「マーケティング研修を導入したいが、研修の種類が多く、自社に合う内容を決めきれない」。そんな悩みを抱える研修担当者もいるのではないだろうか。
マーケティング研修で扱うのは、基礎知識だけではない。市場調査やWeb集客、ブランドづくり、SNS運用まで、内容は多岐にわたる。
この記事では、マーケティング研修でよく扱われる内容を代表的な5つの分野に分け、それぞれのテーマを紹介する。あわせて、育成課題に応じた選び方と、研修内容を決める前の確認事項もまとめている。
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マーケティング研修とは、売れる仕組みづくりに必要な分析・戦略立案・効果測定の考え方と手法を身に付けるための研修だ。顧客や市場を理解したうえで根拠のある施策を立て、その成果を検証できる人材を育てることが目的になる。
近年は、顧客のニーズを起点に考える姿勢が営業や商品開発などの部門にも求められている。そのため、マーケティング部門以外で研修を実施する企業も増えてきた。研修の目的や期待される効果の詳細はここから確認できる。
マーケティング研修で扱う内容は幅広く、分け方もさまざまだ。例えば、次のような5つの分野に分けられる。
| 分野 | 主に扱うテーマ | 解決したい課題の例 |
|---|---|---|
| マーケティング基礎 | 環境分析 / STP / マーケティングミックス(4P) | 分析から施策立案までの共通の手順を身に付けたい |
| マーケティングリサーチ | 定量調査 / 定性調査 / 調査結果の分析 | 調査結果を施策や商品開発に活かしたい |
| Webマーケティング | 集客 / 成約率の向上 / Web広告 / SEO / 成果測定 | Webサイトからの問い合わせや売上を増やしたい |
| ブランディング | ブランド・エクイティ / ブランド戦略の進め方 | 自社の価値を一貫して伝えたい |
| SNS | 主要SNSの活用 / 投稿づくり / リスク対策 | SNS運用を始めたい / 炎上を防ぎたい |
5つの分野をすべて受講する必要はなく、自社の課題や受講対象者に合わせて必要な分野を選ぶのが基本だ。リスキルでも、この5分野に分けて30以上の研修を用意している。
ここからは、5つの分野それぞれで扱うテーマと、主な対象者を紹介する。
対象者
マーケティング部門の新任者 / マーケティングの知識を業務に活かしたい営業職・商品開発職
マーケティング基礎研修では、市場や自社の状況を分析し、狙う顧客と施策を決めるまでの一連の流れを扱う。代表的なテーマは次のとおりだ。
これらの手法は、個別に覚えるだけでは実務で使いこなしにくい。分析から施策立案までを一つの流れとして理解し、自社の商品やサービスに当てはめて考えられるかが重要になる。
基礎を押さえた後は、次のようなテーマに絞って理解を深める方法もある。
顧客理解
インサイトや行動経済学(ナッジ理論)を通じて、顧客の潜在的なニーズや行動の背景を捉える
戦略
USPの設計やBtoBマーケティングなど、自社の強みや事業に合った戦略の立て方を考える
販売促進
プロモーションやダイレクトマーケティングなど、施策を設計し、効果を測定する方法を身に付ける
マーケティング基礎研修の一覧はここから確認できる。
対象者
調査結果を施策に活かしきれていない部門の担当者 / 商品企画の担当者
マーケティングリサーチ研修では、市場や顧客の情報を集め、施策の判断材料にするための調査方法を扱う。主に次のようなテーマを取り上げる。
調査は、実施すること自体が目的ではなく、結果を商品開発や施策に結び付けてはじめて意味を持つ。そのため、調査結果をコンセプトづくりや試作品のテストにつなげる流れまで扱う研修もある。
マーケティングリサーチ研修の具体的な内容はここから確認できる。
対象者
Webサイトの運用担当者 / Webマーケティングの基礎をそろえたい部署
Webマーケティング研修では、Webサイトや広告を通じて顧客を獲得するための考え方と手法を扱う。Webで成果を上げるための軸は、アクセス数を増やすことと、成約率を高めることの2つだ。研修では、主に次のテーマを扱う。
近年は、生成AIの普及によって情報の探し方が変わりつつある。そのため、従来のSEOに加えてLLMOへの対応をテーマにした研修も登場している。
LLMOとは
生成AIの回答の中で、自社の情報が引用・紹介されやすくなるように情報を最適化する取り組みを指す。
Webマーケティング研修の各カリキュラムはここから確認できる。
対象者
広報や商品企画の担当者 / ブランドへの共通認識をそろえたい社員全体
ブランディング研修では、企業におけるブランディングの役割と、ブランドを事業の成長に活かすための考え方を扱う。主な内容は次の3つだ。
ブランドのイメージは、担当者だけでなく社員一人ひとりの発信や行動からもつくられる。そのため、担当者向けの研修に加えて、社員全体で基礎を共有する機会を設けることも有効だ。
ブランディング研修の一覧はここから確認できる。
対象者
SNSの運用担当者 / これからSNS運用を始める企業の担当者
SNS研修では、SNSを情報発信や集客に活かす方法と、運用に伴うリスクへの対策を扱う。代表的なテーマを挙げると、次のようになる。
SNSはプラットフォームごとに特徴が異なる。そのため、各SNSの違いを押さえておくことは、自社に合ったSNSを選ぶ際にも役立つ。
SNS研修の一覧はここから確認できる。
5つの分野のうち、どれを優先するかは自社が抱える育成課題によって変わる。主な課題ごとに、優先したい分野の目安をまとめると次のようになる。
| 育成課題 | 優先したい分野 | 特に関連するテーマ |
|---|---|---|
| マーケティングの全体像を理解させたい | マーケティング基礎 | 環境分析 / STP / 4P |
| 顧客や市場を根拠をもって捉えたい | マーケティングリサーチ / マーケティング基礎 | 定量調査 / 定性調査 / インサイト |
| Webサイトの成果を改善したい | Webマーケティング | 集客 / 成約率の向上 / 成果測定 |
| 自社の価値を一貫して伝えたい | ブランディング / マーケティング基礎 | ブランド・エクイティ / USP |
| SNS運用を任せたい・リスクを抑えたい | SNS | 主要SNSの活用 / リスク対策 |
新任のマーケティング担当者には、基礎研修から始めるのがよい。分析から施策立案までの流れを押さえておくと、他の分野の内容も理解しやすくなる。営業部門と企画部門で合同受講すれば、部門間で共通の言葉を持つことにもつながる。
新商品の企画や販促の方針を、「前回もこのやり方だったから」「なんとなく売れそうだから」といった理由で決めていないだろうか。こうした場合は、リサーチ研修が役立つ。調査手法を身に付けると、判断の根拠となる情報を自分たちで集め、分析できるようになる。潜在的なニーズまで探りたいなら、顧客インサイトを扱う研修も選択肢になる。
アクセスはあるのに問い合わせが増えない場合は、Webマーケティング研修が候補になる。Webマーケティング研修では、集客だけでなく成約につながるページの作り方も扱うためだ。集客と成約率のどちらに課題があるかを事前に整理しておくと、重点的に扱うテーマを絞り込める。
商品ごとに打ち出し方がばらばらな場合は、ブランディング研修が適している。ブランドを軸に、顧客に何を一貫して伝えるかを整理する考え方が身に付くからだ。自社の強みを言葉にするところから始めたいなら、USP(独自の強み)の設計を扱う研修を組み合わせるとよい。
SNSの運用担当者には、発信の効果を高めることと炎上を防ぐことの両方が求められる。そのため担当者の育成には、活用方法とリスク対策をあわせて扱うSNS研修が合う。すでに運用していて炎上対策を強化したい場合は、リスク対策の研修に絞る方法もある。
課題が複数ある場合は、優先度の高い分野から始め、必要に応じて他の分野を組み合わせるとよい。基礎研修で全体の流れを押さえたうえで、Webマーケティング研修やブランディング研修に進むといった組み立て方もできる。
優先する分野が決まったら、研修の内容を具体的に詰めていく。事前に次の3点を整理しておくと、研修会社への相談もスムーズに進む。
マーケティングに初めて触れる社員には、基本を一通り押さえる内容が向いている。実務経験がある社員には、STPやフレームワークなど特定のテーマを深める研修が適している。マーケティング部門以外の社員が対象なら、業務との兼ね合いも考え、短時間で要点をつかめる構成を検討したい。
ゴールを設定する際は、「理解する」で終わらせず、行動のレベルまで落とし込むのがポイントだ。例えば「自社商品についてSTPを整理できる」「自社サイトの改善点を挙げられる」のように設定する。行動レベルのゴールであれば、研修後に達成できたかを確かめやすく、必要なテーマやワークも選びやすくなる。
研修の題材が実務に近いほど、得た知識を業務に活かしやすい。自社の事業がBtoBかBtoCか、Web施策が中心かといった点を整理し、扱うテーマを決めておくとよい。研修会社によっては、自社の事例を題材に取り入れてもらえる場合もある。リスキルでも、事前のヒアリングをもとに自社の事例を研修に反映できる。
この記事では、マーケティング研修で扱う内容を、基礎・リサーチ・Web・ブランディング・SNSの5つの分野に分けて紹介した。分野ごとに扱うテーマや対応する課題が異なるため、まずは自社の育成課題を整理し、優先する分野を決めることが出発点になる。
そのうえで、対象者の知識・経験や研修後のゴールを明確にしておけば、実務に結び付く研修内容を組み立てやすい。自社に合う内容を決めきれない場合は、研修会社に相談しながら組み合わせを検討するのも一つの方法だ。
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