「ジョブ・クラフティング研修を導入したいが、実際に受けた社員がどう感じるのか知りたい」。そんな人事の方向けに感想をまとめているのがこの記事です。
実際にジョブ・クラフティング研修を受講した社員の感想を実例とともに紹介しながら、良かった点とネガティブな点の両方を取り上げます。研修導入の判断材料として、参考ください。
目次
感想を見る前に、念のため、ジョブ・クラフティングの基本的な考え方を確認しておきます。
ジョブ・クラフティングとは
従業員が自らの意思で、仕事の進め方や人との関わり方、仕事に対する捉え方に工夫を加え、やりがいを見出していくアプローチのこと。
一般的にジョブ・クラフティングは、次の3つの視点から構成されるといわれています。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| タスク・クラフティング | 業務の順番や進め方、範囲を自分なりに工夫すること |
| リレーショナル・クラフティング | 同僚や取引先など、周囲との関わり方を見直すこと |
| コグニティブ・クラフティング | 仕事の意味づけを自分の言葉で捉え直すこと |
ジョブ・クラフティングを促す3つの視点
この3つの視点を研修の中で体系的に学ぶことで、受講者は「やらされている仕事」を「自分ごとの仕事」として捉え直せるようになります。
Before
指示された作業をこなすだけの「やらされ感」
After
自分なりの工夫で意味を見出す「やりがい」
リスキルの研修をベースに今回の記事も作成していますが、前提として上記の内容を主軸としていることをご理解ください。

なお、以降で紹介する感想は、実際に研修を受けた方々のアンケート回答をもとにしていますが、個人が特定できないよう、表現を一部変更して加工していますのであらかじめご了承ください。
まず、良かった点として多く挙がった感想を紹介します。研修の目的1つは、日々の仕事の捉え方を見直すきっかけを提供することですが、実際の感想からもその効果がうかがえます。
内発的な動機づけの重要性に気づいたという感想が多く見られました。
内発的な動機がなければ仕事は長く続かないのではと以前から感じていたところだったので、ちょうど良いタイミングで受講できたと感じました。タスクやリレーショナルといった視点があることも新しい学びでした。
次のような感想も寄せられています。
仕事へのモチベーションが高いと、日々の生活そのものも充実すると感じていたので、モチベーションを高めるポイントを学べたことはとても参考になりました。自分が携わっている一つひとつの業務に意義を見出すことで、仕事への意欲をさらに高めていきたいと思います。
仕事の意義を自分なりに見出すという行為そのものが、モチベーションの源になると実感した受講者が多いことがうかがえます。
同僚や関係部署との関わり方について、新しい視点を得たという感想も目立ちました。
周囲と良好な関係性を築くことで、業務をより良い方向に持っていけると学びました。役割ごとに適した人に任せるだけでなく、お互いにメリットのある関係性を築くことが大切だと気づけました。
このように、リレーショナル・クラフティングは、単なる人間関係の改善にとどまらず、業務の質の向上にもつながると捉えられている点が特徴的です。人事担当者としては、部署を横断したグループワークを設計することで、こうした気づきをさらに促進できるでしょう。
このほかにも、次のような感想がありました。
ワークを通じて、タスク・リレーショナル・コグニティブという3つの軸から現状を振り返り、視点を変えて仕事を捉え直す良い機会になりました。特にリレーショナル・クラフティングでは、同僚や関係部署とのつながりを整理し、どこにアプローチすべきかを戦略的に考えられる点が印象に残りました。
3つの視点を体系立てて学んだことで、感覚的だった人間関係の悩みを、整理して考えられるようになったという声も見られます。
物事の捉え方そのものを見直せたという感想も多く寄せられています。
ネガティブに感じていた出来事でも、見方を変えればポジティブに捉え直せるということに気づけて、とても勉強になりました。
Before
指示された作業をこなすだけの「やらされ感」
After
自分なりの工夫で意味を見出す「やりがい」
このように、研修を通じて仕事に対する意味づけを自分の言葉で捉え直せたという感想は、コグニティブ・クラフティングの効果を象徴するものといえます。
もう一つ、次のような感想も紹介します。
自分自身に当てはまる内容が多く、とても参考になりました。特にコグニティブ・クラフティングの視点については、これまで単調に感じていた業務に対しても、見方を変えて取り組んでいこうと思えるようになりました。
日々の業務そのものは変わらなくても、捉え方を変えるだけで前向きに取り組めるようになるという気づきは、多くの受講者に共通していました。

個人ワークだけでなく、グループワークを通じて視野が広がったという感想も少なくありません。
自分が抱えていた悩みが、実は他のメンバーも同じように感じていたことだとわかり、安心すると同時に多くの気づきを得られました。
このように、一人で抱え込んでいた課題を、グループワークを通じて共有できたことを評価する声が目立ちました。同期や他部署のメンバーと率直に話し合える時間そのものに価値を感じている受講者も多いようです。
あわせて、次のような感想もありました。
この1年間を振り返るとともに、直面している課題を整理し、今後のアクションまで考えられる良い機会になりました。これまでは業務のやり方ばかりを変えようとしていましたが、人との関わり方や物事の捉え方についてはあまり意識していなかったことにも気づけ、課題解決に向けた新たな視点を得られました。
普段は意識しづらい業務以外の視点にも目を向けられたことを評価する感想もあり、研修が振り返りのきっかけとして機能していることがわかります。
一方で、すべての感想が肯定的だったわけではありません。ここでは、実際に寄せられたネガティブな感想と、それに対して人事担当者が検討できる対処法をあわせて紹介します。ネガティブな感想を把握しておくことは、研修効果を最大化するうえで欠かせません。
最も多く見られたネガティブな感想は、ワークの時間に関するものでした。
最後のグループワークの時間がもう少し長ければ、今後の仕事についてさらに深く考えられたのではないかと感じました。
こうした意見が出やすかったのは短く研修時間を取った場合でした。こういった意見から鑑みると、5〜6時間は研修に必要でしょう。
研修内容の目新しさについて、厳しい意見も見られました。
以前受講した中堅社員向けの研修と内容が重なっている部分が多く、演習をもう少し増やしてもらえるとより良いと感じました。
このような意見が出そうな場合は、事前アンケートで受講者の受講歴や既習内容を把握し、対象者の経験レベルに応じて内容や難易度を調整しておくことを考えると良さそうです。すでに受講している研修を確認しながら、階層別・経験年数別にプログラムを分けることで、内容の重複感を減らせます。
研修だけでは根本的な解決にならないと感じた受講者もいました。
考え方としては面白いと感じましたが、個人的なモチベーション向上には直結しませんでした。今後役立つ可能性はあると思います。
研修そのものからモチベーションを得ることが難しいタイプの方もいらっしゃいます。研修から一定期間後に振り返りの機会を設けたり、上司との1on1で実践状況を確認したりする仕組みを取り入れることを考えると良さそうです。
抽象度の高さを指摘する感想もありました。
経験年数によっては、研修で扱う内容をすでに自然と実践できている人もいるように感じました。抽象的な話が続いたので、具体的な演習をもう少し増やしてほしいと思いました。
経験やスキルによっては、「自身はすでにやっている!」と考える方もいます。こういった意見を許容することも研修においては必要ですが、避けたい場合、まずは若手からの導入を検討するのが良いでしょう。

ここまで紹介した感想を一覧にまとめると、次のようになります。
| 感想の傾向 | 主な内容 | 対処のヒント |
|---|---|---|
| 良かった点 | 内発的動機への気づき、人間関係の見直し、捉え方の変化、グループワークでの共感、業務の振り返り | 継続的な実践を促す仕組みづくり |
| ネガティブな点 | ワーク時間の不足、内容の重複、モチベーション向上への直結不足、抽象度の高さ | 対象者に合わせた設計とフォローアップ |
こうした感想を総合すると、ジョブ・クラフティング研修は、受講者の仕事に対する捉え方に一定の変化をもたらしていることがわかります。
Before
業務に追われ、振り返る時間を持てていない状態
After
自分の仕事の意味を言語化し、行動目標に落とし込める状態
この変化を一過性のものにせず、日々の業務に定着させていくことが、研修導入後の重要なポイントになります。次の章では、人事担当者が研修を設計・導入する際に意識したいポイントを整理します。
これまで紹介してきた感想を踏まえ、人事担当者が研修を企画する際に意識しておきたいポイントを2つ紹介します。
同じ内容の研修でも、受講者の経験年数や役職によって受け止め方は大きく異なります。管理職向けには部下のモチベーション向上に関する視点を加えるなど、階層ごとに研修内容を最適化することで、内容の重複感やミスマッチを防ぎやすくなります。
研修そのものの満足度が高くても、実務への活用が続かなければ効果は限定的になってしまいます。研修後に一定期間を置いて振り返りのアンケートを実施したり、上司との面談で実践状況を確認したりするなど、学びを行動に結びつける仕組みを併せて設計することが重要です。
こうした設計のポイントを押さえた研修プログラムの一例として、リスキルのジョブ・クラフティング研修では、実践的なワークを通じてジョブ・クラフティングの考え方を学べる構成になっています。研修設計の参考として確認してみるのも一つの方法です。
本記事では、ジョブ・クラフティング研修を受講した社員の感想を、良かった点とネガティブな点の両方から紹介しました。内発的な動機づけへの気づきや、人間関係・仕事の捉え方の変化を実感する声が多く挙がった一方で、ワーク時間の不足や内容の重複、抽象度の高さといった課題も見えてきました。
人事担当者としては、こうした感想を単なる評価として受け止めるだけでなく、次回以降の研修設計に反映させる材料として活用することが大切です。対象者の経験レベルに合わせたプログラム調整や、研修後のフォローアップ体制を整えることで、研修効果をより長期的に定着させられるでしょう。
また、自社の研修プログラムを見直す際には、当社のジョブ・クラフティング研修の内容も参考にしてみてください。
リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。
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■プロフィール
会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
上場市場:東京証券取引所グロース市場
■研修実績
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・年間受講者数 前年比157%
・プロフェッショナルの講師陣300名以上在籍