コミュニケーション研修を検討する際、実際に受講した方がどんな感想を持つのか気になる方は多いのではないでしょうか。本記事では、実際のアンケートをもとにした受講者の感想を中心に紹介します。良かった点だけでなく改善してほしい点もあわせて取り上げ、研修を成功させるためのポイントも見ていきます。
目次
コミュニケーション研修とは、「聴く力」「伝える力」「質問力」といった、業務を円滑に進めるための基本スキルを身に付ける研修です。受講者の感想を見ていく前に、まずは研修の目的と対象者、大まかな内容を確認しておきましょう。
コミュニケーション研修の目的は、部署や役職を越えて共通のコミュニケーションの型を身に付けることにあります。上司と部下、営業担当と取引先、現場スタッフ同士など、あらゆる関係性の中で活用できるスキルを扱うため、新入社員から管理職まで幅広い層が対象になります。
対象者を明確にすることは、研修の質にも直結します。たとえば管理職向けなら部下への接し方、営業担当向けなら取引先との商談を意識した内容にすることで、受講者が「自分ごと」として捉えやすくなり、研修後の感想にも前向きな声が集まりやすくなります。
研修担当者としては、誰に向けた研修なのかを明確にした上で対象者の業務内容に近い事例を扱えるかどうかを確認しておくと、研修後に良い影響が出やすくなります。
研修は座学だけでなく、ワークやロールプレイングを組み合わせて進められることが多く、大きく分けると次の4つのスキルを扱います。
| スキル | 具体的な内容 |
|---|---|
| 関係構築 | 挨拶・声がけ・雑談などを通した信頼関係づくり |
| 聴く力 | 傾聴 / 相槌 / 要約 |
| 伝える力 | PREP法 / 結論の先出し |
| 非言語コミュニケーション | うなずき・あいづち・話す際の態度 |
それぞれのスキルの具体的な進め方や、研修の詳しいプログラム内容については、以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
実際にコミュニケーション研修を受講した方からは、多くの前向きな感想が寄せられています。ここでは傾向ごとにまとめて紹介します。※掲載している感想は、実際に寄せられたアンケートのコメントをもとに、個人が特定できないよう加工しています。
傾聴の際の話す割合の目安や、質問の使い分け、PREP法など、具体的な型として使えるスキルが多かったという感想が目立ちました。座学で学んだ型を、グループワークやケースワークを通してその場で試せたことで、理解がより深まったという声が中心です。
指示を出す際に必要な情報を整理して伝えることや、数字を使って具体的に伝えることを学び、すぐに実践できると感じました。
グループワークがあり、学んだ内容をその場で実践できたので、内容がしっかり残っています。
ケースワークで実際の業務を想像できたので、学んだことをそのまま実務でも参考にできそうだと感じました。
同じ内容でも伝え方や言葉の選び方によって、相手の受け取り方や納得感が大きく変わるという気づきも多く挙げられていました。説得するのではなく、納得してもらうという視点が印象に残ったという感想です。
言葉の伝え方ひとつで、相手の受け取り方や対応が大きく変わるという点が特に印象に残りました。
相手を説得するのではなく、納得してもらうことが大事だという視点は、日々の業務にすぐ活かせると感じました。
形容詞や副詞に頼らず、数字を使って具体的に伝えることの大切さを実感しました。
研修内容が自分ごととして感じられたという声も多く見られました。日頃なんとなく行っていたコミュニケーションの癖や課題に、研修を通して初めて気づけたという感想です。
自分自身のコミュニケーションの課題と向き合うことができ、日々の関わり方を見直す良い機会になりました。
改めて自分の毎日のコミュニケーションを振り返る良い機会になりました。
自分に不足しているコミュニケーションスキルや、その改善方法について向き合うことができました。
こうして並べてみると、良かった感想の多くは「知識として知る」ことより「体感して納得する」ことへの評価だとわかります。型を教わるだけでなく、ワークで試し、自分の言葉で振り返る過程があったからこそ、研修後も記憶に残りやすくなっているようです。座学の説明だけで終わらせず、体感と振り返りの時間をセットで設計することが、良い研修になるポイントです。
一方で、受講後のアンケートでは「もう少しこうだったら」と物足りなさを感じたという感想も見られました。こうした声をあらかじめ知っておくことで、初めて研修を企画する場合でも、つまずきやすいポイントを事前に避けやすくなります。こちらも傾向ごとにまとめて紹介します。
上司部下の関係を想定した内容が中心で、取引先とのやり取りやテレワーク下でのコミュニケーションなど、他の場面ももう少し扱ってほしいという声が見られました。
対面でのコミュニケーションが中心だったため、テレワークなど対面以外の場面についてももう少し扱ってほしいと感じました。
上司と部下を想定した内容が中心で、取引先とのやり取りについてももう少し扱ってほしいと感じました。
このような意見が出そうな場合は、受講者の業務内容や働き方に合わせて研修内容をカスタマイズすることを検討すると良さそうです。事前に受講者が直面しやすい場面を整理しておくと、当日の満足度も高まります。
基礎的な内容が中心で、物足りなさを感じたという声も見られました。受講者の経験値によって、内容の満足度に差が出やすいことがわかります。
基礎的な内容が多かったです。もう少し踏み込んだ内容を期待していました。
当たり前だと感じる内容も多く、目新しさをあまり感じられませんでした。
このような声が出るのを防ぐには、まずは受講者の経験値や課題感を事前に把握しておくことが大切です。そのうえで、レベル別にクラスを分けるなど、対象者に合わせた工夫を検討しましょう。また、基礎に立ち返ることが目的であれば、その目的を研修の冒頭で明確に伝えることも重要です。狙いが共有されていれば、基礎的な内容であっても「今更感」を抱かれにくくなります。
内容そのものへの評価は高いものの、ワークにかける時間が足りないと感じたという声も見られました。座学の説明が多く、実践練習の時間が圧迫されるケースがあるようです。
内容自体はためになるものばかりでしたが、ワークの時間がもう少しあると、より理解が深まると感じました。
座学の時間が多く感じられ、もう少しワーク中心の進め方のほうが受講しやすいと感じました。
こうした感想は短時間の研修で出やすい傾向があります。対策としては、5~6時間程度の研修時間を確保することです。1回で内容を詰め込まずに、基礎編と実践編で分けることもおすすめです。そうすることで消化不良や時間不足を感じにくくなります。
物足りなかったという感想は、内容そのものへの不満というよりも、「対象者や状況に合わせてもう少し調整してほしい」という声が中心でした。研修そのものの質が低いのではなく、受講者の状況と研修設計の間に生じたズレが原因になっています。事前に対象者の経験値や業務内容、確保できる時間を把握しておくことが、より実りのある研修にするポイントといえるでしょう。
感想の中には、研修後にどう行動を変えたいかという具体的な声も多く見られました。「相手を説得するのではなく、納得してもらうことを意識する」「まずは朝の挨拶から徹底する」といった、小さな行動目標を挙げる声が多いです。研修の効果は、大きな成果としてよりも、こうした日々のちょっとした行動の変化として現れているようです。
| 場面 | 研修後に見られた変化 |
|---|---|
| 商談・営業の場面 | 一方的に話すことが減り、相手の話を最後まで聴けるようになった |
| 報告・連絡・相談の場面 | 話の順序に悩むことが減り、PREP法で結論から簡潔に伝えられるようになった |
| 日々の現場業務の場面 | ながら作業で話を聞くことが減り、相手に体を向けて話を聴くようになった |
ここまでの感想を踏まえると、研修設計の工夫が満足度を左右することがわかります。次のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。
良かった感想の多くは、研修内容が受講者自身の業務と結びついていたことに関係していました。一方で、改善してほしいという感想の多くは、対象者と内容のミスマッチや、座学とワークのバランスに関するものでした。この2つの傾向を踏まえて研修を企画することが、感想の質を高める近道といえそうです。
コミュニケーション研修を成功させるためのポイント
研修を計画する際にはこうしたポイントを事前に意識しておくだけでも、受講者にとって満足度の高い研修に近づけやすくなります。ここを整理しておくと、研修会社への要望もスムーズに伝えることができます。
コミュニケーション研修には、目的や対象者に応じていくつかの種類があります。自社の課題に合わせて選ぶことで、研修の効果をより高めることができます。
「言えない」や「言いすぎる」など、適切な伝え方ができておらずコミュニケーションが滞っている場合には次の研修がおすすめです。
会議の時間が長引きがちだったり、意見が出にくい場を改善したい場合には以下が向いています。
新入社員や若手社員に、話の要点を正確に聞き取り、メモや議事録として残す力を身につけさせたい場合におすすめです。
この他、さまざまなテーマの研修を用意しています。以下よりご覧ください。
コミュニケーション研修は、「関係構築」「聴く力」「伝える力」「非言語コミュニケーション」という、業務のあらゆる場面で活用できるスキルを身に付ける研修です。実際の受講者からは、傾聴や質問の使い分け、PREP法など、明日からすぐに使える内容だったというポジティブな感想が多く寄せられています。
一方で、対象者や進め方によっては、内容の難易度や座学とワークのバランスに関する声も見られました。こうした良かった感想と改善してほしい感想の両方を事前に把握しておくことで、初めて研修を企画する場合でも、自社に合った内容を選びやすくなります。
初めてコミュニケーション研修を企画する場合は、自社でアンケートを取った経験がなくても、こうした感想を事前に知っておくだけで、準備の進め方や研修会社への要望の伝え方が変わってきます。自社の課題や受講者層に合わせて内容を調整できるかという視点で、研修先を選ぶこともあわせて意識してみてください。
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