げて強く先導する人(リードする人)を指す言葉だ。
リーダーの最大の特徴は、周囲の人々の意識を変える影響力を持っている点だ。
リーダーとよく似ているが、管理者、マネージャーという言葉がある。リーダーとマネージャーは同じ意味として扱っている方もいるだろう。
マネージャーの役割は、複数の人をまとめあげ、目的達成のために管理することであり、リーダーの役割ととても似通っている。
しかし、リーダーとマネージャーには大きな違いがある。それは、冒頭にも述べたように、周りの人に強い影響を与えるかどうかだ。
リーダーは方向性を決めチームを今までとは違う場所やより高い場所に進める。
一方、マネージャーの仕事は、上から与えられた仕事を成し遂げるために、部下に的確な支持を行うことだ。
マネージャーに必要なスキルは、業務の進捗状況に合わせてどこに力を入れるべきか、どこを妥協すべきか判断することにある。強いカリスマ性は必ずしも必要はない。
このように、リーダーと呼ばれる人物は、マネージャーとは異なり、その人にしかない何かしらのユニークなポイントがあり、決して替えがきかない人材だ。
リーダーの定義は明確に決められている訳ではないので、人によってリーダーの捉え方は変わる。
ここでは、経営学の専門家であるピータ―・F・ドラッカーと、ウォレン・ペニスのリーダーの定義をご紹介する。
ピータ―・F・ドラッカーは、リーダーの仕事とは「目標と物事の優先順位を決め、それを維持していくこと」だとしている。また、ドラッカーは、リーダーというのは地位を指す言葉ではなく、責任を持つ者のことであると捉えている。
一方、ウォレン・ペニスは、リーダーであるものが持つべき心得として下記の4つを掲げている。
彼らの考えに共通していることは、リーダーには仕事にひたむき、かつ計画的に行う姿勢と、責任を受け入れる度量が必要であるということだ。
そのような姿勢を持って仕事に打ち込めば、自然と周囲に人が集まり、いつしかカリスマと称されるだろう。
リーダーにはカリスマ性が必要だが、カリスマ性と聞くと、先天的なものだからどうしようもないと考えがちだ。
しかし、実際はそうではなく、カリスマ性は人間力を養うことで培うことができる。
具体的には、下記の5つの心を養うことで、リーダーとしての能力を得られる。
これら5つの力は、儒教の教えに基づいている。
儒教には、五徳という考えがあり、この五徳を育むことでリーダーに相応しい人材になれるとしている。
リーダーの素質について詳しく見ていこう。
思いやりの心はリーダーに必要不可欠だ。五徳では、仁と呼ばれるものが、この思いやりの心に相当する。
単独で活動する場合は、リーダーは生まれない。
リーダーは、集団の指揮を執る人物であるため、必ず他人と共同してタスクに取り組む。このように、複数人で何か1つのことを成し遂げようとする場合に必要になるのが、思いやりの心だ。
人はロボットではないため、一人ひとり違った考え、能力を有している。人それぞれ適した仕事は異なる。リーダーには、一人ひとりの特性を見極め、その人に合った場所に配備する力が求められる。
一人ひとりの特性を見極めるためには、対話をして人の心の内を知ることが大切だ。思いやりの心は、人の心を知る力に直結する。リーダーを目指すのであれば、常に周囲に気を配ることが求められる。
何事も現状維持を目指すのはよくない。
とくに、ビジネスの現場では、日々、目まぐるしく変化が起きている。常に攻めの姿勢をとり、今よりもさらによい状態を目指す高い志が必須だ。
これは、大勢の人をまとめあげるリーダーにもいえることだ。
五徳では、高い志を持つことを義と呼ぶ。
高い志は、周囲の人々を感化する。物事の成功には、モチベーションが必要不可欠だ。なぜなら、高いモチベーションがあれば、高い壁が立ち塞がったとしても、諦めずに何度もトライして乗り越えられるからだ。
仕事をしていると、必ず一度や二度ミスを犯してしまう。
ミスをしてしまうと、「自分はダメな人間だ…」とネガティブな感情が顔を出し、仕事へのやる気を大きく削いでしまう。
そのようなときでも、リーダーが常に前向きに高い志を持っていれば、リーダーの熱量に感化され、モチベーションを再度高めることができ、職場にまた活気が生まれる。
リーダーには、すべての責任が降りかかるため、そのプレッシャーに押し潰されてしまいそうになることもしばしばある。
しかし、周囲の人々にも負の感情が連鎖しないように、リーダーは歯を食いしばって踏ん張る必要がある。そこがリーダーという立場の難しさといえるだろう。
上に立つ者は、自身の持つ強い権力の扱い方を誤り、横柄な態度で下の者を指揮することが多々ある。
しかし、そのような態度では、周りと良好な信頼関係を築けない。いずれは統率が取れなくなる。
強い権力を持つ立場にある方こそ、礼儀や礼節を重んじた行動が求められる。これは、五徳では礼といった名称で呼ばれる心得だ。
礼儀と礼節を持って部下に接すると、信頼関係が養われ、部下たちの心には、この人に付いていきたいという気持ちが芽生える。
そうなると、部下たちはリーダーのために、自律的に行動を行う。その結果、リーダーの負担は減り、ほかの業務に充てる時間が増え、仕事が円滑に運ぶ。
さらに、自分で考えて行動をすることで、部下たちは持てる力を最大限に発揮する。結果として全体のパフォーマンスも向上する。
リーダーは、現状に満足してはいけない。常に向上心を持つ必要があり、最前線の現場でも戦えるだけのスキルを有している必要がある。
そのため、学び続ける姿勢が求められる。これは、五徳の心得と智という考えに相当する。
ここでいう学びは、新聞や本に目をとおしたり、セミナーに参加することだけを意味するものではない。
周囲の人とコミュニケーションを取り、そこから新しい知見を得る、仕事で失敗したときに原因を探るといったことも学びに該当する。
学びを得る方法にルールはない。
身の回りで起こる些細な出来事であっても、注意深く観察をすれば、そこから何かしらの教訓を得ることができる。
リーダーであるためには、常に考え続け、自身が目指す目標の達成に関わるものはすべて活かすという学びへの貪欲さを身に付けるべきだろう。
よいリーダーであるかどうかは、自分で決めることではない。本当に優れたリーダーであれば、自分から積極的に目立とうとしなくとも、周囲の人が勝手に押し上げてくれるものだ。
周りの人々が称賛するような人物になるためには、信頼を獲得することが必須だ。五徳では、そのような能力を信と呼ぶ。
信頼されるリーダーになるためには、先陣を切って部下たちの見本となるような行動を取ることが大切だ。
何事においても、第一人者になるには苦労はつきものだ。なぜなら、舗装されていない道を自らの力で開拓していく必要があるからだ。
一見すると、開拓者というのは損な役回りのように映る。しかし、損であっても新たな道を見つけ出すという強い信念と志は、周囲の人々の心に強く響く。損得に囚われずに自身の理想を追求する生き様は、誰でもマネできるものではない。周りの人達は憧れを抱き、信頼が生まれる。
このように、周りから信頼されるリーダーであるためには、常に強い信念を持って、ブレない心を周囲の人々に見せることが大切だ。
よいリーダーになるためには、リーダーには相応しくないマインドを改善することも大切だ。以下では、支持されないリーダーの特徴を3つ紹介する。
周囲の人々の意見に耳を傾けない人は、リーダーには向いていない。リーダーであるためには、自身の心に強い信念を宿すことが大切だが、それが行き過ぎるとすべて独断で決めてしまう独りよがりな人間になってしまう。
リーダーという立場は、周りの人々無くしてあり得ない。独裁的な振る舞いでは、信頼を築くことはできず、いずれは独りぼっちになってしまう。注意しよう。
リーダーが行う意思決定は、プロジェクトの出来を大きく左右するため、責任重大だ。そのため、優柔不断な対応をしてしまいがちだが、それでは周りから頼りないリーダーとして認識され、慕われなくなってしまう。
リーダーの能力の高さは、多くの人の意見をまとめあげ、最適な案をズバッと提示する意思決定力にあるといっても過言ではない。
難しい判断も多いと思うが、曖昧な意見だけは避けるよう心掛けよう。
リーダーは誰よりも豊富な知識や経験を有している必要がある。なぜなら、自分よりも力の無い人間の下につきたいと思う人は少ないからだ。
自分よりも優れた何かを持っているからこそ、周りの人はリーダーを慕い、命令に従う。
リーダーであるためには、誰よりも多くのことを学び続けることが求められる。
リーダーであるためには、周りの人々から慕われ、信頼されることが必要不可欠だ。独りよがりな考えを押し付けてはいけない。
応援されるリーダーでありたいとお考えの方は、ぜひ周囲への気配りを大切にしよう。
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