タイムマネジメントとは、限られた時間の中で何にどれだけ時間を使うかを決めて行動することで、「時間管理」とも呼ばれる。残業がなかなか減らない職場では、業務量だけでなく社員一人ひとりの時間の使い方に原因があることも多い。
本記事では、タイムマネジメントの基本の流れと立場別に身に付けたい習慣、職場全体で取り組むポイントを紹介しよう。
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タイムマネジメントとは、限られた時間の中で何にどれだけ時間を使うかを決めて行動することだ。「時間管理」とも呼ばれ、仕事を効率よく進めて成果を上げるための考え方を指す。
ビジネスでは、業務の効率化や生産性の向上、残業の削減を目的に取り組まれることが多い。個人の仕事の進め方だけでなく、チームや職場全体の働き方にも関わるテーマだ。
「時間管理」といっても、時間そのものを管理できるわけではない。時間は止めることも、延ばすこともできないからだ。
管理するのは、限られた時間の中での自分の行動だ。抱えている仕事を把握し、優先順位を決め、計画を立てて実行する。こうした一連の行動が管理の対象になる。
似た言葉に、スケジュール管理とタスク管理がある。どちらもタイムマネジメントを支える手段だが、それぞれ扱う範囲が異なる。
| 用語 | 主な目的 | 管理する対象 |
|---|---|---|
| タイムマネジメント | 限られた時間で成果を最大化する | 時間の使い方(行動の選択) |
| スケジュール管理 | 予定を立て、その通りに実行する | いつやるかという時間の枠 |
| タスク管理 | やるべき仕事を漏れなく処理する | 仕事の一覧と期限・進み具合 |
スケジュールやタスクを管理できていても、時間をうまく使えているとは限らない。例えば予定表がびっしり埋まっていても、成果につながらない会議ばかりでは意味がない。その時間の使い方で成果が出るかまで考えるのが、タイムマネジメントの役割だ。
タイムマネジメントが特に求められるのは、残業がなかなか減らない職場だ。ここでは、残業が続くことのリスクと、残業が減らない原因を整理しておこう。
残業が当たり前になっている職場は、次のようなリスクを抱えている。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 法令面 | 時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間。超えると罰則の対象になる |
| 健康面 | 休息が十分に取れず、心身の疲労がたまっていく |
| 仕事の質 | 疲れた状態では集中力が続かず、仕事の質やスピードが落ちやすい |
特に法令面は、会社として放置できない。社員の健康を守るためにも、早めの見直しが必要だ。
残業が減らない原因として、まず目が向きがちなのは業務量の多さだ。もちろん、それが原因のこともある。
ただ、同じくらいの業務量なのに毎日遅くまで残る社員もいれば、定時で仕事を終える社員もいる。この差は、能力や性格よりも、日々の時間の使い方の習慣から生まれることが多い。だからこそ、業務量の調整とあわせて、一人ひとりの仕事の進め方を見直すことが欠かせない。
ここでは、タイムマネジメントの基本の流れを押さえたうえで、立場別に身に付けたい習慣を紹介する。
一人ひとりの仕事の進め方を見直すときは、タイムマネジメントの基本の流れに沿って考えるとわかりやすい。流れは、大きく次の3つのステップに分けられる。
業務を見える化する
自分の業務と、それぞれにかかる時間を整理する
優先順位をつけて計画する
やるべき仕事を整理し、計画的に進める
実行して振り返る
計画通りに進まなかった原因を確かめ、次に生かす
どのステップが抜けても、抜け漏れによるやり直しや締切直前の追い込みが起き、残業につながりやすい。ただし、2つ目の「優先順位をつけて計画する」は、立場によって適した方法が変わる。仕事を自分で取捨選択できる範囲が、立場ごとに異なるからだ。
新入社員や若手社員は、自分の判断で仕事を減らしたり、やらないと決めたりできる場面がまだ少ない。そのため、優先順位は「やるかどうか」ではなく「どの順番で進めるか」で考える。期限と所要時間をもとに、順番を決めていく。大切なのは、任された仕事を漏れなく把握し、期限までに確実に終わらせることだ。そのために、次の2つの習慣を身に付けたい。
期限が重なったり、どちらが重要か判断がつかなかったりするときは、一人で抱え込まずに上司に相談すればよい。抱えている仕事の一覧を見せ、自分の考えた順番を添えて相談すると、的確な助言が返ってきやすい。
大きな仕事は全体の所要時間を見積もりにくく、そのままでは予定に入れにくい。そこで、工程ごとに分けて予定に入れる。例えば会社説明会の資料なら、「情報収集→構成案の作成→本文の作成→確認依頼」のように分け、工程ごとに期限を決める。進み具合が見えるので、上司も途中で助言しやすくなる。
中堅社員や管理職になると、自分の仕事に加えて後輩やチームの仕事にも関わるようになる。仕事の量が増えるうえ、どの仕事に時間をかけてどの仕事を減らすかを自分で判断しなければならない。急ぎの対応に追われて締切の近い順に動いていると、本当に大事な仕事が後回しになりやすい。そこで、次の2つの習慣を身に付けたい。

特に意識して時間を確保したいのが左下の「緊急度が低く、重要度が高い仕事」だ。業務改善や後輩の育成などがここに入る。急ぎではない分後回しにされやすく、放っておくと左上の「緊急度も重要度も高い仕事」に変わってしまう。
この仕事に時間を確保するには、右側の重要度が低い仕事を減らす必要がある。どの仕事を減らせるかは、ECRS(イクルス)の原則で見直すとよい。管理職であれば、部下に任せられる仕事を見極めることも考えたい。
ECRS(イクルス)の原則とは
業務を「なくせないか(排除)」「まとめられないか(結合)」「順番や担当を変えられないか(交換)」「簡単にできないか(簡素化)」の4つの視点で見直す考え方を指す。
立場ごとの習慣は、考え方そのものは難しくない。しかし、社員がそれぞれ自己流で取り組むだけでは、職場全体の残業はなかなか減らない。理由は大きく2つある。
社員がタイムマネジメントを身に付ける手段の一つに、研修がある。研修では考え方を知るだけでなく、自分の業務を題材にしたワークを通じて実際に試せる。同じ職場のメンバーで受講すれば共通の考え方がそろい、職場全体で取り組みやすくなる。
立場によって適切な仕事の進め方が違うため、研修の内容も受講者の立場に合わせて選びたい。例えば新入社員・若手社員には、仕事の見極めやスケジュールの立て方を扱う研修が合う。短時間で基本を押さえたいなら半日の研修もある。
研修のテーマに悩んだ時や、社員が楽しく受講できる研修を実施したい場合は以下も参考にしてほしい。
タイムマネジメントとは、限られた時間の中で何にどれだけ時間を使うかを決めて行動することだ。残業が続くと、法令面や社員の健康面でのリスクも大きくなる。その残業を減らす手立てになるのが、日々の時間の使い方の習慣だ。
ただし、優先順位の考え方が立場によって違うため、身に付けたい習慣も立場ごとに変わる。新入社員・若手社員は、任された仕事を漏れなく把握し、すぐやるか予定に入れるかを見極めることが基本になる。中堅社員・管理職は、緊急度と重要度で優先順位をつけ、余裕を持った計画を立てることを意識したい。研修なども活用しながら、職場全体で取り組んでほしい。
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