「帰属意識」と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか。
帰属意識とは「特定の集団に所属している意識」を指す。会社においては、帰属意識が高ければ高いほど組織における問題を自分ごととして捉え、会社や会社の従業員に対して興味や愛着を持つことに繋がる。
今回はその「帰属意識」とは一体どんなものなのか、またその「高め方」等を詳しくご紹介する。
帰属意識とは、先にお伝えしている通り、「特定の集団に所属している意識」を言う。例えば、私たちは家族や会社、国家など様々なものにもともと所属しているものだ。それぞれに対し所属している意識と役割を持っていると感じることもあるはずだ。
自分が何かの集団に含まれていると感じる意識のことを帰属意識と呼んでいる。ただし、この帰属意識には個人差があり誰もが「この集団に属している」という強い意識を感じているものではない。しかしながら、社会に出てみるとわかる通りこの帰属意識をもってビジネスをしたり、代表の一員として動くことが多いことに気づかされるだろう。
多くの企業が従業員の帰属意識を高めることは大きなメリットがあると考えているはずだ。そして実際に、従業員の帰属意識が高ければ高いほど組織は強い組織が作られやすいことがわかっている。帰属意識を高めるメリットを3つ上げていく。
まず離職率の低下があげられる。帰属意識が高まると従業員は会社にとって役に立ちたいと思うものだ。また仕事に誇りをもって働くようになり、定着率が上昇するだろう。従業員のスキルと経験を長期的に積み上げて強靭な会社を維持することにもつながっていくのである。ただし、先に述べたようにこの価値観には個人差はある。
帰属意識が高まると従業員のモチベーションが向上し、絆が深まる。帰属意識の高まりは従業員のモチベーションを向上させ、また当事者意識や愛着を企業に対してを持ちやすくなる。そのため、一丸となって仕事に取り組むようになる。当然ながら仕事の質、パフォーマンスも向上することとなる。
帰属意識が高まると離職率の低下につながり、欠員による採用にかける無駄なコストの削減が可能になる。そのコストをビジネス強化のための即戦力となる人材の採用に充てることもできるだろう。
次に帰属意識が低くなるデメリットを見ていく。ここでは大きく2つあげてみた。
帰属意識は仕事の質やパフォーマンスに影響することは確かだ。帰属意識が低い状態では会社へ貢献しようという気持ちにならないからだ。いわゆる「適当にやっておこう」という感じになる。
働き方改革などの影響で社会が急激に変化している現代では様々な働き方が模索されていることもあり、通常のオフィス勤務よりも自由な環境を希望する人も増えている。テレワークなどでも管理されたくない、フリーランスになるなど様々な選択肢がでてくるのは会社への帰属意識を持っていないことの表れでもあるだろう。
これに付随して帰属意識が低いと自分でやっていきたいと思うため企業へのこだわりがなくなるので、離職率が高まる。帰属意識とは特定の集団に所属している意識のことであるから当然といえば当然だ。離職率が高まればスキルや経験を持った従業員がいなくなり、企業が弱体化してしまう恐れもある。
会社の生産性は低下してしまうので企業にとってはマイナス面が浮き彫りとなる。帰属意識が低い場合のデメリットも、大枠は理解いただけたと思う。
帰属意識が低下する要因には、さまざまな理由が考えられる。大きくは次の2つが要因であろう。
働き方の多様化に伴い、テレワークやサテライトオフィスなど様々にインターネット通信の普及に伴い、出社しなくてもよい、家でもどこでも仕事ができるという業種が増えてきた。家族との時間を大事にしながら仕事をする場合、帰属意識にとらわれず自分で起業したりするパターンも多くなったことも帰属意識の低下を招いていると考えられる。
終身雇用制の崩壊も理由に数えられよう。かつての日本は新卒で入社したら一生その会社に添い遂げるという気持ちが当たり前であった「戦うサラリーマン」的な会社員の時代もあったが、今や転職は当たり前となり自分のスキルやより良い環境を求める傾向にある。企業との相互関係の信頼感や帰属意識は、不景気のリストラなども大企業でさえ行われる現代では薄れているといえる。しかしながらこの要因が企業を弱体化させることにもつながってしまうのである。
起業は骨太でなければならない。帰属意識は社員との信頼関係ややる気をもたらすこと、この会社にいて良かったと思わせることにある。帰属意識を高めることは企業力を強くすることにつながる。帰属意識を高める方法を具体的に見てみよう。 帰属意識を高める方法を上記の3点に絞ってみていく。
企業のビジョンとゴールを共有、スローガンの周知をすることは帰属意識を高めることにつながる。例えば会社の中でインナーブランディングを行うと会社として目指すべきものが明確となり、社員のモチベーションアップとなる。
インナーブランディングとは、その名のとおり会社内部に対するブランディングのことである。全従業員がゴールに向かって同じ方向を向いて進むため、企業パフォーマンスも上がっていく。企業がゴールをきちんと設定していないと、従業員が目標とする方向性を失ってしまう。スローガンやビジョンを打ち立てることで、「ゴールに向かって頑張ろう」という意識を作り出せる。
社内コミュニケーションの場を提供する、環境を整えることも帰属意識を高める。社内のコミュニケーションが円滑に行われ、良好な関係を保持できれば、会社に対する愛着が湧いてくるだろう。
カフェスペースやランチスペースを活用したり、社内行事をオンラインで行うランチ会等を設けるなどして、従業員がコミュニケーションできる機会を作ろう。円滑なコミュニケーションは組織への帰属意識を高める要素の一つである。テレワークでも管理職の人間は積極的に働きかけて、従業員が孤独感を感じないようケアすることが大切である。
福利厚生を充実させるなど従業員の充実度を上げることは帰属意識を高める。給料を与える以外にも従業員をいたわってあげる取り組みを重視する従業員は多い。転職する際にも福利厚生が充実している方が良いと答える転職者は多いのである。住宅手当や家賃補助や食事手当、最近では健康診断や人間ドックなどの充実を求める声も多い。社員食堂などリーズナブルなランチを楽しみにしている社員もいる。またベネフィット・ワンのような社員割引が利用できる福利厚生サービスもある。
きちんと企業側が従業員の意見に耳を傾け、支援する姿勢をアピールする福利厚生を準備しよう。従業員を応援し、企業と従業員の良好な関係を築け、帰属意識も高まるものである。
ここで帰属意識で成功している企業例をみてみよう。
企業の基盤は「社員」であると考えているため、まずは健康についての宣言を行っている。社長を筆頭に、全社員が一丸となってスローガンを打ち出し、健康について下記の取り組みを従業員に積極的に行っている。
開発センターと同じ建物内に健康デザインセンターを開設している。「安心して相談できる空間」と「健康行動を自ら体感できる空間」、「リフレッシュワーキングの空間」を創ってコミュニティの場を設けている。
健康増進やパフォーマンス向上のスキルを学ぶセミナーなどの場を提供している。
全社員を対象に、産業医や保健師による1回15分程度の健康面談を行っている。
朝食、睡眠、飲酒、ストレスとの付き合い方など、保健師が教育を行っている。
希望者に医師監修の快眠アプリを配信するサービスを提供している。
月に1度受診確認し、治療継続を支援しており、生活習慣病予備軍には特定保健指導も行っている。
がん健診、扶養者や配偶者へも検診を行っている。脳ドック等のドック検査、胸部CT検査(肺がん、結核、肺炎等)、胃部内視鏡検査の受診者に費用補助を行っている。またインフルエンザ予防接種も補助金を出している。
そのほか禁煙応援や、ヨガツールアプリの配信や、がん対策セミナーウォーキングイベントの開催なども取り入れている。社員の健康を保つ環境を整えているとして社員の中でも大切にされている感が高まり、帰属意識も上昇しているとのことだ。
「食事セミナー」をオンラインで開催し、食の健康とおすすめ調理メニューなどを提供している。
大規模災害が発生した場合に、社員の安否をいち早く確認するため、毎月1回、避難訓練代わりにアプリで報告する訓練をしている。
社内ルールや企業として気をつけねばならない点、会社のスローガンなどの目標を定期的なEラーニングとして学んでいる。
ビジネスシーンにおいて、「会社の一員である」ということを意識する「帰属意識」が高いと、組織力が強まり、従業員の定着率やモチベーションの向上につながっていく。良い人材確保を図ろうと、帰属意識の向上に取り組む企業も増えているため人材確保や定着率の良さを目指して帰属意識の高め方を一度チェックしてみてはいかがだろうか。きっと会社の企業力を上げることができるはずである。