セキュリティ研修の導入を決めて各社のサービスを調べ始めたものの、選択肢の多さに迷っている方もいるのではないでしょうか。同じ「セキュリティ研修」という名前でも、対象者や扱う範囲、進め方は研修ごとに大きく異なります。自社に合わない研修を選ぶと、受講後の行動の変化につながりにくくなります。
本記事では、セキュリティ研修を比較する際に確認したい5つのポイントを紹介します。対象者や目的に合う研修の種類と形式、比べるときの注意点もあわせてまとめました。候補を絞り込む際の判断材料として活用してください。
目次
まずは、どの研修を比べる場合にも共通して確認したい5つのポイントを見ていきましょう。研修で扱うテーマがある程度決まっていると、比較がスムーズに進みます。
セキュリティ研修は、大きく2つの種類に分けられます。情報の適切な取り扱いを中心とする「情報セキュリティ研修」と、技術的な対策を扱う「ITセキュリティ研修」です。
| 研修の種類 | 主な対象者 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 情報セキュリティ研修 | 全社員 / 新入社員 / 管理職 | 情報の扱い方 / 不審メールへの対応 / 組織としての対策 |
| ITセキュリティ研修 | 情報システム担当者 / エンジニア | サイバー攻撃の手口 / サーバー・ネットワークの防御 / 脆弱性対策 |
比較を始める前に、「誰に」「何ができるようになってほしいか」を決めておきましょう。全社員の意識をそろえたいのに、技術寄りの研修を選んでしまうと、受講者が内容を理解しきれないおそれがあります。
研修で扱いたいテーマがまだ固まっていない場合は、先にテーマを整理しておくと比較の軸が定まります。
同じ種類の研修でも、想定される受講者の知識レベルはさまざまです。研修ページの「対象者」やカリキュラムを見て、前提となる知識を確認しておきましょう。
たとえば全社員向けの研修では、ITに詳しくない社員も受講します。用語の説明が丁寧か、身近な事例から入る構成になっているかがポイントです。反対に、情報システム担当者が基礎的な内容だけを受講しても、新たな気づきは得にくいでしょう。
レベルが合っているか判断しにくいときは、研修資料やカリキュラムの詳細を取り寄せましょう。扱う用語や事例の難しさを、事前に確かめられます。eラーニングであれば、サンプル動画で説明の分かりやすさを確認できる場合もあります。
一般的な対策を聞いただけでは、社員が自分の業務でどう行動すればよいか判断しにくいことがあります。研修を比較する際は、自社のルールや事例を内容に取り入れられるかも見ておきましょう。
具体的には、次のような点を問い合わせの段階で確認しておくと安心です。
内容を調整しやすいのは、自社の社員だけを対象に実施する一社研修です。eラーニングや公開講座は内容を変えにくいため、選ぶ場合は受講後に社内で補足する場を設けるとよいでしょう。
研修の形式には、一社研修、他社と合同で受講する公開講座、動画で受講するeラーニングなどがあります。受講人数や勤務形態によって合う形式は変わるため、選べる形式の幅も比較のポイントです。
形式・時間で確認したい項目
全社員への展開と、一部の担当者向けの専門研修では、適した形式が異なります。1つの研修会社で複数の形式を選べると、対象者ごとに使い分けやすくなります。
研修時間は、長ければよいというものではありません。1日かけて体系的に取り組む研修もあれば、半日や15分程度の短い講座もあります。業務への影響と、扱いたい内容の量のバランスを考えて選びましょう。
研修の効果は、受講した事実だけでは判断できません。社員の理解や行動がどう変わったかを確認できるかどうかも、比較の段階で見ておきましょう。
確認方法の例としては、受講後のアンケートや理解度テスト、eラーニングの受講状況の管理などがあります。実際の行動まで確かめたい場合は、標的型攻撃メール訓練を取り入れる方法もあります。
アンケート結果を共有してもらえるかどうかは、研修会社によって異なります。結果を次回の研修内容の見直しに使えると、教育を改善し続けやすくなります。
5つのポイントを踏まえ、ここからは対象者や目的ごとに、どのような研修の種類と形式が合うかを見ていきます。全体像を整理すると、次のとおりです。
| 目的 | 合う研修の種類 | 検討したい形式・組み合わせ |
|---|---|---|
| 全社員の基礎知識をそろえたい | 情報セキュリティ研修(リテラシー) | eラーニング / 一社研修 |
| 不審メールへの対応力を身に付けたい | 標的型攻撃メール訓練 | 定期的な訓練 + 必要に応じた研修 |
| 情報システム担当者の専門性を高めたい | ITセキュリティ研修 / ISMS研修 | 一社研修 |
| 生成AIや個人情報など特定のリスクに備えたい | 生成AI研修 / 個人情報保護研修 | 一社研修 / 公開講座 |
全社員を対象にする場合は、専門知識がなくても理解できるセキュリティリテラシーの研修が候補になります。受講人数が多い企業や、拠点が分かれている企業では、eラーニングを使うと全員に同じ内容を届けやすくなります。
一方で、意識の変化まで目指すのであれば、事例をもとに話し合うワークのある一社研修が向いています。他の受講者の考えに触れることで、自分では気づかなかったリスクに目を向けるきっかけにもなります。
リスキルでは、セキュリティリテラシー研修を1日の一社研修のほか、半日編や公開講座、eラーニングでも提供しています。
不審なメールへの対応力は、見分け方を知識として伝えるだけでは身に付きにくいものです。そこで検討したいのが、標的型攻撃メール訓練です。
訓練では、本物に似せた模擬メールが予告なく届きます。うっかり開封してしまった社員にとっては、その経験が「自分も引っかかるかもしれない」と実感するきっかけになります。研修で話を聞くよりも、印象に残りやすいでしょう。
訓練は一度で終わらせず、繰り返し実施することが大切です。たとえば、次のような流れで続けると、意識が薄れたころに改めて注意を促せます。
訓練メールを送る
本物に似せた模擬メールを、予告なく社員に送る
開封を通じて気づく
開封した社員が、自分も狙われうることを実感する
必要に応じて研修で補う
結果を見て、見分け方や報告の流れを研修で伝える
時間をおいて再び訓練する
意識が薄れたころに、別の文面で改めて実施する
訓練の結果は、個人を責める材料にせず、教育の見直しに使いましょう。サービスを比較する際は、開封率などの結果を分析できるか、過去の訓練結果と比べられるかを確認しておきましょう。結果を比べられると、継続して改善しやすくなります。
情報システム担当者やエンジニアには、ITセキュリティ研修のような専門的な研修が適しています。比較する際は、担当業務に合った分野を扱っているかがポイントです。たとえば、サイバー攻撃の手口、サーバーやネットワークの防御、Webアプリケーションの脆弱性などの分野があります。
社内の管理体制づくりを担う方であれば、ISMSを扱う研修も候補になります。ISMSは情報セキュリティマネジメントシステムの略で、情報を守るためのルールや体制を整え、運用し続ける仕組みを指します。
専門的な研修では、受講者のスキルに合わせた内容の調整が欠かせません。事前のヒアリングに対応しているかも確認しておくと安心です。
生成AIの業務利用や個人情報の取り扱いなど、特定のリスクに絞って備えたい場合もあるでしょう。この場合は、一般的なセキュリティ研修に加えて、テーマを絞った研修を組み合わせる方法があります。
たとえば、生成AIに入力してよい情報のルールを周知したい場合は、生成AIのリスク対策を扱う研修が候補になります。人事部門やカスタマーサポートなど、個人情報を日常的に扱う部署には、個人情報保護研修を検討するとよいでしょう。
セキュリティ研修とテーマ別の研修を同じ日程で組み合わせられるかも、比較の際に確認したいポイントです。
組み合わせる場合は、内容の重複にも注意しましょう。たとえば、セキュリティ研修でも生成AIの注意点に触れることがあります。カリキュラムを並べて確認し、重なる部分は一方に寄せると、限られた研修時間を有効に使えます。
セキュリティ研修を選ぶ際は、自社の目的と受講者に合っているかを軸に比較することが大切です。最後に、比較時に確認したいポイントを整理します。
1. 目的と対象者に合った研修の種類か
2. 受講者の知識レベルに合っているか
3. 自社の事例やルールを反映できるか
4. 実施形式と研修時間を柔軟に選べるか
5. 受講後の効果を確認する仕組みがあるか
リスキルでは、全社員向けの情報セキュリティ研修から、情報システム担当者向けのITセキュリティ研修まで用意しています。標的型攻撃メール訓練や、生成AI・個人情報保護など関連テーマの研修もあわせて検討できます。
対象者や研修時間、扱いたいテーマに合わせた研修の組み立てについても、相談を受け付けています。
リスキル事務局が記事の執筆・監修をしています。人材育成にまつわるお役立ち情報を分かりやすく解説します。
■社員研修のリスキルとは?
社員研修のリスキルは、一人でも多くの人に人材育成を届けるために、利便性の高い研修サービスを提供しています。検索をすれば、一社で実施する研修、日程が決まっている参加型公開講座、eラーニング動画講座などをすぐに見つけ、簡単に申込みや見積書を作成することができます。
■プロフィール
会社名:株式会社リスキル
(「リスキル」は株式会社リスキルの登録商標です。)
設立:2022年5月2日
上場市場:東京証券取引所グロース市場
■研修実績
・利用社数は年間3900社以上
・年間受講者数 前年比157%
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