中堅社員研修のおすすめテーマ9選|目的別の選び方と組み合わせ方

中堅社員研修を企画する際、どのテーマを中心に実施するかは悩みやすいポイントの一つです。リーダーシップやフォロワーシップ、コミュニケーション、部下育成など、選択肢は幅広くあります。テーマを選ぶときは、一般的な人気よりも、自社が中堅社員に期待する役割や現在の課題を起点に考えることが大切です。

この記事では、中堅社員研修で扱われる代表的な9つのテーマと、それぞれが向いている目的を紹介します。あわせて、目的別の選び方や組み合わせ方、テーマ選びでよくある失敗も整理しています。

作成者
株式会社リスキル

東証グロース上場(291A)・研修実績 年間3,900社以上

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中堅社員研修のテーマは目的に合わせて選ぶ

中堅社員研修には、役割理解からキャリアデザインまで多様なテーマがあります。ただし、一般的に中堅社員向けとされるテーマをそのまま採用すると、自社の実情とずれた内容になりがちです。

中堅社員に求めることは、企業や部署によって異なります。ある企業では後輩の育成役を、別の企業では業務改善の推進役を期待しているかもしれません。期待することが違えば、必要な研修テーマも変わります。

そのため、研修テーマは「自社が中堅社員に何を期待しているか」から逆算して選ぶことが重要です。テーマを検討する前に、次の3点を整理しておきましょう。

テーマを選ぶ前に整理したいこと

  • 中堅社員にどのような役割を期待しているか
  • 現在どのような課題があるか
  • 研修後に職場でどのような行動をしてほしいか

この3点が明確になっていれば、後述するテーマの中から自社に合うものを絞り込めます。それぞれをテーマ選びにどう生かすかは、「中堅社員研修のテーマを選ぶ3つのポイント」で取り上げます。中堅社員の課題がまだはっきりしない場合は、次の記事も参考にしてください。

中堅社員研修のおすすめテーマ

リスキルでは、中堅社員に求められる役割を次の3つで整理しています。

1

仕事のメインプレイヤー

担当業務で成果を出し、チームの業務を支える

2

上司をサポートするフォロワー

上司の方針を理解し、必要なサポートや提案を行う

3

後輩を支えるリーダー

後輩を指導し、周囲に働きかけながら仕事を進める

以下の9つのテーマは、この3つの役割を担ううえで必要な考え方やスキルに関わるものです。研修では、1つのテーマを中心に据えて実施する場合もあれば、1回の研修の中で2〜3つを組み合わせて扱う場合もあります。リスキルの研修にも、複数のテーマを1本にまとめたものがあります。

まずは各テーマの特徴と、それぞれに合う目的を確認してください。組み合わせ方は「中堅社員研修のテーマを組み合わせるときの考え方」で取り上げます。

中堅社員としての役割理解

中堅社員になると、若手の頃のように自分の仕事だけに集中していればよい立場ではなくなります。役割理解の研修では、受講者が3つの役割を確認し、組織の中での自分の位置づけを見直します。

こんな場合におすすめ

  • 中堅社員として何を期待されているのか理解してほしい
  • 若手社員の頃と同じ働き方から変化してほしい
  • 組織への貢献を意識してほしい

扱う内容の例

  • 中堅社員に期待される役割の整理
  • メインプレイヤー・フォロワー・リーダーとしての行動
  • オーナーシップ(当事者意識)
  • 日々の仕事で意識すべきこと

このテーマは、中堅社員研修を初めて実施する場合や、ほかのテーマに入る前に土台をつくりたい場合に適しています。

セルフマネジメント・主体性

セルフマネジメントとは、自分の時間・業務・感情を管理し、目標に向けて計画的に仕事を進めることです。中堅社員は任される仕事の幅が広がる一方、細かな指示を受ける機会は減っていきます。そのため、自分で判断して動く力を身に付けてほしいときは、このテーマが選択肢になります。

こんな場合におすすめ

  • 指示を待つのではなく、自ら考えて行動してほしい
  • 自分の仕事を主体的に進めてほしい
  • 目標を立て、計画的に仕事を進めてほしい

扱う内容の例

  • 目標達成に向けた行動の管理
  • 目標設定
  • PDCA(計画・実行・評価・改善のサイクル)の回し方
  • 感情・モチベーションのコントロール

上司が細かく指示を出さないと仕事が進まない、自分で目標を立てられないといった様子が見られるなら、優先して検討したいテーマです。

フォロワーシップ

フォロワーシップとは、上司やリーダーを主体的に支え、組織の成果に貢献する姿勢や行動のことです。指示に従うだけでなく、現場の情報を上司に伝えたり、方針をチームに浸透させたりすることも含まれます。

こんな場合におすすめ

  • 上司を支えられる中堅社員を育てたい
  • 上司の方針を理解して現場で行動してほしい
  • 上司と現場の橋渡しができるようになってほしい

扱う内容の例

  • フォロワーシップの基本と求められる行動
  • 上司の方針の理解と支援
  • 現場の情報共有や上司への提案
  • 自責の考え方(問題を他人や環境のせいにせず、自分にできることを考える姿勢)

管理職が多忙で、現場の状況を把握しきれていない職場では特に検討したいテーマです。中堅社員が橋渡し役を担うことで、方針の浸透や情報共有が進みます。

フォロワーシップを組織で育てる方法は「組織を強くするフォロワーシップの育て方」も参考にしてください。

リーダーシップ・巻き込み力

ここでいうリーダーシップは、役職に基づく統率力ではなく、立場に関係なく周囲へ働きかけ、協力を引き出す力を指します。管理職でなくても、仕事を前に進めるためにこの力が必要な場面は多くあります。

こんな場合におすすめ

  • 周囲を巻き込んで仕事を進めてほしい
  • チームで成果を出せるようになってほしい
  • 将来のリーダー候補を育てたい

扱う内容の例

  • リーダーとしての役割の理解
  • 目標や方向性の示し方
  • 周囲を巻き込む力と調整力
  • 働きやすい職場づくりへの関わり方

部署をまたぐプロジェクトや、後輩を含むチームでの業務を任せたい場合に取り入れたいテーマです。

巻き込み力の考え方は「真の「巻き込み力」とは?」で詳しく取り上げています。

コミュニケーション

中堅社員は、上司・後輩・他部署など関わる相手が増える立場です。相手によって伝え方を変えたり、意見の違いを調整したりする機会も多くなります。こうした場面では、相手を尊重しながら自分の意見も率直に伝える「アサーティブコミュニケーション」も役立ちます。

こんな場合におすすめ

  • 周囲との連携を強化したい
  • 他部署との調整を円滑にしたい
  • 後輩や部下との関係を改善したい
  • 自分の考えを相手に分かりやすく伝えられるようになってほしい

扱う内容の例

  • 信頼関係の構築
  • 聴くスキル(傾聴・質問)
  • 伝えるスキル
  • 上司と後輩をつなぐコミュニケーション
  • アサーティブコミュニケーション

他部署との調整で衝突が起きやすい職場や、後輩に遠慮して必要な指摘ができない中堅社員が多い職場に合うテーマです。

後輩・部下育成

中堅社員は、OJT担当として後輩の指導を任されることがあります。OJTとは、実際の業務を通じて仕事を教える育成方法です。ただ、教え方を身に付ける機会がないまま、指導役を担っているケースもあります。

こんな場合におすすめ

  • 後輩を育成できる中堅社員を増やしたい
  • OJTの質を高めたい
  • 後輩への指導方法を身に付けてほしい

扱う内容の例

  • 後輩への教え方
  • 傾聴・承認
  • フィードバック
  • 褒め方・叱り方
  • 相手のタイプに合わせた関わり方

「指導する人によって後輩の成長に差が出る」「指導が自己流になっている」と感じる場合に、優先度が高くなるテーマです。

問題解決・ロジカルシンキング

現場の業務をよく知る中堅社員は、業務改善の担い手として期待されやすい存在です。ただ、問題に気づいていても、原因を整理して解決策に落とし込む方法を知らなければ、改善は進みません。そこで役立つのが、物事を筋道立てて整理し、矛盾なく考えるロジカルシンキングです。

こんな場合におすすめ

  • 中堅社員に業務改善を進めてほしい
  • 問題の原因を整理して解決できるようになってほしい
  • 自ら課題を発見して改善する力を高めたい

扱う内容の例

  • 問題の発見
  • 原因分析と課題設定
  • 対策案の立案
  • 対策の実行と進捗管理
  • 筋道を立てて考える方法(ロジカルシンキング)

同じミスやトラブルが繰り返され、その場しのぎの対処で終わっている職場で検討したいテーマです。

生産性向上・仕事の進め方

中堅社員は業務量が増えやすく、日々の仕事に追われて重要な業務に時間を割けなくなることがあります。このテーマでは、個人の頑張りに頼るのではなく、仕事の進め方や業務そのものを見直す視点を扱います。

こんな場合におすすめ

  • 業務効率を高めたい
  • 中堅社員の業務負担を軽減したい
  • より重要な仕事に時間を使えるようにしたい

扱う内容の例

  • 業務の棚卸し
  • 優先順位のつけ方
  • 無駄の削減
  • 仕事の標準化
  • ミスを減らす工夫

セルフマネジメントが自分自身の働き方の管理に重点を置くのに対し、こちらは業務の流れや仕組みそのものの改善に焦点を当てます。中堅社員に仕事が集中し、残業が常態化している場合などに適しています。仕事の進め方を見直すことは、指示待ちの改善にもつながるため、セルフマネジメントと組み合わせることもあります。

キャリアデザイン

入社から年数がたち仕事に慣れてくると、成長の実感を得にくくなることがあります。キャリアデザインの研修では、受講者がこれまでの経験を振り返り、今後どのような役割を担いたいかを考えます。

こんな場合におすすめ

  • 中堅社員の成長停滞を防ぎたい
  • 今後のキャリアを考える機会をつくりたい
  • 長期的な成長意欲を高めたい

扱う内容の例

  • これまでの経験の振り返り
  • やりたいこと・できること・やるべきことの整理
  • 組織から求められる役割の確認
  • 目指す姿に向けた課題の整理

すぐに業務の成果として表れるテーマではありませんが、成長意欲の低下やキャリアへの迷いが見られる場合に検討するとよいでしょう。

中堅社員研修のテーマを目的別に選ぶ

ここまで取り上げたテーマを、企業の目的から選べるように整理すると次のとおりです。

企業の目的 おすすめのテーマ
中堅社員としての役割を理解してほしい 役割理解
主体的に仕事を進めてほしい セルフマネジメント・主体性
上司を支えてほしい フォロワーシップ
周囲を巻き込んで仕事を進めてほしい リーダーシップ・巻き込み力
周囲との連携を強化したい コミュニケーション
後輩・部下を育成してほしい 後輩・部下育成
業務改善を進めてほしい 問題解決・ロジカルシンキング
業務効率を高めてほしい 生産性向上・仕事の進め方
今後のキャリアを考えてほしい キャリアデザイン

なお、目的とテーマが一対一で対応するとは限りません。たとえば後輩の育成を目的にしていても、そもそも後輩との会話がうまくいっていないケースがあります。その場合は、後輩・部下育成に加えてコミュニケーションも検討するとよいでしょう。

複数の課題がある場合は、優先順位をつけたうえでテーマを組み合わせます。組み合わせ方は後ほど取り上げます。

中堅社員研修のテーマを選ぶ3つのポイント

冒頭で挙げた「期待する役割」「現在の課題」「研修後の行動」の3点を、実際のテーマ選びでどう使うかを整理します。

中堅社員に期待する役割から考える

まずは、自社で中堅社員にどのような役割を特に担ってほしいのかを明確にしましょう。3つの役割はいずれも中堅社員に期待されるものですが、どこに重点を置くかは企業によって異なります。

たとえば、次期リーダーとして育てたいならリーダーシップが候補になります。管理職を支える存在になってほしいなら、フォロワーシップが合うでしょう。重点を置く役割が定まると、テーマを絞り込めます。

現在の課題と結びつける

テーマを決めるときは、自社の課題とセットで考えることが大切です。

Before

リーダーシップ研修を実施する

→

After

周囲を巻き込めていない課題に対して、リーダーシップ・巻き込み力を扱う

テーマが課題と結びついていれば、研修で何を重点的に扱うべきかが明確になります。受講者にも「なぜこの研修を受けるのか」が伝わり、当事者意識を持って参加してもらえます。

研修後の行動まで考える

研修で知識を得ても、職場での行動が変わらなければ成果にはつながりにくいものです。テーマを選ぶ段階で、研修後にどのような行動をしてほしいのかまで考えておきましょう。

後輩育成をテーマにするなら「後輩と定期的に業務の振り返りを行う」といった行動が考えられます。問題解決なら「担当業務の改善案を1つ提案する」といった行動です。行動のイメージが具体的になるほど、テーマの選び方もぶれにくくなります。

中堅社員研修のテーマを組み合わせるときの考え方

中堅社員の課題は1つだけとは限りません。複数のテーマを扱うときは、1回の研修の中で組み合わせるか、テーマごとに回を分けて段階的に実施します。目的に応じて、たとえば次のような組み合わせが考えられます。

  • 役割理解+フォロワーシップ:上司を支える意識を高めたい場合
  • 役割理解+リーダーシップ:将来のリーダー候補として、管理職に近い視点で考えられるようにしたい場合
  • コミュニケーション+後輩・部下育成:後輩との関係づくりから指導方法まで見直したい場合
  • 問題解決+生産性向上:問題の原因を整理し、業務のやり方まで見直したい場合 上の例のうち2つは、役割理解を土台に具体的なスキルを重ねる組み合わせです。受講者が「なぜこのスキルが必要なのか」を理解したうえで取り組めるのが利点です。
ポイント

組み合わせる場合は、優先度の高い課題に対応するテーマから選びましょう。すぐに扱わない課題は、次回以降の研修やOJTで取り上げる方法もあります。

テーマを決めた後、対象者や研修形式、研修後のフォローまで含めて企画したい場合は、次の記事も参考にしてください。

中堅社員研修のテーマ選びでよくある失敗

「人気のテーマ」だけで選ぶ

他社で実施されているテーマや流行しているテーマが、自社の課題に合うとは限りません。人気のテーマを候補に入れるのは問題ありませんが、自社の課題と照らし合わせたうえで判断しましょう。

テーマ名だけで研修内容を判断する

テーマ名が同じでも、研修によって扱う内容は異なります。たとえばリーダーシップ研修には、管理職としてチームを率いる内容のものもあれば、役職に関係なく周囲を巻き込む力を扱うものもあります。

テーマ名だけで決めると、期待していた内容と実際の研修がずれることがあります。研修を選ぶ際は、カリキュラムまで確認し、自社の目的に合う内容が含まれているかを確かめましょう。

役割理解を省いてスキル系のテーマだけを詰め込む

後輩育成・問題解決・コミュニケーションなど、スキルを扱うテーマを一度に多く盛り込むと、1つひとつの演習や振り返りに十分な時間を取れません。また、役割理解を省くと、受講者は「なぜ自分にこのスキルが必要なのか」が分からないまま参加することになります。

その結果、内容は理解できても、職場での実践にはつながりにくくなります。扱うテーマを絞り、必要に応じて役割理解を最初に置く構成を検討しましょう。

対象者の違いを考慮せずにテーマを決める

同じ中堅社員でも、役割・経験・職種・課題は人によって異なります。たとえば、後輩を持つ社員と専門性を深める立場の社員とでは、必要なテーマも違ってきます。

とはいえ、予算や日程、運営の負担を考えると、対象者ごとに別々の研修を企画するのは難しいことも多いでしょう。その場合は、役割理解のように全員に共通するテーマを中心に据えるのが一つの方法です。そのうえで、ワークのグループ分けなどを工夫し、立場ごとの課題に触れる時間を設けます。扱いきれない個別の課題は、研修後のOJTや上司との面談で補う形も考えられます。

中堅社員研修は自社の目的に合ったテーマを選ぶ

中堅社員研修には、役割理解やフォロワーシップ、リーダーシップ、後輩・部下育成など、さまざまなテーマがあります。

大切なのは、一般的によく選ばれているという理由だけで決めないことです。期待する役割・現在の課題・研修後の行動を整理し、目的に合ったテーマを選ぶことが、研修の成果につながります。課題が複数ある場合は、優先順位をつけて組み合わせましょう。

リスキルでは、中堅社員向けにさまざまな研修を用意しています。役割理解やフォロワーシップ、リーダーシップのほか、コミュニケーション、問題解決、後輩・部下育成なども扱っています。一社研修では、複数のテーマを組み合わせて実施することも可能です。テーマ選びの参考として、研修の一覧もご覧ください。

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